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目次
日本の住宅で一般的な2階建てには、“総二階”と“部分二階”の2種類があるのをご存じでしょうか。今回はそれぞれの特徴やメリット・デメリットを踏まえたうえで暮らしやすい“総二階”を建てるためのコツをご紹介します。
あわせて、総二階の質を高めるDAIKENの『hapia(ハピア)階段部材 リビング階段(プレカット製品)』もご紹介します。
2階建ての魅力をあらためて考えてみよう

国交省の調査「建築着工統計調査」によると、ここ数年に着工されている木造住宅のうち、約70%が2階建てです。それほど多く建てられているのには、それなりの理由があるはずです。まずは、2階建てのメリットや魅力について考えてみましょう。
土地を有効活用できる
家を建てる際の選択肢には、2階建てのほかに平屋や3階建てなどもあります。
すべての居室をワンフロアに収める平屋は広めの敷地が必要になる場合が多く、一方で広い敷地がなくても必要な居室を確保しやすい3階建ては階段の上り下りが負担になる場合があります。
その点、2階建ては階段で移動しなければならないものの比較的上下階の移動がしやすく、土地が有効に活用できて十分な住空間をつくりやすいのが特長です。
3~4LDKの間取りがつくりやすい
2階建ての家には、一般的な3~4人家族に適した3LDKや4LDKなど、一定の部屋数の間取りを設計しやすいという特長があります。例えば、家族の集まるリビングを1階に、プライベートな空間である寝室を2階に設けると、家族全員が使いやすい住空間になるでしょう。
家族の人数や生活スタイルに合わせ、リビングや寝室の広さ・配置を変えたり、必要に応じて部屋を増やしたりするなど、間取りのバリエーションが広がりやすいともいえます。
居住性とコストのバランスにすぐれている
2階建ての住宅は平屋や3階建てに比べて、居住性とコストのバランスがすぐれています。家族が集まる場所と個室を上下階に分けることによりすみ分けができて生活動線も効率よく設計できるためです。
2階建ては広さや機能性を確保しながら土地や建築費用を抑え、予算内で住みやすい家を建てるにはちょうどよい建て方といえます。
総二階は部分二階とどう違う? 総二階のメリット・デメリットは?

2階建ては“総二階”と“部分二階”に大別できます。それぞれの特徴を把握したうえで、総二階のメリット、デメリットをみていきましょう。
総二階と部分二階 それぞれの特長
総二階と部分二階の違いは、1階と2階の面積の差です。総二階は1階とほぼ同じ広さで2階をつくるスタイルです。一方、部分二階は1階の一部にのみ2階を設ける形で、大きな1階に比較的小さな2階がのっているスタイルです。
総二階のメリット
総二階の家は建築コストが節約でき、土地の面積を最大限に活用できます。直方体が2つ縦に重なっているようなつくりだと外壁の面積が少なくなり、施工費用を抑えることができます。凹凸の少ないシンプルな外観構造だけに工期を短縮でき、早く完成させることも可能でしょう。
また、1階部分の屋根がないため、2階へと侵入する足場が減るうえに死角も少なくなるため、防犯性が高まります。
さらには上下階のバランスが良く、1階と2階で柱や壁の位置を合わせやすいため、地震が発生した際に揺れの影響を受けにくいというメリットもあります。
総二階のデメリット
総二階のデメリットは、外観デザインが単調になりやすい点です。屋根の形状や窓の配置などに工夫をしないと、個性のない印象を与えてしまうかもしれません。
また、土地の形状によっては、総二階を建てられない場合もあります。建築基準法によって、隣地や道路の採光確保などのために高さや2階部分が制限されたりする場合があるので、事前に建築士や施工会社に相談することが大切です。
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総二階建てを暮らしやすくする間取りのコツ

総二階を建てることを決定したら、快適に生活できるよう間取りを工夫しましょう。より暮らしやすく、デザイン性にもすぐれた総二階を建てるためのアイデアをご紹介します。
2階リビングを採用する?
2階建ての場合は1階にリビング(LDK)、2階に寝室や子ども部屋という間取りが一般的ですが、2階にリビングを配置することで、日当たりや眺めのよい空間がつくれます。特に多くの家が密集した住宅地の場合、2階リビングはプライバシーを確保しながら、明るく快適な環境を整えやすい間取りになります。
一方で、買い物の荷物を2階へ運ぶときなどは階段の上り下りが増えるため、将来のことを考えてホームエレベーターの設置などを検討しておくと安心でしょう。
開放感の演出と空間のアクセントになるリビング階段
2階建ての家に欠かせない階段について、総二階ではリビング階段を取り入れるのもおすすめです。リビングの一部としてつくられる階段は開放感があり、空間の広がりを感じさせるとともに、アクセントになります。また、1階のリビングから2階に直接アクセスする動線ができ、家族と自然に顔を合わせる機会が増えるため、コミュニケーションも取りやすくなります。
デッドスペースになりがちな場所を快適空間に
前述したように、総二階建ての住宅は1階と2階の床面積がほぼ同じです。例えば、2階を家族の個室、1階は玄関、LDKと水回りにすると、LDKがかなり広くなったり、1階に持て余してしまうスペースができたりする可能性があります。このスペースを上手に活用すれば、より快適で暮らしやすい家にできます。
また、吹き抜けやサンルーム、ファミリースペースなどを取り入れると、空間に広がりが生まれて無駄なスペースがなくなります。
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総二階建ての外観をもっとおしゃれにするコツ

