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2025-06-23

はめ殺し窓とは? FIX窓とも呼ばれるその正体と特徴 メリット・デメリットも紹介

家づくりの際は部屋の使い方に合わせて窓の種類を決めていく必要があります。しかし、窓には様々な種類があるので迷う方も多いのではないでしょうか。
今回は、開け閉めができない“はめ殺し窓(FIX窓)”とその他の窓との違い、そしてメリット・デメリットなどを解説します。マイホームにどのような窓を設置するか検討している方はぜひご覧ください。

はめ殺し窓とは?

“はめ殺し窓”は、英語の「Fixed(固定された)」という言葉からFIX窓とも呼ばれる、開け閉めができない窓です。なぜ開閉できない窓が必要なのかと思うかもしれませんが、“外の光を採り入れられる壁”と捉えると印象が変わるのではないでしょうか。
はめ殺し窓は、適切な場所に用いることで意匠性と機能性を両立し、快適な空間を構成する大切な要素となります。では、はめ殺し窓と、採用頻度の高い一般的な窓の種類をみてみましょう。

はめ殺し窓

開閉のできない窓で、壁に固定されており、高いところに設置する“高窓”や低い部分に設置する“地窓”、細長い“スリット窓”や、円形の“丸窓”などで、おしゃれな家を演出します。
また、景色を絵画のように楽しむ“ピクチャーウィンドウ”に多用されるのも、はめ殺し窓です。

引き違い窓

2枚以上のガラスを横方向にスライドさせて開閉する窓です。日本では戸建て・マンションを問わず多用されています。

縦すべり出し窓

縦軸を中心に外側へすべり出しながら開く窓です。全開すると、窓が壁とほぼ垂直になるのでよく風を通してくれます。また、タイプによっては窓の両面を拭きやすいというメリットがあります。

横すべり出し窓

横軸を中心に外側へすべり出しながら開く窓です。窓の下側が開くタイプは雨の浸入を防ぎながら換気ができます。窓の外側を掃除するための専用モードを備えている製品もあります。

上げ下げ窓

ガラスを上下にスライドさせて開閉する窓です。上下の窓が開閉する“両上げ下げ窓”、片方の窓のみを開閉する“片上げ下げ窓”、片方の窓を開閉するともう片方が連動して上下する“スリット上げ下げ窓”などがあります。ヨーロッパでは多くの建物に採用されており、洋風のデザインによく合います。

片開き窓

蝶番で取り付けられた窓枠を軸として開き戸のように開く窓です。開放感の演出に必要な採光を確保しながら室内の快適性も重視したい場合におすすめです。

両開き窓

左右のガラスを開いて開け閉めする窓です。外開きと内開きがありますが、どちらにもメリット・デメリットがあるので、室内環境や使いやすさに応じて選択しましょう。

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はめ殺し窓のメリット

開閉できないはめ殺し窓ですが、設置する場所や目的に合わせて、活用することができます。
はめ殺し窓にはどのようなメリットがあるのでしょうか。

自然光を採り入れやすい

はめ殺し窓が持つメリットの1つは、自然光を採り入れやすいことです。プライバシー保護を重視しながら採光を効率的に行えるので、高窓として多用されます。
また、開閉するための構造が不要なことからガラスを支えるパーツにかかる負担が少なく、大きな窓にも対応可能です。開閉可能な大窓は場所によって設置が難しいケースもありますが、はめ殺し窓であれば開放感たっぷりの全面窓を実現できる可能性もあります。

防犯面と安全性にすぐれている

はめ殺し窓は、開け閉めができず出入りもできません。防犯面にすぐれているほか、小さなお子様がいるご家庭では、目を離した隙に外に出てしまったり、指を挟んでしまったりという心配も軽減できます。自然光による開放的な空間を楽しみながら安心して暮らせるでしょう。

意匠性が高い

窓の設置で気になるのが、サッシ(窓枠)の存在感です。太さがあって目立つサッシは家の外装デザインを損ねてしまうことがありますが、はめ殺し窓はフレームとガラスのみなのですっきりしています。
はめ殺し窓には丸窓(円窓)や縦長の窓など、スタイリッシュな製品が数多く揃っています。室内空間の快適性だけでなく、室内外の意匠性を重視したい場合は、有力な選択肢になるでしょう。

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はめ殺し窓のデメリット

多くのメリットを持つはめ殺し窓には、その構造ゆえのデメリットもあります。それでは、はめ殺し窓のデメリットについて詳しくみていきましょう。

掃除が難しい

大きなデメリットとしてあげられるのは室外側からの掃除でしょう。1階の窓は外から拭くことができますが、手の届かない高所に設置する場合は、設置前に清掃方法を考えておく必要があります。
柄の長いモップや伸縮可能なワイパーなどの高所用掃除道具を使ったり、高所作業の対応が可能な清掃業者に依頼したりする方法を検討しましょう。

換気ができない

はめ殺し窓は開閉できないため、自然換気ができません。
はめ殺し窓の設置を検討する際は、間取りを計画する段階から設計者と相談し、換気計画を進めましょう。

シンプルでスタイリッシュなDAIKEN『ieria(イエリア) 室内窓 マドモ FIXタイプ・スタンダード』

DAIKENの『ieria(イエリア) 室内窓 マドモ FIXタイプ・スタンダード』は、やわらかい光が空間をやさしく包み込む室内用のはめ殺し窓です。コンパクトなスクエア型と効率的に光を採り込む縦型、そしてゆったりとした雰囲気を演出する横型をラインアップしています。同シリーズの開き戸タイプや引戸タイプと組み合わせると、家全体のインテリアの統一感を高めることができるでしょう。
(※)一般住宅室内用として設計しています。屋外では使用しないでください。
(※)キッチンのコンロ周りなどの熱が発生する場所には設置しないでください。

おわりに

はめ殺し窓は適切に使うことで意匠性や機能性を両立し、スタイリッシュで快適な空間づくりに大きく貢献します。採用する際はデメリットを把握し、しっかりと計画したうえで理想の住まいづくりに活かしてみましょう。

  • しかまのりこ
  • 監修者

    志鎌のり子(しかまのりこ)
    一般社団法人日本模様替え協会 理事/COLLINO一級建築士事務所代表。

    日本女子大学住居学科卒業、五洋建設でマンション・ビルの設計監理/内装デザインを10年担当。その後、日本ERIにて住宅検査など10年担当、設計・検査・審査した住戸数は延べ5,000件以上にのぼる。現在は部屋を「機能による空間分け」「動線」「収納」の観点から模様替えする独自のメソッドにより、機能的な部屋づくり/仕組みづくりなどを提案。書籍「家具配置のルール」のほかSUUMO、AERAwithKids、建築知識ビルダーズ、住まいの設計など著書多数。

    保有資格:模様替えアドバイザー 一級建築士 建築基準適合判定資格者 住宅性能評価員 建物耐震診断士 フラット35適合証明検査員 など

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