住まいと暮らしのライフスタイルマガジン『HomeLife』。
家での暮らしをより楽しく、豊かにするための様々な情報を発信します。
目次
キッチンで料理をしながら会話も楽しみたい――。キッチンがリビングやダイニングと向かい合う対面型になっていると、作業しながら家族やゲストと会話したり様子を見守ったりできます。
今回は、対面キッチンのメリットとデメリット、そしてその種類やレイアウトについて解説します。最後に色柄豊富で機能性にすぐれ、キッチンパネルとして使える不燃壁材『グラビオ』もご紹介しますので、ぜひ参考にしてください。
対面キッチンとは リビングを見ながら調理ができる対面式の間取り
対面キッチンとは、リビングやダイニングと向き合って設置されたキッチンのことです。リビングやダイニングを見ながら調理ができる対面式の間取りで、フルオープンとセミオープンの2種類があります。
フルフラットキッチン(フルオープンタイプ)

オープンなフルフラットキッチンは、作業台やシンク、コンロをリビングやダイニングと隔てずに配置した、オープンタイプの対面キッチンです。壁で区切られていないので広々とした開放感を味わえます。家族やゲストとのコミュニケーションが取りやすく、インテリアの一部としておしゃれに見せることもできます。ただし、リビングやダイニングとキッチンが同一空間になっているため、周囲に調理中の音やニオイが広がりやすい点には注意が必要です。
腰壁・壁ありキッチン(セミオープンタイプ)

セミオープンキッチンは、作業台より高さのある腰壁や部分的な間仕切り壁が設けられているキッチンです。部分的に仕切りがあることでプライバシーが確保され、散らかりやすい調理中の作業台も目隠しできます。フルオープンタイプに比べて音やニオイの広がりを抑えやすいという利点があります。
おすすめ記事
2025.04.30
対面キッチンのメリット・デメリット
対面キッチンは近年多くの住宅で採用されています。しかし人気が高い一方で、デメリットもあります。対面キッチンのメリットとデメリットについて詳しくみていきましょう。
対面キッチンのメリット
対面キッチンのメリットとして、以下のような点があげられます。
・コミュニケーションが取りやすい
家族やゲストと会話をしながら調理ができるので、家族団らんやおもてなしを大切にしたい方におすすめです。
・インテリア性が高い
開放的なデザインはリビングやダイニングの雰囲気をおしゃれに演出します。
・お子様の様子がわかりやすい
リビングやダイニングにいるお子様の姿を見ながら調理ができるので、安心感があります。
・広々とした空間を演出
キッチンがリビングやダイニングとつながることにより、大きな1つの空間となるため広さを感じられます。
ダイニングキッチン(DK)やLDKについて詳しく知りたい方は、ぜひ下記の記事をご参照ください。
関連記事⇒「ダイニングとは? リビングとの違いは? DKとLDKの違いと居心地の良いレイアウトを紹介」
対面キッチンのデメリット
対面キッチンのデメリットとして、以下のような点があげられます。
・調理中の音やニオイが気になる
リビングやダイニングとの隔たりが少ないため、換気が十分でない場合はニオイや油煙がリビングに広がりやすくなります。
・プライバシーの確保が難しい
キッチンの様子が隠せないので生活感が出てしまいます。おしゃれなキッチンに見せるには日頃から清潔にし、整理整頓をしましょう。
・狭い間取りには設置しにくい
設置には一定のスペースが必要となるため、狭い間取りでの導入には制約があります。
おすすめ記事
2025.04.30
アイランドにペニンシュラ? キッチンの形状はどれがいい?
キッチンには様々な形状があります。用途やLDKの広さに応じて形を選び、より快適なキッチンを実現しましょう。
アイランドキッチン

アイランドキッチンは、作業台の4面すべてが壁に接しておらず、島(アイランド)のように独立している対面キッチンです。全方向から作業ができるので、複数人での調理に適しています。開放感を感じられますが、リビングやダイニングから手元がすべて見えるうえに、設置には広いスペースがより必要となる点に注意しましょう。
アイランドキッチンについて詳しく知りたい方は、ぜひ下記の記事をご参照ください。
関連記事⇒「アイランドキッチンとは? おしゃれな間取りやメリット・デメリットを知ろう」
ペニンシュラキッチン

