
ハイドアとは? 便利な引き戸仕様も! ハイドアのメリットとデメリットを理解しよう
※掲載している画像は、記事の内容をわかりやすくするイメージであり、実在する製品や実現するものとは異なる場合があります。
目次
標準的なドアと比べて天井まで届くような背の高いドアを“ハイドア”と呼びます。ハイドアを取り付けることで部屋の印象や機能性はどのように変わるのでしょうか。
今回は、ハイドアのメリット・デメリットを考えます。あわせて、DAIKENの『ieria(イエリア) リビングドア』もご紹介します。リフォームでインテリアを大きく変えたいとお考えの方は、ぜひ参考にしてください。
ハイドアとは? 標準的なドアとハイドアの高さ
ハイドア(high door)とは名前のとおり、一般的なドアより背の高いドアのことです。
標準的なドアの高さは約2,000mm(2m)ですが、ハイドアの高さは2,400mm以上から、中には2,700mm近いものもあります。ドアの上に“垂れ壁”がなく天井まで高さがあるハイドアは、より開放感を演出します。
これまで、ハイドアはフルオーダーやセミオーダーで製造されていましたが、近年では既製品のハイドアが登場しており、素材やデザインを幅広く選べるようになりました。
ハイドアのメリット

背の高いドアには、どのようなメリットがあるのでしょうか。デザイン性、機能性の両面からハイドアの3つのメリットをご紹介します。
●高級感や洗練された印象でおしゃれな部屋になる
天井まで伸びるハイドアのラインは、空間を縦方向に広く感じさせ、高級感やホテルライクな印象を与えます。
ドアの枠が目立ちにくく、壁とフラットに納まるデザインが多いのもハイドアの特長です。インテリアとの一体感が生まれ、すっきりと洗練された空間に仕上がります。
素材やカラーのバリエーションも豊富なため、モダンやナチュラル、和モダンなど、好みに合わせたスタイルを選べる点も魅力です。
●採光・通風を確保しやすい
採光部があるデザインのハイドアにすれば、光が部屋の奥まで届いて部屋もより明るくなるでしょう。
さらに、高さのあるハイドアは風を通しやすく、快適な室内環境の維持につながります。
●大型家具を搬入しやすい
ハイドアは通常のドアより開口部が大きく、背の高い大型家具や家電の搬入がしやすいこともメリットです。一般的なドアでは搬入しにくいサイズの家具も、ハイドアならスムーズに運び込める可能性があります。また、クローゼットや収納の扉をハイドアにすると、モノの出し入れがしやすくなるでしょう。
ハイドアの種類

ハイドアも一般的なドアと同じく、引き戸や開き戸があります。
●引き戸
引き戸とは、溝やレールを使い、スライド式で左右に開閉する戸を指します。開閉時、前後にスペースを取らないというメリットがあり、省スペース設計に適しています。
一般的なドアより重さのあるハイドアでも、引き戸であればそれほど力を入れずに開閉でき、手を挟んだりするリスクも少ないので、小さなお子様や高齢者がいるご家庭でも扱いやすいかもしれません。
しかし、引き戸は戸を引き込むスペースを確保しなければならず、さらに引き込み部分にはコンセントの設置などができなくなる点にも注意が必要です。
また、密閉性や防音性がやや低いといったデメリットもあります。
●開き戸
開き戸は、前後に開閉する一般的なドアのことです。開き戸は開閉時の動作がしっかりしているため、気密性や遮音性を求める空間に適しています。
しかし、開き戸は開けた際に別の動線にかかるケースも考えられます。収納のように開けたまま使う機会が多い場所では引き戸のほうが使いやすいかもしれません。また、ドアを開けた状態で維持するドアストッパーも設置すると便利です。
ハイドアを検討する場合は、それぞれのメリット・デメリットを考慮して、ご自宅の間取りや内装に合わせて選びましょう。
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ハイドアにおすすめの場所は

