STEAM教育がさらに進化! STREAM教育とは? 生きる力を身につける学習法

STEAM教育

複雑化するこれからの時代を生き抜く力を身につけるために、STEAM教育と呼ばれる教育法の取り組みが文部科学省により推進されています。STEAM教育は、先行していたSTEM(ステム)教育が進化したものですが、近年は、このSTEAM教育をさらに発展させたSTREAM(ストリーム)教育が注目されています。

今回の記事では、STEM教育からSTEAM教育を経て発展した過程を踏まえ、STREAM教育とはどのようなものか解説し、こうした教育法を実践するための環境づくりを支える最適な方法についてご紹介します。

STEM教育からSTEAM教育への進化

STEAM教育

STEM教育は、1990年代から注目されていた教育政策で「21世紀型スキル」とも言われ、4つの学問に関する教育に注力し、国際競争力に対応できる人材を生み出すことを目指していました。しかし、近年ではAIによる生活・ビジネススタイルの変化により、創造性や生産性の高さが求められるようになり、将来的な企業の発展や生き残りをかけ、従来のSTEM教育から「個の能力」を高めるためのSTEAM教育に進化することが必要となったのです。

●STEM教育とは

STEMとはScience(科学)、Technology(技術)、Engineering(工学)、Math(数学)の頭文字を組み合わせたもので、これらの教育分野を総称した言葉です。21世紀に向けたグローバル化、IT化した社会に適応する人材を育てるため、この4分野における教育に注力した方法を「STEM教育」といいます。STEM教育は1990年代から始まったといわれています。

●STEAM教育とは

STEAMとはSTEMにA=Art(芸術)、Arts(リベラルアーツ=教養)を加えたもので、文化、生活、経済、法律などの幅広い分野にわたって理系・文系の違いに捉われず、それぞれの教科を横断的に学び、複雑化する実社会での課題解決に活かすことを目的としています。2006年にアメリカで提唱されたSTEAM教育は、日本の将来を担う人材を育成する方法として文部科学省でも推薦しており、学校教育での活用にも大きな期待が寄せられています。

さらなる進化を遂げたSTREAM教育とは

STEAM教育

子どもが将来のIT社会に順応し、国際競争力にも対応可能となるためのSTEAM教育は注目度が高く、様々な取り組みが進められています。しかし、時代は急速に変化しており、より進化した教育が求められていくことも容易に想像できます。そして現在、STEAM教育は先を見据えた「+R」へと進化しています。

●STREAM教育とは

STREAM教育とは、STEAM教育にRobotics(ロボット技術)のRを加えたもので、RにはRealty(現実性)やReviewing(評価)などの意味があり、今後ますます複雑化する社会を生き抜くため、アメリカで提唱されている教育方法です。ロボットを使って実現性を評価する能力を育てる取り組みなど、単にプログラミングをするだけでなく、ロボットやロボット技術を生徒に実体験させることで学びを深めるための教育方法ともいえるでしょう。

STEAM教育やSTREAM教育に適した環境とは

STEAM教育

STEAM教育やSTREAM教育を効率的に進めるには、情報通信技術や室内環境に配慮することが重要です。もう少し具体的にいうと、情報通信技術においては、PCやスマートフォン、スマートスピーカーなどの情報通信機器を用いて、時間や場所を問わず情報通信・情報処理が使用でき、知り得たいタイミングで情報が取り出せる環境に整えること。室内環境においては、積極的なコミュニケーションが可能となるよう、雑音が妨げにならない環境整備をすることに注目する必要があるのです。

●ICT(情報通信技術)環境は必要不可欠

子どもの創造力を引き出し、探究的な学習を行うためには、前述した体制を整えることが大切です。また、人型ロボットを活用することにより、机に向かって学習するだけでなく、ロボットと触れ合うことで生まれるコミュニケーション能力の発達や、学習意欲の向上も期待できるでしょう。

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●指導者と生徒、生徒同士が活発に意見交換できることも大事

STEAM教育やSTREAM教育は、子どもに興味や好奇心、探究心を持たせ、創造力や表現力を高め、自律的に行動できるようにする素晴らしい教育方法ですが、一方では人との関わりが希薄になる可能性も否定できません。そこで大切になってくるのが指導者と生徒、生徒同士が活発に意見を交換し合えるコミュニケーションの要素です。

感受性豊かな子どもは、人との会話から様々なことを学ぶことが自我を発展させていくひとつの方法であり、コミュニケーションスキルの向上により、学びの質を上げるといっても過言ではありません。そうしたことに視点をおき、コミュニケーションの場となる教室などの室内環境をみていくと、会話の残響時間が長いと反響音が大きくなり、人の話が聞き取りづらくなる。湿度が高すぎて不快指数が増し、会話に集中できなくなる、などの懸念点が挙げられます。

子どもの成長を考慮するのであれば、意見を活発に交換し合う場所として、雑音が少なく会話に集中できる音環境や空気環境の整備を検討するべきであり、天井材に吸音・調湿機能のある材料を使うことは「最適な環境におけるSTEAM・STREAM教育」の一翼を担うといえるでしょう。

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