ペニンシュラキッチンは、キッチン短辺の片側が壁に接しており、半島(ペニンシュラ)のような形状をしています。アイランドキッチンと似ていますが、スペースに制約がある場合でも比較的導入しやすいキッチンです。カウンター部分は食事や飲み物を提供する際にも活用できます。
ペニンシュラキッチンについて詳しく知りたい方は、ぜひ下記の記事をご参照ください。
関連記事⇒「ペニンシュラキッチンとは? 壁ありと壁なしどっちが良い? メリット・デメリットを確認」
I型キッチン
I型キッチンは、必要な調理設備の揃った作業台が1列に配置されているスタイルです。シンクから調理スペースの背面には腰壁があり、コンロの背面には間仕切り壁が設けられています。シンク、調理スペース、コンロが一直線上にあるため、動線がシンプルで作業しやすいという特徴があります。
II型キッチン(セパレートキッチン)

セパレートキッチンはコンロとシンクが別々の作業台にあるキッチンです。動線が短く、調理や片付けなどの作業を効率良く行えます。II型のキッチンは2人以上で料理をする場合にも適していますが、作業台の間隔が狭いと動きにくいので、通路のスペースを十分に確保することが必要です。
L型キッチン・コの字型(U型)キッチン

L型キッチンは作業台が90度に配置されていて、それぞれの辺にシンクとコンロを設置したキッチンです。コーナー部分があることでまとまったスペースが確保でき、効率的な作業と収納を両立させています。
一方、コの字型キッチンの特徴は3面分の広い作業台とキャビネットの収納量です。コの字の中央に立つため、シンク・コンロ・作業台への動線が短く、効率的に作業を行えます。設置にはII型キッチンと同様に、余裕のあるスペースが必要です。
関連記事⇒「L型キッチンとは? 特徴とメリット・デメリット 効率的な動線や収納も実現! 」
コミュニケーションや動線がポイント 対面キッチンのレイアウト
対面キッチンの魅力をさらに引き出すためにはキッチンとダイニングのレイアウト選びも重要です。オープンで交流しやすい空間が実現できるよう、ライフスタイルに適したレイアウトを考えましょう。
●キッチンとダイニングが対面のレイアウト

キッチンとダイニングが対面に配置されていると、部屋が広く見え、視覚的な開放感ももたらします。出来上がった料理をすぐにダイニングテーブルへ運べるなど、料理をしながら食卓の準備もできるといった利便性があります。キッチンからダイニングエリアが見えるので、小さなお子様がいる家庭では様子を見守りながら調理や片付けができます。しかし、ダイニングからもある程度キッチンが見えてしまうので、キッチンの整理整頓についてあらかじめ対策を考えておきましょう。
キッチンとダイニングが横並びのレイアウト

キッチンとダイニングが横並びのレイアウトは、キッチンの作業スペースとダイニングエリアが一直線に並び、スムーズな動線を確保できる点が魅力です。料理を運ぶ距離が短いため、調理から配膳、片付けまでの動きが無駄なく行えます。キッチン横にスペースが確保できる場合はこの間取りがおすすめです。
腰壁を活かしたレイアウト

ダイニングの空間とは別に、対面カウンター(腰壁)で簡単な食事やドリンクを楽しんだりお子様が勉強をしたりと、生活の中で多目的に活用できます。また、来客時には対面で料理や飲み物をサーブしながら会話を楽しむこともできます。
対面キッチンに最適なカウンターの高さは?

前述したとおり、プライバシーの確保が難しいことは対面キッチンのデメリットの1つです。リビングやダイニングからキッチンが見えるため、調理家電や調理器具が片付いていないと生活感が出てしまいます。
このデメリットを補うポイントは、手元を隠せる対面カウンターの高さです。
ワークトップの高さの目安

対面キッチンの高さは、“ワークトップ”と“対面カウンター”の高さに分けて考えることができます。ワークトップの高さは、調理をする台の高さです。シンクやコンロもこのワークトップ上に備え付けられます。一方、対面カウンターの高さは、キッチンとリビング・ダイニングなどの空間を分ける腰壁の高さのことです。
キッチンのワークトップの高さを決める方法として、「身長÷2+5cm」という計算式がよく知られていますが、これはあくまで目安です。腕の長さなど体格には個人差があります。さらにスリッパやキッチンマットの厚さ、まな板の厚さといった様々な要素にも左右されるため、使い勝手の良いワークトップの高さが算出された値どおりではない場合も多いでしょう。身長の異なる複数の家族が使うことも考え、ショールームなどであらかじめワークトップの高さを確認しておくのがおすすめです。
対面カウンター 立ち上がりの高さ