ハイドアの設置場所としておすすめしたい3つの場所と、それぞれに適したドア選びのポイントをご紹介します。場所に合わせてハイドアを上手に取り入れ、便利でおしゃれな間取りを実現しましょう。
●リビング
リビングに背の高いハイドアを設置すると、天井まで視線が抜けて広く明るい印象になります。リビングは家族やお客様が集まる中心的な空間になっている場合も多く、開放感やデザイン性を意識した演出としてハイドアは適しているといえるでしょう。
ドアの存在感を活かしたデザインはインテリアのアクセントになり、壁と一体化したデザインであれば部屋を広くモダンに演出できます。
●玄関ホール
玄関ホールは住まいの第一印象を決める大切な場所です。ハイドアの開き戸は空間をダイナミックに見せる演出がしやすいため、高級感や重厚感を出すためにも、玄関スペースに余裕があればハイドアを取り入れてみましょう。特に天井が高い玄関では、ドアと天井の間に余白をつくらないようにすると、より明るく開放的な玄関になります。
●収納・パントリー
収納スペースやパントリーにハイドアを使うと、生活感を抑えたスタイリッシュな空間に整いやすくなります。扉のデザインを壁面と一体化させれば、扉の存在感が控えめになってインテリアの統一感を保てます。見せたくないものをスマートにカバーしつつ、デザイン性も損ないません。
扉を開けるスペースが限られている場合は、動線を妨げないよう、引き戸にするのがおすすめです。
ハイドアのデメリット・注意点
機能性にもデザイン性にもすぐれたハイドアですが、取り付けにあたっては注意点もあります。ハイドアの特性を理解し、計画段階からしっかりとドアの仕様をチェックして選びましょう。
●コスト
ハイドアは、高さの分、材料費が一般的なドアよりかかる傾向があります。
また、上部の壁を壊し、元のものより重いドアを取り付けるため、壁の補強が必要になる場合もあります。
高さがあるハイドアならではの施工の手間や費用も想定し、計画を立てると安心です。
●重さ
高さがあるハイドアは、開閉時に重さを感じる可能性があることも考慮したいポイントです。軽く触れるだけでドアの開け閉めができるレバーハンドルや、静かに閉まるソフトクローズ機能があるとよいでしょう。

●圧迫感がある場合も
ハイドアは、空間の広がりを縦方向に感じやすい一方で、設置場所やデザイン、部屋の広さ、天井の高さによっては圧迫感を生じてしまうケースもあります。
壁と同じトーンのドアを選んで部屋全体に統一感を持たせたり、素材や色選びを工夫して開放感を演出したりするのもおすすめです。
インテリアをおしゃれに見せる装飾についてはこちらでご紹介しています。
関連記事⇒「モールディングとは? 壁や腰壁、室内ドアなどを格調高く演出する装飾に注目」
開放感のあるインテリアに 『イエリア リビングドア 二方枠ドア』『イエリア リビングドア 天井付け吊戸』

●『ieria(イエリア) リビングドア 二方枠ドア』

開放感のあるインテリアにおすすめなのが、DAIKENの『ieria(イエリア) リビングドア』シリーズです。
『イエリア リビングドア 二方枠ドア』は上枠がないハイドアで、壁との一体感や広々とした空間を演出します。
●『ieria(イエリア) リビングドア アウトセット吊戸・片引 天井付け吊戸』

『イエリア リビングドア アウトセット吊戸・片引 天井付け吊戸』は、天井ボード(仕上げ後)に吊戸用の上レールを取り付けて設置するドアで、扉の高さは2,478mmまでサイズオーダー可能です。引き戸でありながら、床面は敷居がなくフラットな仕上がりで、よりスタイリッシュな印象を実現します。
どちらも、高さのある空間を活かしつつ、モダンで洗練された住まいを演出します。シンプルかつ上質な空間づくりを目指す際に、取り入れてみてはいかがでしょうか。
まとめ
天井まで届く高さのハイドアは、住空間に開放感や高級感をプラスします。
リビングや玄関ホール、収納スペースなど、空間全体の印象を大きく変えるため、メリット・デメリットを踏まえたうえで、住まいの用途やライフスタイルに合わせて選びたいものです。
より洗練された空間を目指すなら、DAIKENの『ieria(イエリア)』シリーズもおすすめです。設計の段階からドアの種類を検討し、理想のインテリアを実現してください。
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監修者
志鎌のり子(しかまのりこ)
一般社団法人日本模様替え協会 理事/COLLINO一級建築士事務所代表。日本女子大学住居学科卒業、五洋建設でマンション・ビルの設計監理/内装デザインを10年担当。その後、日本ERIにて住宅検査など10年担当、設計・検査・審査した住戸数は延べ5,000件以上にのぼる。現在は部屋を「機能による空間分け」「動線」「収納」の観点から模様替えする独自のメソッドにより、機能的な部屋づくり/仕組みづくりなどを提案。書籍「家具配置のルール」のほかSUUMO、AERAwithKids、建築知識ビルダーズ、住まいの設計など著書多数。
保有資格:模様替えアドバイザー 一級建築士 建築基準適合判定資格者 住宅性能評価員 建物耐震診断士 フラット35適合証明検査員 など