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2025-08-20

勝手口は必要? 使い道や気になる防犯対策、取り入れる際の間取りのコツ

※掲載している画像は、記事の内容をわかりやすくするイメージであり、実在する製品や実現するものとは異なる場合があります。

キッチンに勝手口を設けるとゴミ出しが便利なうえ、配置によっては購入した食料品の搬入も楽にできて家事動線がさらにスムーズになります。採光や通風といったメリットもあり、魅力的な設備です。その一方で、防犯やプライバシー保護の観点から、勝手口は不要と考える人もいるかもしれません。
今回は、勝手口の役割と利便性、気になる防犯対策について解説します。さらに、勝手口のある空間をより便利にするDAIKENの収納製品もご紹介します。

勝手口とは? 役割とメリット

“勝手口”とは、キッチンなどと屋外を直接つなぐ、玄関とは別の出入口を指します。昔はキッチンを“お勝手”と呼んでいたので、キッチンにつくられた出入口=勝手口でした。現在はキッチンに限らず、別の空間に勝手口がつくられることもあります。

ゴミの一時置き場への出入口として

玄関を通らず家の内外を行き来したいシーンは意外と多いものです。例えば、一時的にゴミを保管できるスペースが勝手口の外にあれば、キッチンで出たゴミをすぐに外に出せます。生ゴミの臭いなどの悩みが軽減でき、室内では場所を取る空き缶や空き瓶など分別ゴミの保管も楽になるでしょう。

いざというときの避難経路に

勝手口は、災害時の避難経路になり得ます。一戸建て住宅には玄関や掃き出し窓など非常時に使える出口は複数ありますが、家の裏側に設けられるケースが多い勝手口は、道路に出られるルートの1つとしていざというときの安心材料になります。

屋外での家事にも便利

(※)写真はイメージです。弊社製品ではございません。

サニタリーに勝手口を設置すると、洗濯物を外干しする際の出入口として便利です。勝手口の外を屋根付きのサービスヤードにすれば、天候をさほど気にせず外干しできます。
ハンガーやピンチハンガーなどの出し入れもスムーズで、家事が楽になるかもしれません。

勝手口は単なる出入口にとどまらず、暮らしの中で様々な用途に活用できます。

関連記事⇒「サニタリーとは? 言葉の意味と水回りとの違い おしゃれに見せる収納アイデア

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2025.05.20

勝手口を設置する際の間取りの工夫

勝手口を十分に活かすには、間取りの計画が重要です。設置する場所や動線によって、使いやすさに大きな違いが生まれます。勝手口の場所を決めるときに押さえておきたいポイントをご紹介します。

屋内から屋外までの動線を意識する

勝手口を設置する際は、キッチンやサニタリーなどから屋外へとスムーズにつながるように設計すると便利です。勝手口から道路につながるゴミ出しに便利な動線、庭へとつながる洗濯物干しの動線などを考慮しましょう。

勝手口から屋外への動線が複雑だったり、途中に障害物があったりすると負担や煩わしさが増え、次第に勝手口の利用頻度が下がってしまうかもしれません。
設計段階で実際の生活動線を具体的にイメージし、専門家と相談しながら配置を検討しましょう。

換気、採光にも配慮した位置選び

水回りは湿気がこもりやすいうえに、キッチンは調理時のニオイも気になる場所です。水回りに小さめの窓しか設置しない場合は、換気が十分でないと感じる方もいるかもしれません。
また、水回りを家の北側や角に配置するケースでは、暗さや風通しが気になることも少なくないでしょう。

水回りに勝手口があれば、通風(換気)の確保が可能になります。通風面では、リビングや廊下からスムーズに風が通る場所に勝手口を設け、施錠したままでもガラス部分の開閉ができる網戸付きのドアを選ぶとよいでしょう。

勝手口の設置で明るさも確保できますが、南面や西面に設ける場合は注意が必要です。夏の強い日差しが冷蔵庫や食品を保存する収納などに当たらないように工夫しましょう。

隣地との距離や視線に注意する

勝手口を設ける際には、周囲の住環境への配慮も必要です。勝手口は屋外と直接つながる開口部で、設置場所によっては隣家からの視線が気になるケースもあり、室内の生活音が周囲に伝わりやすくなる可能性もあります。

特に住宅が密集する地域では、可能な限り、勝手口が隣家の窓と向かい合わない位置にしましょう。

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気になる勝手口の防犯対策

(※)写真はイメージです。弊社製品ではございません。

勝手口の設置で考慮したいのは、設置場所やドアの仕様によっては不審者の侵入経路になるリスクがあることです。勝手口を安心して使うためにできる対策をご紹介します。

基本的な防犯対策

・ドアは二重ロックにする

基本となる鍵に加えて補助錠を設けると、こじ開けに時間がかかる構造となり、侵入をためらわせる可能性もあるとされます。
ガラスが割れにくい格子付きの勝手口ドアを選択するのも1つの方法です。