対面カウンターの高さは、ワークトップとの差によって使い勝手が変わります。ワークトップと対面カウンターの高さの差を、“立ち上がりの高さ”と表すこともあります。この立ち上がりの高さごとに、対面カウンターのバリエーションをみていきましょう。
・立ち上がりの高さを10~15cm程度にした対面カウンター
腰壁の高さが低めで、ダイニング側への料理の受け渡しなどに便利な対面カウンターです。しかし、目隠しとしてはあまり効果がなく、キッチン外側からワークトップの上は見えやすい高さです。
・立ち上がりの高さを20~25cm程度にした対面カウンター
ワークトップの上を隠しつつ、ダイニングやリビング側への目配りもしやすいです。開放感は残しながらも、調理器具や洗剤などを見せたくないという人に適しています。カウンターの下に、ちょっとした収納スペースやコンセントを設けることもできるでしょう。
・立ち上がりの高さを30cm以上にした対面カウンター
立ち上がりを高めにすると、キッチンのワークトップの上はしっかり隠れるため、生活感を抑えたい人に向いています。
腰壁の上は、ハイチェアと組み合わせるとバーカウンターのようにも利用可能です。カウンター下の空間の高さも増えるので、より大きな収納スペースが確保できます。
ただし、立ち上がりが高くなる分、キッチンにやや圧迫感が生まれたり、ものを渡しにくくなったりする可能性があります。

対面キッチンの生活感が気になる場合は、対面カウンターの高さだけでなく、カウンタートップの材質にこだわるのもよいでしょう。リビングやダイニングに合うカウンタートップを選び、スタイリッシュな対面キッチンにするのはいかがでしょうか。
DAIKENの「カウンタートップ 集成材カウンター(ゴム材)」は多用途で使えるオーダー対応のカウンタートップです。色柄バリエーションは全9色あり、配線用の穴を開ける加工もできるのでカウンタートップ上の配線コードをすっきりと納められます。
色柄豊富で機能性にすぐれた不燃壁材『グラビオ』

対面キッチンをよりおしゃれで快適なものにするためには壁材選びも大切です。そこでおすすめなのが、DAIKENの不燃壁材『グラビオ』です。
『グラビオ』はキッチンパネルとしても使える機能性とデザイン性の両方を兼ね備えています。水や汚れに強く、キッチン周りのお手入れ時間を短縮できるほか、色柄のバリエーションが豊富で様々なインテリアにマッチします。熱に強く(※)、安全を重視する方にも適しています。
(※)ガスコンロなどの火に近い場所への設置は、表面が変色したり、焦げることがあります。不燃材料としての性能は問題ありませんが、美観を損ないますのでコンロと壁面との間隔を150mm以上とるか、『グラビオ専用施工部材 防熱板600』で表面を保護してください。ただし、その場合でもコンロとの間隔は50mm以上設けてください。
まとめ
対面キッチンは、リビングやダイニングとつながった開放的な空間をつくり、コミュニケーションを促進させるのに適しています。フルオープンタイプとセミオープンタイプ、様々な種類やレイアウトの中から、生活スタイルに合ったものを選びましょう。また、機能性とデザイン性を高めるために『グラビオ』のような高品質不燃壁材を取り入れるのもおすすめです。目的やイメージに合ったスタイルを選択すれば、より個性的でおしゃれなキッチンを実現できるでしょう。
-
監修者
志鎌のり子(しかまのりこ)
一般社団法人日本模様替え協会 理事/COLLINO一級建築士事務所代表。日本女子大学住居学科卒業、五洋建設でマンション・ビルの設計監理/内装デザインを10年担当。その後、日本ERIにて住宅検査など10年担当、設計・検査・審査した住戸数は延べ5,000件以上にのぼる。現在は部屋を「機能による空間分け」「動線」「収納」の観点から模様替えする独自のメソッドにより、機能的な部屋づくり/仕組みづくりなどを提案。書籍「家具配置のルール」のほかSUUMO、AERAwithKids、建築知識ビルダーズ、住まいの設計など著書多数。
保有資格:模様替えアドバイザー 一級建築士 建築基準適合判定資格者 住宅性能評価員 建物耐震診断士 フラット35適合証明検査員 など
公開日:2025.03.19 最終更新日:2025.07.07
関連製品
-
熱・水・汚れに強く、抗菌性能(SIAA認証)の不燃壁材
-
傷や水に強く、抗菌性能(SIAA認証)の不燃壁材
-
水・汚れに強く、抗菌性能(SIAA認証)の不燃壁材
おすすめ記事Recommends
-
2025.04.30
-
2025.05.20
-
2025.04.30
