オフィスの壁にこだわるメリットは?壁材を選ぶポイント

※掲載している画像は、記事の内容をわかりやすくするイメージであり、実在する製品や実現するものとは異なる場合があります。
オフィスの壁は、単なる空間の仕切りや装飾にとどまらず、従業員の働きやすさや企業のイメージに大きな影響を与える重要な要素です。壁材の種類やデザイン、色合いを工夫することで、オフィス環境をより快適で魅力的なものに変えられます。
本記事では、壁材を選ぶ上での機能性やデザインのポイント、色がもたらす心理的効果を交えながら、オフィスの壁材選定に役立つさまざまな情報をご紹介します。
オフィスに使用される壁の種類
テナントビルにオフィスを構える場合、居抜き物件でない限りは間仕切壁などが取り払われた大きな箱のような状態で引き渡されます。そのため、入居する際は、新たにテナント側で間仕切壁を設置してスペースを分けていく必要があるのです。
オフィスに使用される間仕切壁には、大きく分けて「造作壁」と「パーテーション」の2種類があります。それぞれの特徴を理解し、用途や目的に応じて選択しましょう。
●造作壁
造作壁は、木や軽量鉄骨(LGS)で骨組みを作り、その上に石膏ボードを貼り付けたものを指します。造作壁は、仕上材の選択肢が多く、壁紙や塗装、タイル、板などデザインの自由度が高い点が特徴です。パーテーションに比べると、遮音性にも優れており、応接室や社長室、特に集中して業務をしたいスペースなどに適しています。ただし造作壁は、設置後の壁の移動がしにくく、施工に時間がかかるため、レイアウト変更が少ないオフィスに向いています。
●パーテーション
パーテーションは、衝立とも呼ばれる空間を簡易的に区切るための壁です。アルミ製やスチール製、ガラス製などの製品があります。大空間をブースのように間仕切るのではなく、床から天井まで壁のように仕切ることが可能です。造作壁に比べて、設置や移動が容易で、レイアウト変更にも柔軟に対応できます。また、短期間での設置が可能で、コストを抑えやすいというメリットもあります。ただし、遮音性やデザインの自由度は、造作壁より劣るため、利用目的に応じて使い分けることが重要です。
オフィスの壁にこだわるメリット
オフィスの壁は、空間を仕切るだけでなく、デザインにこだわることでさまざまな効果が期待できます。目的に合わせたデザインの壁を選択することで、より良いオフィス環境をつくれるでしょう。
●従業員の生産性や集中力の向上
オフィスの壁の色は、従業員の気分やパフォーマンスに影響を与えます。
・青:集中力を高める効果があり、執務スペースなどに向いている。
・黄色:創造性やポジティブな気分を刺激する。会議室などにアクセントとして取り入れるのがおすすめ。
・ベージュ/ニュートラルカラー(無彩色):落ち着いた印象を与え、長時間の作業でも疲れを感じにくくしてくれる。比較的どのスペースにもマッチする。
また、テーマ性のあるデザインやおしゃれなオフィス内装は、従業員のモチベーション向上につながります。例えば、自然をイメージしたデザインや木材を壁材に取り入れることで、リラックスしながら働けるオフィス空間をつくれるでしょう。
●企業のイメージ向上
壁のデザインは、企業のイメージを構築する上で重要な役割を果たします。エントランスや会議室など、訪問者が目にするエリアの壁をこだわってデザインすることで、ブランディング効果が得られるでしょう。例えば、石目調や金属調の壁材を用いることで、洗練された会社という印象を与える効果が期待できます。また、コーポレートカラーを取り入れた壁材を使用して、企業の理念やブランドイメージを視覚的に表現することで、訪問者や従業員に一貫性のある印象を与えられるでしょう。
オフィスの壁材を選ぶ際のポイント
オフィスの壁材を選ぶ際は、「機能性」「素材・デザイン性」「色合い」に着目しましょう。それぞれどのようなポイントを考慮する必要があるのかも含めて解説します。
●機能性
壁材を選ぶ際には、オフィス特有のニーズに対応した機能性を持つ製品を選択する必要があります。
例えば、多くの人が日々利用するオフィスでは、壁が汚れたり傷ついたりする可能性があります。そこで、汚れや傷に強く日常の清掃が容易な壁材を選ぶことで、きれいなオフィス環境を保ちつつ、長期的に見てコスト削減につながるでしょう。
また、湿気が多い地域や空間では、調湿性のある壁材を使用することで、構造・設備の劣化やカビの発生などを防ぎ、快適な環境を維持することが可能です。
会議室や個室ブースなど、静かな環境が必要となる部屋では、防音性(遮音性・吸音性)が求められます。DAIKENの『遮音パネル18.5』といった遮音下地材を壁に取り入れることで、外部からの騒音を遮りながら、内部の会話が室外に漏れるのを防げます。また、『オトカベF-1』のような吸音性に優れた仕上材を採用するのも効果的です。吸音性の高い壁材を使用することで室内の音の響きを調整し、会話がしやすいオフィスを設計できるでしょう。
居抜きオフィスや既存のオフィスなど、すでに壁が設置されている場合は、後付けできる吸音パネルを活用するのがおすすめです。DAIKENの『OFF TONE(オフトーン)』は吸音性とデザイン性を兼ね備えた吸音パネルで、床面積に合わせて必要枚数を壁面に取り付けることで音の反響を抑えます。
このように、防音性の高い壁材を適切に活用することで、機密性の高い業務やプライバシーを重視する環境に適した設計が可能になります。
加えて、オフィスの壁材は耐火性能にも注目しましょう。非常時の安全性を確保するため、火災に強い製品を採用することで、安心して使用できるオフィス環境を整えられます。
●素材やデザイン性
壁材の素材やデザインは、オフィスの全体的な雰囲気や利用者の心理的な快適さに影響を与えます。
例えば、エントランスや応接室のような訪問者が立ち入る空間では、質感の豊かなデザインを壁に採用することで印象に残りやすくなります。DAIKENの『グラビオエッジ』は、凹凸のあるリアルな素材感が特長の壁材で、木目調やレンガ積み調などデザインのバリエーションが豊富です。