・人感センサーライトを利用する

夜間の防犯性を高めるために、人感センサーライトを設置する方法があります。勝手口の近くに人感センサー付きライトを設置しておくと、ライトが人の動きに反応して素早く点灯するため侵入者を警戒させられます。

・防犯カメラを導入する

防犯カメラは映像で記録を残せるため、万が一の際にも役立ちます。勝手口付近に設置しておくだけでも、侵入の抑止力になるでしょう。

勝手口周辺の植栽や物置の配置にも注意

勝手口近くに、目隠し目的で背の高い植栽を設けたり物置を設置したりすると、外からの視線が遮られ、侵入者が身を隠しやすくなります。こうした死角は、侵入のリスクを高めることにつながるおそれがあるため、勝手口周辺はなるべく見通しのよい空間にしましょう。
植栽を取り入れる場合は低木を選び、密集しないように植えるなど視界を妨げないような配置にします。

物置を設置する場合も、死角を生まないように配置しましょう。勝手口付近の通路に防犯砂利を敷くのもおすすめです。

勝手口でもプライバシー確保を

勝手口の扉に窓があると外から室内が見えやすく、すりガラスでも人の動きや気配はわかってしまいます。気になる場合は窓部分にカーテンなどを取り付ければ、プライバシーを保てます。

目隠しフィルムを貼る方法もありますが、場合によっては熱割れ(※)のリスクがあることから施工を禁止しているガラスメーカーもあります。施工の可否や適した目隠しフィルムの有無を確認することが必要です。

(※)熱割れとは、はめ込まれたガラスが温度差によって割れる現象を指します。熱割れしやすいワイヤー入り格子ガラスにフィルムを貼ると割れるリスクがさらに高まるため注意が必要です。

勝手口の活用アイデア

勝手口は出入口としてだけではなく、工夫次第で暮らしをより便利にします。ご紹介する勝手口活用アイデアを、お住まいに合った使い方の参考にしてください。

勝手口に土間を設けて、作業場や物置代わりに使う

勝手口に、土足で出入りできる土間スペースを設ければ、園芸やDIYなどの作業場として、また屋外用品の一時置き場として活用できます。少しゆったりとしたスペースにして、庭で取れた野菜などを置く場所にするのも一案で、室内に汚れを持ち込みにくいというメリットがあります。

パントリーと一体化させて収納効率アップ

キッチンに勝手口を設けるなら、同じスペースにパントリーを設けてみてはいかがでしょうか。勝手口周辺にパントリーがあると、買い物から帰宅してスムーズに食品や日用品を収納できます。

洗面室の勝手口で入浴がスムーズに

洗面室に勝手口を設けると、外遊びや水遊び、お散歩から戻り、そのまま浴室へ直行できます。玄関や廊下を通らずに浴室に入れるので、家の中が汚れたり、水浸しになったりするのを防げます。

関連記事⇒「ダイニングとは? リビングとの違いは? DKとLDKの違いと居心地の良いレイアウトを紹介

DAIKEN『内部ユニット FiTIO(フィティオ)』でパントリーを使いやすく整える

DAIKENの『内部ユニット FiTIO(フィティオ)』は、収納に便利な製品です。「側面棚柱タイプ」や「背面棚柱タイプ」をラインアップし、様々なスペースに対応しています。

パントリーにおすすめの「パントリープラン」にはL型、I型があり、高さや幅を選べるのも魅力です。パントリーのほか、クローゼット、キッチン収納、サニタリー収納などに活用できます。

まとめ

勝手口があると、家事の効率化に加えて、通風や採光といった住まいの機能性を高められます。収納と連携させるなどのアイデアを取り入れ、動線を含めて計画すると、より便利な出入口になるでしょう。

一方で、屋外と直接つながる場所だからこそ、防犯対策やプライバシーへの配慮も欠かせません。設置場所や周辺の状況に合わせて対策を取り、安心して活用できる勝手口にしましょう。

  • しかまのりこ
  • 監修者

    志鎌のり子(しかまのりこ)
    一般社団法人日本模様替え協会 理事/COLLINO一級建築士事務所代表。

    日本女子大学住居学科卒業、五洋建設でマンション・ビルの設計監理/内装デザインを10年担当。その後、日本ERIにて住宅検査など10年担当、設計・検査・審査した住戸数は延べ5,000件以上にのぼる。現在は部屋を「機能による空間分け」「動線」「収納」の観点から模様替えする独自のメソッドにより、機能的な部屋づくり/仕組みづくりなどを提案。書籍「家具配置のルール」のほかSUUMO、AERAwithKids、建築知識ビルダーズ、住まいの設計など著書多数。

    保有資格:模様替えアドバイザー 一級建築士 建築基準適合判定資格者 住宅性能評価員 建物耐震診断士 フラット35適合証明検査員 など

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