
梅雨の湿気対策! 部屋の結露を防ぎ、夏本番前にエアコンのカビ対策を!
※掲載している画像は、記事の内容をわかりやすくするイメージであり、実在する製品や実現するものとは異なる場合があります。
目次
梅雨の時期は部屋の湿気や結露が気になりますね。梅雨から夏にかけて湿度がぐんと上がる日本では、湿気に対する不安が続きますが、放置しておくと、家具や内装、建材の腐食などを招きかねません。
こうした季節を快適に過ごすには、どうしたらよいのでしょうか。今回は、湿気対策のポイントとエアコンの掃除方法、さらには湿気を抑える天井材もご紹介します。
梅雨時のイヤな湿気・カビの対策には部屋の換気が基本!

梅雨時の湿気・カビ対策で基本となるのは部屋の換気です。貴重な梅雨の晴れ間には窓を開け、外の新鮮な空気を取り込みましょう。ポイントは、窓や扉を開ける場所です。可能であれば、対角線上にある2か所以上の窓や扉を開けると、そこが空気の出入り口になって風通しが良くなります。
しかし、例えば雨が降っていても窓を開けて、自然の風を入れた方がよいのでしょうか。外の湿度が室内より高いと湿気を取り込んでしまうため、窓を開けて換気をするのは湿度が低い晴れた日を選びましょう。
では、換気扇や換気システムはカビ対策になるのでしょうか。2003年に義務化された24時間換気システムは、常に作動させておく必要があります。これは、ホルムアルデヒドなどの化学物質によるシックハウス症候群を防ぐ目的があるためです。しかし、多くの24時間換気システムや一般的な換気扇には除湿の機能がないので、湿度の高い梅雨の時期は除湿器やエアコンの除湿機能などを活用する必要があります。
部屋の湿気対策 湿度を下げるためのポイントとは
空気が乾燥していると、肌や喉も乾燥してしまいます。このことからもわかるように、適度な湿気は重要な役割を持っています。湿度は高すぎても低すぎても不快に感じるものです。厚生労働省が商業施設や学校などの管理者に求めている室内の相対湿度の基準は40〜70%です。
では、高くなっている湿度を下げるにはどうしたらよいのでしょうか。
●部屋の湿度を下げるポイント
・空気の流れを良くする
・エアコンやサーキュレーターで空気を循環させる
・部屋の広さに合わせた除湿器を使用する
・窓周りの結露対策を行う(新聞紙やタオルでこまめに拭き取るなど)
・入浴後、浴室の換気を十分に行う
・天井や壁を掃除する
空気が常に循環していると湿気が溜まりにくくなるので、こまめな換気に加えてエアコンやサーキュレーターを活用しましょう。また、除湿器を使う場合は本来の性能を発揮できるよう、部屋の広さに合ったものを使うことが大切です。
梅雨時の湿気対策は湿度を下げるだけでなく、湿気が溜まりにくい環境を作ることがとても重要です。
お部屋の湿気対策も考慮|梅雨から夏に使い分けたい冷房と除湿機能

(※)写真はイメージです。弊社製品ではありません。
クーラーを作動させるとさっぱりしたように感じますが、「湿気対策には冷房と除湿(ドライ運転)、どちらを使えば良いの?」と悩んだことはありませんか。冷房でも除湿でも湿気を取り除くことが可能です。では、冷房と除湿はどのように違うのでしょうか。
冷房は上がった空気の温度を下げる機能です。室内の空気は、強く冷やされると内部に含まれている水分を抱えきれなくなって湿度が下がります。このため、サラッとしたように感じるのです。
対する除湿機能(ドライ運転)には、一般的に“弱冷房除湿”と“再熱除湿”という2つの方式があります。弱冷房除湿は、湿気を取り除く過程で冷えた空気をそのまま室内に戻すというものです。この方式で部屋を除湿すると室内の湿度は下がりますが、室温も下がるので梅雨の時期には肌寒く感じるかもしれません。
一方の再熱除湿は、湿気を取り除く過程で冷えた空気を温め直してから部屋に戻します。空気を温め直す分、電気代がかかるという点がデメリットです。
ご自宅のエアコンの機能を確認し、湿度と室温の両方を下げたい場合は冷房を、室温は下げずに湿度を下げたいなら再熱除湿というように、室温や電気代を考慮して選ぶとよいでしょう。
●湿気戻りでお部屋の湿気対策がうまくいかないときの対処法