また『グラビオフィットUB』は木目調の壁材で、「オーク柄」や「ウォールナット柄」「パイン柄」など、さまざまな樹種のデザインを用意しています。

選ぶデザインによって高級感やぬくもり感、洗練さなど空間の印象が変わるため、訪問者に対してどのようなイメージを持ってもらいたいかに合わせて選択しましょう。
執務スペースにおいては、集中力を妨げないよう、シンプルで落ち着いたデザインの壁材が求められてきました。しかし、近年はリモートワークと出社を組み合わせた働き方を取り入れる企業が増えており、従業員が「出社したい」と感じるオフィス環境を作る重要性が増してきています。そのため、執務スペースにおいても働く満足度の高い空間をつくるべく、壁に装飾をして華やかさを演出するようなオフィスも見られるようになりました。
装飾の仕方にはさまざまな選択肢がありますが、例えばルーバーのような造作材を壁に取り付けるのも一つの方法です。DAIKENの『グラビオルーバーUS』『グラビオルーバーUB』は、空間に立体感を与え、華やかな印象を作り出せる製品で、さまざまな木目のデザインをラインアップしています。なかでも『グラビオルーバーUS』は、天然木突板を使用しているため、本物の木の風合いを感じることができます。

木材をオフィス空間に使用すると、リラックス効果やストレス軽減の効果を得られることがわかっており、健康的なオフィスづくりにも寄与するでしょう。
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●色合い
前述した通り、壁面の色はオフィスの雰囲気や従業員の心理面に大きな影響を与えます。
白やベージュなどのニュートラルカラーは清潔感があり、どのようなデザインとも調和しやすいため、オフィスの壁にも広く採用されています。ニュートラルカラーは、オフィス内のどの場所にもおすすめですが、特に執務スペースや会議室といった集中力を求められる空間のベースカラーとして採用すると良いでしょう。
一方で、エントランスや応接室などの特定のエリアでは、企業のブランディングを意識した色合いを取り入れるのも効果的です。例えば、会社のコーポレートカラーを壁材に使用することで、企業のアイデンティティを視覚的に表現できます。また、アクセントとして赤や青などのビビッドなカラーを取り入れると、空間にメリハリを与え、訪問者に強い印象を与えることができます。
リフレッシュスペースや休憩室では、オレンジや黄色といった明るい色合いを使用することで、活発な印象を与え、従業員が気分転換をしやすい環境を作ることが可能です。これらの色は、心理的にポジティブな影響を与える効果があるとされており、ストレス軽減やモチベーション向上につながることが期待されます。
用途に応じて適切な色合いを選び、オフィス全体の統一感と快適さを高めましょう。
オフィスの壁にもこだわって理想のオフィス環境を実現しよう
オフィスの壁材選びの際は、機能性、素材・デザイン性、色合いの3つの要素をバランス良く考慮することが重要です。適切な壁材を選ぶことで、オフィスの快適性や美観を向上させ、従業員の働きやすさや企業イメージの向上につなげられます。
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