自然資源とはどのようなもの? 持続可能な社会実現に向けた地域資源、木材を活かした施設づくり

地域の自然資源を活かす

現在、世界中で求められている持続可能な社会づくりに向けて建築ができることとは何でしょうか? 建築は人の生活を支える土台なので持続可能な社会づくりのためにできる取り組みがたくさんあります。中でも重要なのが天然資源の有効活用です。特に地域の自然資源を活かした建材の使用は注目されています。
この記事では、持続可能な社会づくりを見据えた建築業界の取り組み、自然資源を活用することの重要性などについてご紹介します。

持続可能な社会とは? 建築業界における取り組み

地域の自然資源を活かす

持続可能な社会の実現は、現代社会における課題の一つとして、世界的に認知され始めています。
持続可能な社会とは将来の世代が必要とするものを損なうことなく、現在の世代が自分たちのニーズを満たすような開発が行われる社会を指します。
地球環境が適切に保全された持続可能な社会の実現に向けて、建築業界では様々な取り組みが行われています。
まず挙げられるのは、環境に配慮した建材の開発や活用です。これにはリサイクル可能な素材の採用などが含まれ、環境に対する負荷を軽減することに貢献しています。また、建物の長寿命化も重要な取り組みのひとつです。長期的な視点に立って設計された建物は、維持管理の負荷を減らし、廃棄物の削減にもつながります。さらに、省エネ型のビルや住宅づくりも進んでおり、断熱材や省エネ設備の導入、エネルギー効率の高い建築設計などによって、建物のエネルギー消費を抑えることが可能です。
他にも、徒歩や自転車で移動できる環境を整備し、エネルギー消費の削減を図る都市計画の見直しや、交通インフラを整備するなどの取り組みが行われています。
こうした持続可能な社会への転換を見据えた建築業界の努力は、私たちの未来をより良いものにする重要な一歩となっています。

環境に配慮した建材として最も優れたものは?

地域の自然資源を活かす

環境に配慮した建築を考えた時、建材の選択は重要な要素です。その中でも「木材」は、その独特な特性から環境に配慮した材料として広く認識されています。
木材は建築に多用される自然資源なのです。そして自然資源というのは基本的に有限ですが、木材は再生できる例外的な資源であり、木は植林から伐採まで人間の手で管理できる唯一の自然資源ともいえるでしょう。
また、伐採時期の木や間伐材の活用は、自然のサイクルを尊重しつつ木の成長を促し、森林の循環を生み出します。森林の適切な管理で生態系の維持と資源の持続的な供給を両立させることも可能です。さらに、木材は成長過程で二酸化炭素を吸収して酸素を放出します。これにより、木材は自然の炭素吸収源として機能し、地球温暖化の緩和にもつながります。木材や木質材料は他の建材、例えば鉄やコンクリートと比較すると、製造過程におけるエネルギー効率が非常に高く、結果として温室効果ガスの排出も大幅に低減できるのも大きな特徴です。

木材の地産地消で持続可能な社会づくり

地域の自然資源を活かす

地域資源の有効利用は、持続可能な社会の形成に欠かせません。特に、地域で生産された木材の活用には、様々な効果が期待され、注目を集めています。
ここでは、地域の自然資源を活かす「木材」の地産地消がもたらすメリットをいくつか紹介します。

●CO2排出の削減

地産地消の形で木材を使用することは、CO2排出を大幅に削減させます。木材の輸送でCO2の排出が減少することに加え、木材自体が製造過程で必要とする消費エネルギーの少ない材料ですので、環境に対する負荷を大きく抑えることが可能となります。

●地域の雇用と産業の活性化

地域で生産された木材を使用することは、地域の雇用と産業の活性化にも効果的です。地域の森林から木材を収穫し、地域の工場で加工、地域の建設業者が使用すれば、地域の経済が活性化されます。これが地域社会の経済的な持続可能性につながります。

●地域の特色や風土を反映

公共施設や商業施設で地域産の木材を使用すると、建物に地域の特色を反映させることができます。例えば地域産のフローリング材は、消耗の激しい公共施設などの床に使用することが可能です。また、地域産材を使用した意匠性に優れた壁材などもあります。

まとめ

自然資源の活用と持続可能な社会の実現は、建築業界における重要なテーマです。その中で環境に配慮した建材としての優秀な木材、特に地産地消の木材を利用することは、環境保全やCO2排出の削減、地域経済の活性化、建築物の美観といった観点から、持続可能な社会づくりに大きな効果をもたらしています。地域の木材を利用した建材は、これからも環境に優しい材料として活躍が期待されます。

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