環境に配慮したエコロジー建築 緑化や地域産材を活用した施設づくり

エコロジー

地球温暖化や自然破壊など環境問題が深刻化するなか、自然環境に配慮した建築デザインがより一層求められるようになっています。
自然環境に配慮しデザインされた建築を「エコロジー建築」と呼びますが、これに似たものに「サステナブル建築」があります。
今回は、建築のデザインにおけるエコロジー性や環境配慮のヒントを探るとともに、エコロジー建築やサステナブル建築とはどのようなものかについてお話しします。
また、エコロジー建築等のコンセプトによる施設づくりの方法もご紹介します。

環境配慮の建築、エコロジー建築とは?

エコロジー建築とは、自然環境に配慮した建築物の総称で、省資源・リサイクル・有害物質の排出を抑制することにより、健康的な住環境の実現を目指しています。
エコロジー建築の実現のため、施工の工夫として行われることは「化石燃料の使用削減」「自然の風や光を活用」「自然素材の建材の活用」などが挙げられます。
またエコロジー建築は、建物だけでなく周囲の環境や生態系の保護にも配慮することが大切です。天然素材を多用する、例えば総ヒノキ住宅のように日本の伝統的建築も木材の生育循環を考えて製材されており、北欧などで提唱されているエコロジー建築とも相通じることといえます。

サステナブル建築とは? エコロジー建築とどう違う?

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サステナブル(Sustainable)はsustain(持続する)にable(~できる)をつなげた言葉で、「持続可能」「ずっと続けていける」という意味を持ちます。
具体的には、将来に向けて地域の気候や伝統、文化、周辺環境との調和を目指しながら生活の質の維持向上ができることや、地球環境、周辺環境、生活環境を持続可能にするために配慮された建築がサステナブル建築となります。
エコロジー建築と同様、環境に優しいことは共通しますが、エコロジー建築は自然環境やリサイクルなどによる健康的な住環境を目指し、サステナブル建築は伝統、文化、生活など社会にも目を向けるという違いがあります。

エコロジー性や環境に配慮した施設づくり

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美しい地球を守りながら維持していくためには、公共レベルから個人レベルに至るまで、エコロジー性や環境に配慮した施設づくりがとても大切です。実際にその観点が配慮された、取り組みを2つご紹介します。

1.建物の屋上や壁面緑化

現在、大都市にある建物の屋上では、壁面緑化の事例が増えています。
ビルや商業施設の緑化は都会の中のオアシスのような印象を受けますが、見た目の美しさもさることながら、環境へも配慮されているすばらしい取り組みといえるでしょう。
建物の屋上や壁面緑化はヒートアイランド現象の緩和や都市空間の美化、そして都市の脱炭素化にも貢献しており、今後益々増加していくことが期待されます。

※参考:国土交通省「魅力的な屋上緑化・壁面緑化事例が増加しています ~令和3年 全国屋上・壁面緑化施工実績調査の結果~

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2.建物に地域産材の建材を活用

日本は山に囲まれている環境から資源豊かな森林を持つ地域がありますが、森の恵みを有効活用できていないケースも存在します。そこで、エコロジー性を活発化させる取り組みとして、公的な建物や住宅への地域産材の建材の活用が挙げられます。
地域産材の建材の活用は、地域の森林環境の保全や防腐剤などの化学物質の使用抑制、輸送にかかる化石燃料の使用削減に貢献してくれるのです。
建物の緑化や地域産材の活用については国や自治体の支援制度があるため、有効活用してみるのもよいでしょう。
また、建材メーカーの中には地域産材の使用に対し自治体や事業者をサポートしてくれる企業もありますので、積極的なアクションを起こすきっかけにもなります。

今、世界では脱炭素や再生可能エネルギーの利用、エコロジー性の向上が提唱され、私たちの住む地球を美しく維持するための取り組みが行われています。
「誰かがやるだろう」「国や自治体に任せよう」という考えではなく、企業や個人レベルでの環境配慮が未来の地球を救うことにつながるのです。

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