エアコンの冷房モードで部屋を除湿するとき、注意したいのが“湿気戻り”です。エアコンには、冷房モードで部屋が一定の温度まで下がると、自動的に送風モードになるサーモオフという機能があります。この送風で冷房時にエアコン内部で溜まった水分が室内に戻ってくることがあり、湿気戻りの原因になるのです。
湿気戻りが発生するとエアコンを使っているにもかかわらず、室内の空気がジメジメした状態のままになります。
冷房時の湿気戻りを防ぐ方法としては設定温度を下げ、送風モードになるまでの時間を延ばすというやり方があります。設定温度を下げるとエアコン内に溜まった水分の屋外排出も促されますが、室温が低くなるので寒いと感じるかもしれません。
なお、エアコンによってはサーモオフ機能が働かないようにできる機種もあるので、取扱説明書を確認してみましょう。
エアコンの結露もカビの原因に!

(※)写真はイメージです。弊社製品ではありません。
エアコンの風がカビ臭いと感じたら、その原因は結露かもしれません。
エアコンが正常に動いていると空気が冷やされ、結露によってできたエアコン内部の水滴が、室内機につながったドレンホースを通じて屋外へ排出されます。しかし異常な結露や詰まりがあると、エアコン内部の水滴が排出できず、カビが発生しやすくなってしまいます。湿度の高い梅雨から夏にかけては部屋の湿気対策に加えてエアコン内部の結露対策も行いましょう。
異常な結露が起こる原因の1つとしては、排水不良によるトラブルが考えられます。ドレンホースの先端を確認して排水されにくくなっていないか確認しましょう。
また、エアコン内部のフィルターにも気を配りましょう。フィルターが埃や汚れで目詰まりし、空気の流れが悪くなってしまうと、冷却された空気がエアコン内部に溜まります。その結果、結露が生じてエアコンから水滴が漏れ出すことがあるので、こまめにフィルターを掃除することが大切です。
夏の湿気、結露、カビ対策のついでに。夏が来る前に終わらせたいエアコン掃除!
エアコンを清潔に保つための基本は、こまめなフィルターの掃除です。一般的なエアコンフィルターの掃除手順をご紹介します。
●エアコンフィルターを掃除するときの手順
1. エアコン本体のフィルターカバーを開けて全体の汚れを確認します。汚れや埃がひどい場合はフィルターを外す前に掃除機で埃を吸い取ります。こうすることで埃が周囲に舞うのを防ぐことができます。

(※)写真はイメージです。弊社製品ではありません。
2.フィルターを本体から静かに外し、表(外)側に掃除機をかけます。裏(本体)側から先に掃除機をかけると、フィルターが目詰まりするので注意が必要です。
3. フィルターを掃除するときは2回に1回くらい、浴室などでシャワーをかけて水洗いしましょう。汚れを落としやすく、さらには目詰まりを防ぐため、水は必ず裏側からかけます(※)。水洗いで落ちない汚れは柔らかいブラシや柔らかい布などを使って薄めた中性洗剤で落とします。
(※)空気清浄フィルター、除菌フィルター、脱臭フィルターなどは水洗いできないものが多いので注意してください

(※)写真はイメージです。
4. 水洗いしたフィルターは陰干しして乾かします。カビの発生原因になるのでしっかりと乾燥させましょう。
なお、フィルターを掃除するときは必ずエアコンを停止し、コンセントを抜いてから行うようにしてください。
●エアコンのカビ対策がうまくいかないときは
フィルターを定期的に掃除してもエアコンを稼働させると埃やカビのニオイがするときは、フィルター以外の部分に埃がたまっていたり、カビが発生したりしている可能性があります。
埃はカビの栄養源になります。そして、カビが発生した状態でエアコンを稼働させると、カビの胞子が空気中に拡散されてしまいます。エアコンのクリーニングはカビ対策のためにも重要です。
製品にもよりますが、吹き出し口にあるルーバーやフラップなどは、自分で掃除できますし、フィルターや熱交換器を自動で掃除する機能が付いたものもあります。
しかし、自分で掃除できる部分は限られています。それ以外の部分を掃除する際は専門的な知識が必要となるので、メーカーのメンテナンスサービスや専門の業者に依頼しましょう。エアコンを快適に使用するためには分解洗浄(オーバーホール)をおすすめします。エアコンの使用頻度や設置環境によって異なりますが、家庭用エアコンは2〜3年に1回が目安です。そのほか、ペットのいる家庭や喫煙環境では、1年に1回程度のプロ洗浄が推奨されます。
●普段からできるエアコンの結露・カビ対策

