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※掲載している画像は、記事の内容をわかりやすくするイメージであり、実在する製品や実現するものとは異なる場合があります。
目次
こまめに掃除していても臭ってくる、いやなカビ臭の原因はどこにあるのでしょうか。
今回は部屋のカビ臭の発生源と、日常的にできる対策、とりわけエアコンのカビ対策について解説します。あわせて快適な部屋づくりに役立つ、DAIKENの建材もご紹介します。
部屋がカビ臭くなる原因を知る
室内のカビ臭を防ぐため、まずはカビが発生する原因を理解しましょう。そもそも、なぜ家の中にカビが発生するのでしょうか。
カビの発生条件とは? 湿度・温度・埃が揃うと危険
空気中には常にある程度のカビの胞子が舞っていますが、一般的な日常生活の中で、健康的な人がカビを吸っても大きな問題はないといわれています。
しかし、60%超の湿度、20~30℃前後の室温、かつ部屋の中に埃が多いという条件を満たすと、カビの胞子は活性化して急速に増殖します。
カビが発生しやすい家の特徴
カビが発生しやすい家には、いくつかの共通する特徴があります。その1つが“気密性・断熱性の高い住宅”です。
省エネ性能にすぐれた高気密・高断熱住宅は外気の侵入を抑える構造のため、快適な室温が保たれやすくなっています。2003年以降の住宅は、改正建築基準法により24時間換気システムの設置が義務付けられ、自然に空気の入れ替えが行われています。
しかし、換気が不十分だと湿気がこもって結露を引き起こし、それによってカビが発生しやすい条件を満たしてしまうのです。
風通しが悪い間取りや家具の背面と壁に隙間がない配置も、空気の流れを妨げ湿気が滞留する一因となります。
さらに「洗濯物は部屋干しが多い」「窓をほとんど開けない」「入浴後の浴室換気を十分に行わない」といった暮らし方も、湿度を上げ、カビが発生しやすい環境をつくる原因になります。梅雨の時期や夏季、冬季の結露が起こりやすい時期は特に注意が必要です。
身近に潜むカビの発生場所

(※)写真はイメージです。弊社製品ではございません。
カビは目に見えないところにひっそりと潜んでいる場合が多く、気づかぬうちに広がります。1度拡散すると根本的な除去が難しく、いくら掃除をしても部屋がカビ臭くなります。カビの発生場所を把握し、対策をすることが特に重要です。
観葉植物の土にはカビが発生しやすい
観葉植物の鉢植えはカビの発生に注意が必要です。植木鉢の受け皿に溜まった水や、土に含まれた水分で湿度が高くなりカビが発生しやすい環境が揃っているので、排水性のある土を使うとよいでしょう。
窓枠のカビは結露が主な原因
冬場、外気と接している窓枠にできる結露がカビの発生源になる場合があります。結露をそのままにしていると、水が溜まりやすいパッキンの隙間やサッシの角にカビが定着してしまいます。
カーテンのカビは裾や裏側に注意
カーテン周辺は空気の流れが悪く、埃や窓の結露などが多い傾向にあるため、カーテンが床に触れる裾部分や窓側の裏地などはカビが付きやすい場所です。カーテンは定期的に洗濯して、完全に乾燥させるようにしましょう。
壁紙のカビは表より裏が多い
一見きれいな壁紙でも、裏側に湿気がこもってカビが発生するケースもあります。特に家具をぴったり設置した壁面や北側の壁などはカビが発生しがちです。
クローゼット内なども要注意
家具の裏側や押入れ、クローゼットの中などは空気が流れにくいうえに掃除しづらい場所であるため、カビが発生しやすくなります。収納物を詰め込みすぎるとさらに風通しが悪くなり、カビ発生のリスクが高まります。
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カビ臭の原因はエアコン内部にある場合も

意外と見落としがちなのが、エアコン内部のカビです。エアコンを稼働させた際にカビの臭いを感じたら、エアコン清掃が必要かもしれません。
そもそも、なぜエアコンがカビ臭くなるのでしょうか。
なぜエアコンがカビ臭くなるのか
エアコンのカビ臭の原因は、エアコン内部の汚れにあります。夏場の冷房運転時には、冷たい空気をつくる過程でエアコン内部に結露が生じます。アルミフィンや送風ファンに残った水分に空気中の埃やカビ菌が付着すると、カビが発生しやすい状態になるのです。
長期間使っていなかったエアコンを久しぶりに動かしたときに臭いを強く感じるのは、内部で発生していたカビが一気に吹き出すからです。
エアコンのカビ 放置するとどうなる?

エアコン内部のカビを放置すると、エアコンを稼働させたときに、部屋中にカビの胞子が拡散されてしまいます。カビの胞子を長期間大量に吸い続けると、アレルギー症状や喘息、肌荒れなどの健康被害につながりかねません。小さなお子様や高齢者、持病のある方がいる家庭では特に注意が必要です。
さらにカビがエアコン内部の奥深くまで入り込み増殖すると機器の動作効率が悪化し、冷暖房の効果が下がったり、モーターやファンに負担がかかって故障の原因になったりするケースもあります。その結果、冷暖房にかかる電気代が増えたり、修理や買い替えが必要になったりと、余計な出費につながる可能性もあります。
エアコンのカビ掃除 自分でどこまでできる?

