
モールディングとは? 壁や腰壁、室内ドアなどを格調高く演出する装飾に注目
リフォームをするなら「海外のようなおしゃれなインテリアに挑戦してみたい」と思う方もいるのではないでしょうか? しかし、家具や小物だけ揃えても何か物足りなさを感じてしまうかもしれません。その際に注目していただきたいのが室内ドアのデザインです。なかでもモールディングやハンドルデザインが印象的なドアは、インテリアの良さをグンと引き立ててくれるでしょう。そこで今回は、レトロでおしゃれなインテリアを実現させるドアリフォームについてご紹介いたします。
レトロな雰囲気を楽しむならドアデザインにもこだわりを

(※)写真のhapia(ハピア)は2025年6月生産中止予定です。後継品は2025年6月発売予定のieria(イエリア)をご検討ください。
例えば、レトロ感のある家具や小物を現代の住宅に取り入れた「ヴィンテージミックス」のインテリア。年月を感じるデザインや素材感で、格式がありながらもどこか懐かしさとぬくもりのあるインテリアスタイルです。そんなレトロ感のある空間をさらにワンランクアップするには、室内ドアが大きなポイントになります。後からご紹介するモールディングやハンドル、採光窓など、装飾性のあるドアはヴィンテージテイストの家具や小物だけでは表現できない、重厚感や高級感を空間にもたらすでしょう。
ヴィンテージミックスに関しては下記記事もあわせてお読みください。
関連記事⇒「レトロな部屋・ヴィンテージインテリアと現代風をミックスした“おしゃれな部屋”! 〜ヴィンテージミックス・ソフトカントリー・エレガントモダン〜 」
ヴィンテージ感を高めるモールディング装飾

“モールディング”という言葉をご存じでしょうか。モールディングとは、欧米でよく使われている天井と壁の接合部分や家具などに施される装飾を指し、日本では巾木や廻り縁のような部分にあたります。異なる素材同士のつなぎ目をスッキリとカバーし、お部屋の雰囲気を引き締めてくれる存在です。
ヨーロッパの伝統的なインテリアでは、曲面形状や蛇腹状などデコラティブな形状のモールディングが室内の装飾として多用されています。しかし、現代の日本のインテリアにモールディングをそのまま持ち込むとマッチしにくく、シンプルな形状の巾木や廻り縁が使われるケースが多くなっています。

(※)写真はイメージです。弊社製品ではありません。
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モールディングとは? 廻り縁との違いは?
海外のインテリアを見て「おしゃれだな」と思う部屋には、モールディングが施されていることが多いかもしれません。日本でもモールディングに似た役割である廻り縁がありますが、モールディングと廻り縁はどう違うのでしょうか。ここではモールディングと廻り縁について、もう少し詳しく解説していきます。
●モールディングの由来と歴史
モールディングの歴史は古く、古代ギリシャ時代やローマ時代の西洋建築を起源とした装飾です。かつては無垢材や大理石に彫刻を施したり、石膏や金属などを型に流し入れて作られたことから「Molding(繰り形)」がその名称の語源となっています。時代の移り変わりにより様々な意匠が考案されており、花々や唐草模様、王冠、動物、幾何学模様など幅広いデザインがあります。
現代でも、モールディングは天井と壁の接合部や腰壁、ドア枠などに数多く使用されており、西欧を中心に世界中の人々の暮らしにとって欠かせない建築部材となっています。
●モールディングの種類
モールディングは様々なものに施されています。室内では主に天井の廻り縁や巾木、ドア枠や窓枠などの開口部に使用されているほか、腰見切りや家具、額縁などにも使用されます。形状も平縁や半円型などのシンプルなものから西洋の古典建築を思わせるデコラティブなものまで多種多様です。
今では人工木材や人工石、合成樹脂、ビニール、クッション材など使用される素材も幅広くなり、お部屋の用途に合わせて選べるようになりました。
●モールディングと廻り縁の違い
一見、混同してしまいそうなモールディングと廻り縁ですが、モールディングは主に装飾材として、廻り縁は建材接合部の隙間を埋める接合部に設ける見切り材として使用されます。

(※)写真はイメージです。弊社製品ではありません。
モールディングはその独特な形状により、光と影の美しさを楽しめるのが魅力です。
また立体的な意匠がエレガントさや高級感、重厚感を空間にプラスしてくれます。

