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これからの子どもに必要な「生きる力」 文部科学省による新学習指導要領が目指すものとは

文部科学省は2020年度から新しい「学習指導要領」をスタートし、その内容は子どもたちの「生きる力」を育むものだとしています。今回はこの取り組みが始まった背景などを紹介しつつ、新学習指導要領が目指すものについて説明し、最後に未来を担う子どもたちが安心して学べる環境づくりについても提案いたします。

子どもたちに「生きる力」を身につけさせたい

新学習指導要領

科学技術の発展や社会のグローバル化などにより、私たちを取り巻く社会環境は非常に速いスピードで変化しています。ニュースなどでAIにとって代わられる仕事が度々話題になっているように、これからの社会を生き抜いていくには、与えられた情報を処理するだけではなく、自分で価値を創造する能力が重要となってきます。文部科学省が提唱する「生きる力」とは、変化の激しいこれからの社会に適応する力のことを指します。

子どもたちの学習到達度をはかるための調査に、OECD生徒の学習到達度調査(PISA)があります。これはOECD加盟国(37か国)の多くで義務教育の終了段階にある15歳児を対象とした調査で、子どもたちの数学的リテラシー・科学的リテラシー・読解力を測るだけでなく、参加国と比較したときの、自国の子どもたちの学力水準や学習傾向を知ることができます。
2018年の調査では、日本は数学的リテラシー1位、科学的リテラシー2位、読解力11位であり、「自分の考えを他者に伝わるように根拠を示して説明すること」に課題があるとされています。また、日本は学校教育におけるデジタル機器の利用時間が短く、加盟国中最下位であるという課題も判明しました。

これからの社会は、これまでよりさらにグローバル化が進むことが予想されます。「生きる力」は、子どもたちが将来、世界中の人々と競争や協力をおこない、より良い社会をつくっていくために必要な力です。未来を担う子どもたちの「生きる力」を育むことが、今を生きる私たちの課題だといえるでしょう。

新学習指導要領が目指すもの

新学習指導要領

子どもたちの「生きる力」を育むには、知(確かな学力)・徳(豊かな人間性)・体(健康・体力)をバランスよく育成することが大切です。新しい学習指導要領では、「生きる力」を育むために子どもたちに身につけさせたい資質・能力を「三つの柱」にまとめています。

・学んだことを人生や社会に生かそうとする「学びに向かう力、人間性など」
・実際の社会や生活で生きて働く「知識及び技能」
・未知の状況にも対応できる「思考力、判断力、表現力など」

三つの柱を身につけるために新しい学習指導要領で重視されているものが、主体的・対話的で深い学び(アクティブ・ラーニング)です。周りの人と一緒に考え、新しい発見を生む授業や、見通しを立て、粘り強く取り組む授業などが、その一例として挙げられます。アクティブ・ラーニングは、これまでの詰め込み教育やゆとり教育とは違う、新しい学びのかたちであるといえるでしょう。

また、新しい学習指導要領には、小学校3・4年生から英語に親しむこと、論理的な思考を育むために小学校からプログラミング教育をおこなうことなどが盛り込まれています。自分の頭で論理的に考え、世界中の他者との相互理解に努める、「生きる力」をもった子どもの育成を目指しているのです。

これからの子どものために安心な施設づくりを

新学習指導要領

このように、社会の変化に伴い、子どもたちの学びの環境もめまぐるしく変化しています。これからの子どもたちには、着席して教科書を読み、先生から与えられた課題をこなすのではなく、自ら課題を見つけ、解決する姿勢が求められているのです。そのために新学習指導要領では、主体的・対話的で深い学び(アクティブ・ラーニング)を重視しています。

アクティブ・ラーニングでは、他者の意見を聞いたり、自分の考えを発表したりする時間が増えるため、声が聞き取りやすく、スムーズに話し合いがおこなえる音環境の整備が欠かせません。また、図書館や美術館のような学びを深めるための場所では、思索に集中できる環境の整備がおこなわれています。子どもたちの深い学びのためにも、長時間にわたり集中してじっくりと課題に取り組むことができる、快適な学習環境が必要です。

「生きる力」は一朝一夕で身につくものではなく、しっかりとした学びによって育まれるものです。これからの子どもたちの「生きる力」を育むには、学習内容の見直しだけでなく、快適な学習環境の整備も欠かすことができません。

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