(※)写真はイメージです。
部屋のカビ対策にはエアコン掃除が欠かせません。ただし、部分によっては専門的な技術が必要です。自分でできる部分と、プロに任せたほうがよい部分を解説します。
フィルターや吹き出し口の掃除は自分でできる
エアコンのフィルターや吹き出し口は構造が比較的シンプルなので、特別な道具がなくても自分でお手入れが可能です。エアコンの取扱説明書には、自分で掃除できる場所がまとめて記載されていることが多いので、確認してみましょう。
フィルターは、掃除機で埃を吸い取ったり水洗いしたりして、しっかりと乾燥させることが基本です。吹き出し口の汚れは、やわらかい布で丁寧に拭き取るときれいに仕上がります。
カビの発生を防ぐためには、月に1~2回の掃除が理想的です。
内部洗浄はプロに任せる
エアコンの内部、特にファンや熱交換器はカビや汚れが蓄積しやすい場所です。しかし、自分で掃除するのは難しく、無理に行うと故障の原因になったり、カビを広めてしまうおそれがあります。
そうしたトラブルを防ぐためにも、内部洗浄はエアコンのメーカーや、プロのクリーニング会社に依頼しましょう。専用の高圧洗浄機や洗剤を使い、見えない内部のカビや汚れまでしっかり落としてくれます。
エアコン洗浄は、一般的には年に1回が目安とされており、冷房や暖房の使用が本格化する前の時期に依頼しておくと快適に過ごせるでしょう。
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日常的にできるカビ対策

(※)写真はイメージです。
カビ対策は特別な道具や設備がなくても、日常の中で無理なく取り組めます。暮らしの中で取り入れやすいカビ対策をご紹介します。
こまめな換気と除湿で湿度コントロール
・湿気のこもりやすい場所を意識して換気する
浴室やトイレ、洗面室のほか、洗濯物を干す部屋や日当たりの悪い部屋などは湿気がこもりやすい場所です。換気扇を使って空気を入れ替えたり、窓を開けてこまめに換気することが重要です。24時間換気システムがある場合は、換気口(給気口)のフィルター掃除を忘れずに行いましょう。
・晴れた日には窓を開ける
晴れた日には窓を開けて外気を取り込みましょう。自然の空気を入れることで、室内の湿度を下げられます。
・扇風機やサーキュレーターで空気を循環させる
室内の一部に湿気が集中すると、カビが発生しやすくなります。空気の循環を促すサーキュレーターや扇風機を活用すると、湿度が均一に保たれます。
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カビの発生を抑える建材選び
部屋の建材選びも、カビが発生しにくい環境づくりに役立ちます。通気性や調湿性にすぐれた素材を選ぶことで、湿度を調整しやすくなり、メンテナンスの負担も軽減されます。
DAIKEN製品で快適な空間づくり
こまめに部屋の掃除をしていてもカビが気になる場合は、建材の見直しも検討してみましょう。お手入れしやすい素材を選ぶと、暮らしの快適さが向上します。カビ対策に役立つDAIKENの建材を2つご紹介します。
爽やかな空気をつくる天井材『クリアトーン12SⅡ』

部屋の湿度が高くなるとカビが発生しやすくなるため、部屋の調湿に注目しましょう。
窓の開閉や換気扇での空気の入れ替えがしにくい季節でも、部屋の調湿を叶えてくれるのがDAIKENの天井材『クリアトーン12SⅡ』です。
『クリアトーン12SⅡ』は、表面に開いたこまかな孔により、湿度が高いときは空気中の湿気を吸収し、湿度が低いときは溜め込んだ湿気を放出します。室内を適度な湿度に保ちやすく、より快適な空間が実現できます。
吸音性能も兼ね備えているので、気になる反響音も抑えやすくなります。
お手入れ簡単で、きれいが続く『ここち和座』

DAIKENの床材『ここち和座』は、カビの発生やダニの増殖を抑える高機能な和紙畳です(※)。表面に撥水加工を施しているので汚れや水分が染み込みにくく、快適さを維持しやすくなります。抗菌仕様で製品表面を衛生的に保てるのも魅力的です。
フローリングの上に置くだけでくつろぎのスペースを簡単につくれる「置き敷きタイプ」と、一般的なフローリングと高さを合わせられる「敷き込みタイプ」の2タイプを展開しています。耐汚染性や耐光性にもすぐれており、日常のお手入れが簡単で、きれいな状態が長く続きます。
(※)機械すき和紙を使用しています。コウゾ、ミツマタ等を使用した手すき和紙ではありません。また、本ページで記載の和紙の畳とは畳のおもて部分のことを指し、畳床部分まで、全てが和紙製ではありません。
まとめ
部屋のカビを放置していると、短期間のうちに広がってしまう場合があります。結露が発生するエアコン内部や窓周り、カーテン、観葉植物の鉢土など、目に付きにくい場所こそ早めの対処が肝心です。
快適な住まいを保つために、素材選びや換気の工夫、定期的な掃除を欠かさず行いましょう。調湿に役立つDAIKEN製品なども活用しつつ、カビが発生しにくく見た目も美しい、快適な住空間を実現してください。
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監修者
志鎌のり子(しかまのりこ)
一般社団法人日本模様替え協会 理事/COLLINO一級建築士事務所代表。日本女子大学住居学科卒業、五洋建設でマンション・ビルの設計監理/内装デザインを10年担当。その後、日本ERIにて住宅検査など10年担当、設計・検査・審査した住戸数は延べ5,000件以上にのぼる。現在は部屋を「機能による空間分け」「動線」「収納」の観点から模様替えする独自のメソッドにより、機能的な部屋づくり/仕組みづくりなどを提案。書籍「家具配置のルール」のほかSUUMO、AERAwithKids、建築知識ビルダーズ、住まいの設計など著書多数。
保有資格:模様替えアドバイザー 一級建築士 建築基準適合判定資格者 住宅性能評価員 建物耐震診断士 フラット35適合証明検査員 など
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