(※)写真はイメージです。弊社製品ではありません。
エアコンの結露やカビの発生をある程度防ぐには普段からの心がけが大切です。
ポイントはエアコン内部の温度と室温にあまり差ができないようにすることです。結露は湿度の高い空間で温度差が生まれると発生します。部屋を急激に冷やそうとすると、温度差で結露も発生しやすくなるので、冷房の開始時は設定温度を控えめにしましょう。
また、風向きを調整するルーバーやフラップは冷気が当たるので結露しやすく、エアコンの風が下を向いていると室内の暖かい空気と接触し、結露した水滴が落ちてくることも考えられます。
結露は冷房の風が直接当たっても起こります。結露が発生しやすい窓ガラスや部屋の隅部分には直接風が当たらないようにしましょう。
さらに、梅雨時は屋外と室内との温度差で結露が起こりやすくなるので、空気の流れが発生しにくい天井や壁を定期的に掃除するとよいでしょう。
そのほか、やむを得ず洗濯物を室内干しする際は除湿器や浴室乾燥機などを活用したり、料理中や浴室の使用後は換気扇を回したりして湿度の上昇を抑えましょう。
エアコンの機種によっては、室内の湿度に応じて除湿と冷房を自動で切り替える機能が搭載されています。結露やカビ対策がちょっと面倒だと感じる方は、こうした機能を持つ機種に買い替えるのも1つの方法です。
天井リフォームで湿気・カビ対策。お部屋がより快適に!

DAIKENの住宅用天井材にも、室内を心地よい状態に保つ調湿効果を持った製品があります。湿度の高い時期に快適に暮らしたいと思ったら、天井材の張り替えを検討してみてはいかがでしょうか。
『クリアトーン12SⅡ』は調湿性能を備えた天井材です。湿度が高いときは、建材の表面にある微細な空気孔から空気中の湿気を吸収し、室内の空気をサラッとした爽やかな状態にしてくれます。また、湿度が低いときは、溜め込んだ湿気を放出してしっとりと潤いを与えてくれます。

実際の製品を使用して行った実験では、非調湿空間が湿度90%を超えている時でも、『クリアトーン12SⅡ』を施工した空間では湿度を60%台まで抑えることができました(※)。また、18畳の部屋で天井全面に『クリアトーン12SⅡ』を施工すると、1500mlの水分が吸湿されたというデータもあります。
(※)非調湿空間が12時間後相対湿度が90%になるように加湿
外気条件:気温23℃、相対湿度30%
室内条件:気温23℃、加湿0〜12時間120g/h

『クリアトーン12SⅡ』は電気代をかけずに調湿し、爽やかな空気をつくることができる天井材です。さらには吸音性能も備えているので、日常の生活で気になる反響音も抑えます。
また、今ある天井を剥がさずにクロスの上から施工するオンクロス施工が可能な点も『クリアトーン12SⅡ』の大きな特長です。
湿度が高くジメジメとした日本の梅雨は、カビの対策に悩む季節でもあります。しっかりとお手入れしたエアコンを上手に使い、カビの発生を抑えて快適に過ごしたいものですね。
お部屋の調湿を目的とした天井のリフォームをお考えの際は、DAIKENの『クリアトーン12SⅡ』をぜひご検討ください。
(※)オンクロス施工については設計施工資料をご確認ください。
(※)調湿効果によって、室内の湿度が低減しても①室内での水蒸気発生量、②換気不足、③窓や壁の断熱性能不足、④外気条件などの原因が組合わさることによって、結露やカビが発生する場合があります。リフォームでご使用の場合は、特にご注意ください。
製品に関するご注意は下記のページをご参照ください。
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クリアトーン12SⅡ
爽やかな空気をつくる天井材
さらに詳しく(製品情報)
こちらの記事もチェックしてみてください。
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監修者
志鎌のり子(しかまのりこ)
一般社団法人日本模様替え協会 理事/COLLINO一級建築士事務所代表。日本女子大学住居学科卒業、五洋建設でマンション・ビルの設計監理/内装デザインを10年担当。その後、日本ERIにて住宅検査など10年担当、設計・検査・審査した住戸数は延べ5,000件以上にのぼる。現在は部屋を「機能による空間分け」「動線」「収納」の観点から模様替えする独自のメソッドにより、機能的な部屋づくり/仕組みづくりなどを提案。書籍「家具配置のルール」のほかSUUMO、AERAwithKids、建築知識ビルダーズ、住まいの設計など著書多数。
保有資格:模様替えアドバイザー 一級建築士 建築基準適合判定資格者 住宅性能評価員 建物耐震診断士 フラット35適合証明検査員 など
公開日:2020.08.03 最終更新日:2025.04.30