住宅の外観は、外から見た時の印象を大きく左右します。総二階建てのデザインは、どうしても単調になりがちです。周囲の景観になじませながらオリジナリティのあるデザインにするための工夫を考えましょう。
立体感を出して、脱・単調デザイン
総二階建ての外観は、立体感を意識することで、シンプルながらも洗練された印象になります。
例えば、玄関ポーチ周りの壁だけ材質を変えてアクセントにすると、全体にメリハリがつきます。外構とのバランスも考えながら魅力的な外観に仕上げましょう。
色と素材で変わる印象
外観の印象は色と素材の選び方で大きく変わります。明るい色やナチュラルな木材を使うと、あたたかみのある優しい雰囲気が生まれます。一方、スタイリッシュで現代的な外観にしたい場合は、モノトーンや落ち着いた色合いがおすすめです。
素材に関しても、外壁に張る仕上げ材のサイディングや、木材、タイル、レンガなど異なる素材を組み合わせることでより個性的な印象に仕上がります。
窓の位置と大きさを工夫して雰囲気アップ
窓の位置や大きさを工夫することも、外観に変化を与える方法の1つです。例えば、1階と2階とで上下に大きな窓を並べると直線が強調されてモダンな印象になります。また、窓の配置をランダムにするとリズム感が生まれ動きのあるデザインになります。
屋根の形状やインナーバルコニーでアクセントを
屋根の形状にも工夫を加えれば、外観にアクセントを付けられます。片流れの勾配屋根やフラット屋根は、シンプルでありながら個性を引き立てます。
また、建物の内側に引っ込んだインナーバルコニーや、建物内に設けるビルトインガレージを取り入れることで、デザインに深みが出せます。
このような要素をうまく組み合わせて、単調ではない魅力的な外観に仕上げましょう。
開放的な空間を演出するDAIKENの『hapia(ハピア)階段部材 リビング階段(プレカット製品)』

(※)写真の『hapia(ハピア)』は2025年6月生産中止予定です。2025年6月に発売予定の後継品『ieria(イエリア)』をご検討ください。
2階建ての家に欠かせない階段におすすめなのが、総二階にぴったりのスタイリッシュなリビング階段『hapia(ハピア)階段部材 リビング階段(プレカット製品)』です。
空間にアクセントを生む『hapia(ハピア)リビング階段(プレカット製品)』
リビング階段は、開放的で広々とした印象を生み出します。また、空間にアクセントを加え、リビングを中心とした家族のコミュニケーションを生み出します。
『hapia(ハピア)階段部材 リビング階段(プレカット製品)』はあらかじめ加工されているプレカット製品なのでスムーズに施工できます。
豊富なラインアップで好きな組み合わせを選べる
『hapia(ハピア)階段部材 リビング階段(プレカット製品)』はカラーバリエーションの展開も豊富です。踏板は5色+無塗装1色、桁材は2色+無塗装1色、固定金具は2色あり、自由に組み合わせできます。色柄の1つである無塗装は、コーディネートにあわせて現場着色できるため、自由度の高い製品といえるでしょう。
例えば、ベージュの踏板×ブラックの桁材と金具ならあたたかみがありながら引き締まった印象になります。また、踏板も金具もホワイトで揃えれば、清潔感あふれるモダンな印象を与えるでしょう。
まとめ
総二階建ての住宅は、敷地が広くなくても広い住空間を実現できる、建築コストが抑えられる、という理由から近年は人気です。ただし、1階と2階が同じ面積であるゆえに、間取りや外観デザインが単調になる場合も少なくありません。家は暮らしやすいことが1番ですが、自分の家ならではの個性やセンスも大切にしたいものです。
今回ご紹介したオリジナリティを出すためのアイデアを、あなたの家づくりにおける参考にしてください。
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監修者
志鎌のり子(しかまのりこ)
一般社団法人日本模様替え協会 理事/COLLINO一級建築士事務所代表。日本女子大学住居学科卒業、五洋建設でマンション・ビルの設計監理/内装デザインを10年担当。その後、日本ERIにて住宅検査など10年担当、設計・検査・審査した住戸数は延べ5,000件以上にのぼる。現在は部屋を「機能による空間分け」「動線」「収納」の観点から模様替えする独自のメソッドにより、機能的な部屋づくり/仕組みづくりなどを提案。書籍「家具配置のルール」のほかSUUMO、AERAwithKids、建築知識ビルダーズ、住まいの設計など著書多数。
保有資格:模様替えアドバイザー 一級建築士 建築基準適合判定資格者 住宅性能評価員 建物耐震診断士 フラット35適合証明検査員 など
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