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部屋の音環境は、実際に住んでみないとわかりません。近隣の生活音や車の通行音、そして自宅からの音漏れの程度など、気になる要素は様々あります。映画や音楽を大音量で楽しみたい方には防音建材の導入がおすすめですが、手軽にできる防音対策の1つに防音カーテンがあげられます。
今回は、防音カーテンの種類と選び方、設置方法について解説します。さらに部屋の快適性をアップさせるのに役立つ、DAIKENの『ieria(イエリア) 音配慮ドア』もご紹介します。
防音カーテンとは 種類の違いを紹介
防音カーテンは、特殊な素材や加工により音を吸収したり遮ったりする性能を持つカーテンです。外部からの音が室内に入りにくくするだけでなく、部屋からの音漏れも軽減します。
通常、防音カーテンは吸音・遮音両方の性能を持つものを指し、“吸音カーテン”と“遮音カーテン”に分けることができます。
それぞれの特性を簡単に説明しましょう。
吸音カーテン
吸音カーテンとは、室内の音を吸収することに特化したカーテンです。フェルトやポリエステル繊維など小さな穴がたくさん空いている素材や、クッション性の高いやわらかな素材が音を取り込んで外への音漏れや室内の反響音を抑えます。
遮音カーテン
遮音カーテンとは、音の遮断に特化したカーテンです。金属性の素材や表面の金属コーティングによって音をはね返します。カーテン生地は吸音素材や遮音素材が何層にもなっているため、しっかりとした厚みがあります。
目的別 カーテンの選び方

(※)写真はイメージです。弊社製品ではございません。
では、どのようなカーテンを選べばよいか、目的別に解説します。
室内の音(いびき・ペットの鳴き声・ピアノの音など)を軽減したい
室内からの音漏れを抑えたい場合には、吸音カーテンの使用がおすすめです。
吸音カーテンは吸音性の高い厚手のファブリックを用いたもの、特殊な織り方をしたものなどがあります。
生地が音を吸収して、ペットの鳴き声や赤ちゃんの泣き声、楽器演奏時などの音漏れの軽減が期待できます。また、室内の音の反響も抑え、音楽鑑賞や映画鑑賞の際にクリアな音を楽しめます。
屋外の音(話し声・車の音など)をシャットアウトしたい
屋外の音をできるだけ防ぎたい場合は、遮音カーテンを選ぶのがよいでしょう。厚手で密度の高い素材や、金属、樹脂などの特殊コーティングにより、ある程度外部の音を遮断することが期待できます。
特に、車のアイドリングや踏切の警告音、通行人や近隣住民の話し声など、中~高音域の騒音が入り込むのを軽減します。遮音等級(dB)が記載されている製品もあるので、購入時は参考にするとよいでしょう。
参考:「生活騒音」環境省
目的に合わせた防音カーテンを選ぶことで、快適な環境づくりにつながります。
防音環境を整える際は、室内外の音をコントロールしてシアタールームを導入してはいかがでしょうか。心置きなく音楽や映画スポーツ観戦ができます。費用や設備についてはこちらの記事でご紹介しています。
関連記事⇒「自宅にシアタールームをつくりたい! 6畳から楽しめる設備と費用の目安」
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防音カーテンを選ぶときのコツ
防音カーテンを取り入れる際は、その機能性を活かせるようにしましょう。では、どのような点に注意すればよいのでしょうか。
窓枠よりも大きめのサイズを選ぶ
防音カーテンはサイズ選びが重要です。窓枠にぴったりすぎるサイズだったり、逆に窓枠よりも小さくて隙間があったりすると、音漏れのおそれがあります。
防音カーテンは窓より少し大きめのサイズを選び、窓枠の周囲もしっかりカバーするとよいでしょう。
カーテンボックスがない場合は、カーテンレールを天井付けにして裾を床まで届く長さにすると、窓全体を覆うことができるのでおすすめできる方法の1つです。
ヒダのない(フラット)タイプにする
一般的なカーテンには上部にヒダ(タック)がありますが、防音目的ならヒダのないフラットタイプを選びましょう。ヒダ付きのカーテンはドレープが美しくデザイン性も高いのですが、ヒダの部分の隙間から音が漏れやすくなります。
ヒダのないタイプで、しっかりと窓を覆うサイズを選ぶのが重要です。
暗めの色は圧迫感が生じる場合も
防音カーテンは厚みがあるので、暗い色にするほど重厚感が出てしまいます。部屋が小さい場合は空間をさらに狭く見せてしまうため、防音を重視しつつ部屋の雰囲気を明るくしたいなら白や淡いグレー、ベージュなどの明るい色を選びましょう。生地の厚みがあっても広々とした印象になります。
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防音カーテンの設置場所