(※)写真はイメージです。弊社製品ではありません。
廻り縁は、直線的でスッキリとした形状が空間を引き締めます。
インテリアスタイルを問わず合わせやすいので、壁や床材、家具の存在感をより引き立ててくれるでしょう。この廻り縁ですが、最近では壁と天井を同じ壁紙で仕上げて廻り縁を省略する場合も増えています。
今ではモールディングは装飾性だけでなく、床や壁を保護し、それに耐えうる素材であることから、隠し金具や電気配線のカバーとしても使われています。また本来、面と面の隙間を隠す役割の廻り縁にも、装飾要素を兼ね備えたデザインが登場してきました。
お部屋の雰囲気を大きく変えてくれるのは、やはり高い装飾性のモールディング材といえます。特に、海外インテリアのような雰囲気をプラスしたい場合は、ドアなどの開口部にモールディングを採用するとさりげなくおしゃれで上質な空間を演出できるでしょう。日本でもクッションモールディングやモールディングシールなどのアイデア商品もあるので、手軽に取り入れられます。
ハンドルデザイン、採光部にもこだわる

(※)写真のhapia(ハピア)は2025年6月生産中止予定です。後継品は2025年6月発売予定のieria(イエリア)をご検討ください。
そこでおすすめしたいのが、レトロな雰囲気にぴったりなモールディングを取り入れたレトロな印象の室内ドアです。よりデザインにこだわるなら採光窓のガラスにデザインの入ったドアや意匠性の高いレバーハンドルなど、細かなディテールに目を向けるとさらに理想のインテリアに近づけます。
DAIKENではお部屋のインテリアや使い勝手に合わせた多様なデザインのドアやハンドルの形状を幅広くラインアップしています。人気のレトロ感とモダンな雰囲気が融合した「ヴィンテージミックス」などのインテリアテイストにも、違和感なく取り入れていただけます。

(※)写真のhapia(ハピア)は2025年6月生産中止予定です。後継品は2025年6月発売予定のieria(イエリア)をご検討ください。
例えば、こちらのヴィンテージミックスを取り入れたお部屋には、さりげないモールディングと採光部が付いた室内ドア『hapia(ハピア)片開きドア<オフブラック>』のM2デザインを使用しています。採光部から廊下側にいる人の気配を感じることができるので、ドアの開閉時も安心です。さらに、緩やかなカーブを描くレバーハンドルのフォルムと艶なしのレバーハンドルがクラシカルな印象を醸し出し、落ち着きと高級感を感じるレトロモダンな雰囲気になっています。
部屋に統一感を持たせるには、レバーハンドルなどの金属類を室内の照明や収納家具のつまみ・補強金具・脚など、インテリアの一部で使用されている金属パーツと近い色合いや質感にすることがポイントです。
曲線を描いたクラシックなタイプや塗装タイプのブラックカラーのレバーハンドルは、ヨーロッパ風のレトロなテイストのインテリアにもなじみやすく、おすすめです。

また、家の中を明るく見せる採光窓付きのドアにはベーシックな透明や半透明のものをはじめ、<チェッカー>やストライプ状の<モール>などレトロ感溢れるデザインも揃っているので、見せたい雰囲気やインテリアに合わせてぴったりのものを見つけることができます。
いかがでしたでしょうか? デザインドアは、家族や大切なゲストを迎えるリビングの美しいアクセントにもなります。フローリングや家具に合わせた色柄を選ぶことで、お部屋を広く見せたり隣接する廊下や玄関周りを開放的に見せるなど、様々なメリットをもたらしてくれます。リフォームを検討される際は、こういった部分にも目を向け、お部屋を理想の空間に近づけてみてはいかがでしょうか。
(※)記事内で使用されている『hapia(ハピア)』は2025年6月生産中止予定です。2025年6月に発売予定の後継品『ieria(イエリア)』をご検討ください。
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関連記事⇒「ドアリフォームからはじめる快適生活。おしゃれな部屋は“室内ドア”から!」
関連記事⇒「和室と洋室を仕切る戸襖へのふすまリフォームを ドアリフォームの和洋折衷!」
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監修者
志鎌のり子(しかまのりこ)
一般社団法人日本模様替え協会 理事/COLLINO一級建築士事務所代表。日本女子大学住居学科卒業、五洋建設でマンション・ビルの設計監理/内装デザインを10年担当。その後、日本ERIにて住宅検査など10年担当、設計・検査・審査した住戸数は延べ5,000件以上にのぼる。現在は部屋を「機能による空間分け」「動線」「収納」の観点から模様替えする独自のメソッドにより、機能的な部屋づくり/仕組みづくりなどを提案。書籍「家具配置のルール」のほかSUUMO、AERAwithKids、建築知識ビルダーズ、住まいの設計など著書多数。
保有資格:模様替えアドバイザー 一級建築士 建築基準適合判定資格者 住宅性能評価員 建物耐震診断士 フラット35適合証明検査員 など
公開日:2021.12.02 最終更新日:2025.03.19