キャリア教育で子どもの生きる力を育む! PISA調査から見た課題と対策法

生きる力

学校現場では、生きる力の育成を目指してキャリア教育が重視されています。
キャリア教育とは、職業的自立に向けて必要な能力・態度を育むもので、学校教育に職場体験などが導入されています。一方で、国際的な学力に関するPISAの調査では、日本の教育で抱える課題も見えてきました。キャリア教育とはどのようなものか、日本の教育の課題とその対策について紹介します。

学校で重視されるキャリア教育とは

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今、学校の現場では、生きる力の育成を目指して、キャリア教育が重視されています。平成23年の中央教育審議会の答申では、キャリア教育とは、「一人一人の社会的・職業的自立に向け、必要な基盤となる能力や態度を育てることを通して、キャリア発達を促す教育」を指しています。自分らしい生き方を実現するための力を育む教育ともいえるでしょう。

キャリア教育の内容は、新学習指導要領にも盛り込まれており、小学校、中学校、高等学校と発達段階に応じ、体系的に実施されます。例えば、小学校では、職場見学を通じて働くことの大切さを学んだり、中学校では、将来の職業生活との関連の中で、今の学習の必要性を理解したりすることが含まれます。また、中学校では職場体験、高等学校ではインターンシップを実施し、体験的な学習を効果的に活用しているのも特徴です。

―新学習指導要領に関する記事―
「これからの子どもに必要な「生きる力」 文部科学省による新学習指導要領が目指すものとは」

このキャリア教育を通じて、人間関係形成・社会形成能力、自己理解・自己管理能力、課題対応能力、キャリアプランニング能力の4つの基礎的・汎用的能力を育成します。

PISA調査から見えてきた日本の教育の課題

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キャリア教育で育む生きる力と関連が深いのが、PISAで測られる学力(PISA型学力)です。PISA(Programme for International Student Assessment)とは、経済開発協力機構(OECD)が実施している国際学習到達度調査のことで、15歳児を対象にして、読解力・数学的リテラシー・科学的リテラシーの3分野について、3年ごとに実施されています。

2018年のPISA調査では、日本は読解力が2015年の調査に比べて落ち込んでいることが指摘されています。読解力は、情報を探し出す力、情報を理解する力、情報を評価する力の3つの能力で測定されます。この3つの能力のうち、情報を理解する力は安定的に高いが、情報を探し出す力、情報を評価する力が低下しています。また、自分の考えについて根拠を示しながら説明する点にも、引き続き課題があることがわかりました。

PISA型学力の課題への対策は?

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読解力低下という課題に対応するため、文部科学省では、ICT(Information and Communication Technology)環境の整備・活用、言語能力・情報活用能力を育成する指導の充実、主体的・対話的で深い学びにつながる授業などの取り組みを推進しています。

主体的・対話的な授業では、議論や意見発表の機会が増えます。例えば、理科の授業では、グループに分かれて実験をおこない、考えた結果をグループ間で共有したり議論したりします。お互いの意見を話したり聞いたりする場面がよりいっそう増えるため、それをサポートする学校の環境整備も重要であるといえます。

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例えば、学習施設に丈夫な床材を導入することで、さまざまな活動や交流ができるようになり、主体的な学びを促せます。また、反響音を抑えて声を聞こえやすくする天井材を導入することで、討論に集中できるようになり、対話的な学びも促せます。学習内容の改善だけでなく、学校の環境整備にも取り組んで、子どもたちの生きる力を育んでいきたいですね。

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