(※)写真はイメージです。弊社製品ではございません。
せっかく高性能の防音カーテンを購入しても、設置場所と設置方法を間違えると期待した性能を十分に発揮できない場合があります。遮音・吸音性能を十分に発揮させるにはどのように設置すればよいのでしょうか。
窓
外部の音は窓から入りやすいので、防音カーテンは窓を完全に覆うように設置しましょう。さらに防音したい場合は次のような設置方法を試してください。
・カーテンレール上部の隙間を覆う
・カーテンレールの側面まで覆うリターン式にする
・両開きのカーテンの場合は、中央が重なり合うクロスオーバータイプのカーテンレールにする
防音のレースカーテンや、サッシにつける隙間テープなどを併用するのもおすすめです。
ドア
ドアも音が通りやすい場所の1つです。特に、部屋と廊下・外部を仕切るドアに防音カーテンを取り付けると音漏れを防ぎやすくなります。
窓と同じくドア全体を覆うサイズの防音カーテンを選び、ドアの下部分にも隙間ができないように設置しましょう。
ドアは頻繁に開け閉めするため、軽量で動かしやすいカーテンを選ぶと便利です。
壁面全体
「隣接する部屋からの音漏れを防ぎたい」「部屋の音響を改善したい」という場合は、壁面全体に防音カーテンを取り付ける方法もあります。音源に最も近い壁面に設置すると、部屋全体の音環境をある程度調整してくれます。
壁全体をカバーできる大きなカーテンが必要になり、洗濯時の脱着の手間になるため、カーテンの重みを考慮して素材や取り付け方法を工夫しましょう。
設置時のアイデア
突っ張り棒を使えば、好きな場所に防音カーテンを設置できます。壁を傷付けないので賃貸住宅でも使えますし、一時的に取り付けたい場合や取り外しが必要な場合に便利です。
防音カーテンは重みがあります。カーテンサイズによっては突っ張り棒の耐荷重が不足して落ちるおそれがあるため、カーテンの重さに耐えられる突っ張り棒を選びましょう。
より本格的な防音設備を整えたい、という場合は、防音建材を採用するのがおすすめです。天井、壁、床と多方面からの対策で快適な空間をつくる防音室プランをご紹介しています。
関連記事⇒「自宅の部屋を防音室にしたい! ゲームやピアノを楽しむにはどのくらいの対策・費用が必要?」
DAIKENの『ieria(イエリア) 音配慮ドア』でしっかり対策を

防音性能を高めたいなら、室内ドアを見直すという方法もあります。例えばDAIKENの『ieria(イエリア) 音配慮ドア』は、日常生活で発生する気になる生活音を軽減する室内ドアです。
特殊気密パッキンや構造上の工夫で生活音や会話音、家庭内の騒音を抑えます。また、ドアの種類により性能は異なりますが、一般的なリビングドアと比較すると音漏れを約30~50%軽減できます。
引戸や片開き、片引タイプがあり、それぞれ色やデザインのバリエーションが豊富で好みの扉タイプとデザインを組み合わせられるのも魅力です。防音カーテンと併用すればより快適な居住環境を目指せるでしょう。
(※)『音配慮ドア』は換気の経路にはなりません。部屋単位で換気を確保するか、換気経路を別途設けてください。
(※)場合によっては、壁の防音対策が必要になる場合があります。
まとめ
防音カーテンを選ぶ際は、音の種類や発生場所に合わせたカーテンを選ぶことが必要です。求めている性能は遮音か吸音か、どのような音をシャットアウトしたいかを考えてデザインやサイズを選んでください。
窓やドアに取り付ける際はできるだけ隙間をなくし、防音性を高めることがポイントです。DAIKENの音に配慮したドアなどを併用して、より居心地の良い快適な部屋づくりを実現しましょう。
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監修者
志鎌のり子(しかまのりこ)
一般社団法人日本模様替え協会 理事/COLLINO一級建築士事務所代表。日本女子大学住居学科卒業、五洋建設でマンション・ビルの設計監理/内装デザインを10年担当。その後、日本ERIにて住宅検査など10年担当、設計・検査・審査した住戸数は延べ5,000件以上にのぼる。現在は部屋を「機能による空間分け」「動線」「収納」の観点から模様替えする独自のメソッドにより、機能的な部屋づくり/仕組みづくりなどを提案。書籍「家具配置のルール」のほかSUUMO、AERAwithKids、建築知識ビルダーズ、住まいの設計など著書多数。
保有資格:模様替えアドバイザー 一級建築士 建築基準適合判定資格者 住宅性能評価員 建物耐震診断士 フラット35適合証明検査員 など
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