バイオフィリアとは? オフィスで自然を感じられるバイオフィリックデザインの魅力

近年、オフィス環境づくりの新しいスタイルとして、自然とのつながりを重視した「バイオフィリア」や「バイオフィリックデザイン」が注目されています。その背景には、長期にわたるコロナ禍によって、働き方やオフィスの在り方に対する考え方が大きく変化したことが関係しています。
本記事では、「バイオフィリア」「バイオフィリックデザイン」が空間にもたらす効果や、過ごしやすいオフィスづくりに適した建材をご紹介します。
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人間の本能? バイオフィリアとは
バイオフィリア(Biophilia)とは、「バイオ(bio:生物・自然・生命)+フィリア(philia:愛着)」からなる造語で、「人には自然や生物とのつながりを求める本能的欲求がある」という概念です。
自然と触れ合うことでストレスが軽減され、健康の向上や幸福感を得られる効果を「バイオフィリア効果」といいます。
バイオフィリアに関する記事については、下記でご紹介していますので、こちらもご確認ください。
⇒環境に優しい建築材料にはどんなものがある? 木材利用による炭素貯蔵、未利用資源、エコ建材、バイオフィリアなどにも注目
バイオフィリックデザインとは? 注目される背景

バイオフィリックデザインは、バイオフィリアの概念を建築環境に取り入れたデザインアプローチです。
自然光や花・グリーンといった植物、水、匂い、音など、視覚・聴覚・嗅覚・触覚を通じて自然を感じられる要素を建築空間に取り入れ、幸福感を高めようというコンセプトがベースとなっています。
近年、オフィスではバイオフィリックデザインが積極的に導入されていますが、なぜバイオフィリックデザインが注目されているのでしょうか?
その背景には次の2つの要因が影響しています。
●コロナ禍を通して自然との共生が求められるようになった
在宅時間が長くなったことで、窓の外に広がる木々や室内に飾られた草花など、身近な自然を意識する人が増えました。
2020年に、一般社団法人 花の国日本協議会が行ったアンケート調査によると、以前と比較して「自宅に花やグリーンを飾りたい気持ちになった」と回答した人が90%近くを占めており、なかでも65%の人が「ものすごく飾りたい気持ちになった」と回答しています。
人は本能的に自然を身近に感じることを求めているのかもしれません。
●従業員の健康が重要視されるようになった
近年、働き方の多様化によって、快適な環境づくりや従業員の健康促進が重要視されるようになりました。働く環境を整えて従業員の幸福度を高めることで、企業価値や生産性、人材の定着率の向上を促進させようとする企業が増えています。
そこで、新たな職場環境づくりとして、バイオフィリックデザインが注目を浴びているのです。
内装木質化と組み合わせて過ごしやすいオフィス環境を

DAIKENでは、木材を活かした空間づくりの追及の一環で、内装木質化の効果検証を行っています。2022年には、実際のシェアオフィスの個室を利用して内装木質化による効果を検証したところ、木質化した個室の方が好まれる傾向があることや、採用する樹種によっても受ける印象や、そこで過ごす人の疲労感への影響が異なる可能性が確認できました。
※詳しくは下記ページをご参照ください。
オフィスにおいてバイオフィリックデザインを採用した場合、自然要素と触れ合うことでのストレス解消や幸福感を高める効果を期待できるほか、あわせて内装木質化で木質意匠を取り入れることで、生産性向上の可能性も秘めています。働きやすいオフィス環境づくりのために、一度採用を検討してみてはいかがでしょうか。
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