
パントリーとは? 設置するメリット・デメリットと種類 キッチン背面収納の便利な活用法など
快適な生活を送るためには、食材やキッチン用品などの生活用品は欠かせません。子育て中や共働きなど、多忙でなかなか買い物に行けない人が多い現代では、買い物に行く手間を省くためにも食材や消耗品などのストックが必要でしょう。常にストックがあれば、非常食として災害時にも役立ちます。そこで本記事では、食材や調理器具などを収納するパントリーについてご紹介します。
パントリーとは
そもそもパントリーとはどのようなものなのでしょうか。
パントリーとは、食品、飲み物、災害用の非常食、キッチン用品など、色々な品物を保存しておける収納スペースのことです。帰宅してすぐ収納できるように玄関近くに設置したものや、キッチンと隣接して設置するもの、キッチン調理スペースに設置するものまで、様々なタイプがあります。
●パントリーの意味

パントリーは、英語で“pantry”と表記し、食料貯蔵室という意味です。その語源はラテン語でパンを表す“panis”や、古フランス語でパンや乾燥食品などの保管場所を表す“paneterie”からきています。
パントリーを設置するメリット・デメリット

パントリーを設置することには、多くのメリットといくつかのデメリットがあります。
それぞれについて解説します。
●パントリー設置のメリット
・効率的に収納ができる
食材やキッチン用品をまとめて収納することで、必要なものを見つけやすくなります。日常的に使用するものは取り出しやすいように棚の中央付近に、使用頻度が少ないものは棚の上部に、といった感じに分けて収納すると、キッチンもすっきりし調理作業がはかどるでしょう。
・在庫の管理がしやすい
扉のないオープン収納にすれば、食材のストック状況がすぐにわかります。在庫の管理がしやすくなるので、重複購入や食品の賞味期限切れを減らせます。
・大量の食材を保管できる
パントリーは一般的なキッチン収納に比べて、多くの収納スペースを確保できます。例えば箱買いの飲料水やお米はもちろん、缶詰やレトルト食品などの保存食も収納可能です。防災備蓄品として大量の食材をストックしておけば、災害や台風発生などの緊急事態の備えにもなります。広さによっては、2台目の冷蔵庫や冷凍庫を設置することもできるため、冷蔵冷凍食品などのストックもしやすくなるでしょう。
●パントリー設置のデメリット
・コストがかかる
パントリーを設置するには、収納家具やコンセントの設置など、初期費用がかかります。また、換気が不十分な場合、湿気によってカビが発生し、食品が傷みやすくなります。そのため、換気窓や換気扇などの設置が必要になります。
・スペースの確保が必要
パントリーをつくるためには、ある程度のスペースが必要になります。そのためには、キッチンやその他のスペースを狭くする必要が出てきます。しかし、その結果キッチンなどが使いづらくなる可能性もありますので事前によく検討しましょう。
・家事動線が長く疲れる
設置場所が悪いパントリーの場合、家事動線が長くなり余計な手間が生じます。そのため、家事動線が長くならないように考慮してパントリーの設置場所を決めましょう。
家事動線を考えたパントリーの間取り・活用法
このように設置メリットが大きいパントリーですが、家事動線が悪くなるとかえって家事がしにくくなってしまいます。そこで家事動線を考えたパントリーの例をご紹介しましょう。
●パントリーを設置する際は家事動線を考えて
・キッチンの隣にパントリーを設置した間取り

キッチンの隣にパントリーを設置した間取りです。パントリーの広さは2畳程度でも、収納棚をL型に設置することで大容量収納が実現します。

キッチンの隣にパントリーがあるため、家事動線が短く、料理をする際はすぐに食材を取りに行けます。またリビング・ダイニングからも近いため、お菓子や飲み物も取りに行きやすい配置です。
この間取りの場合は洗面室もパントリーに近いため、洗剤やトイレットペーパーなど、場所をとる日用品のストックもパントリーに置くことができます。
・玄関からキッチンに向かう動線の途中にあるパントリー

キッチンの隣に広めのパントリーを設置しています。パントリーの広さが3畳あれば、セカンド冷蔵庫などを置くことができます。また玄関からキッチンに向かう動線の途中にパントリーがあると、買い物から帰宅して、直接食材などをパントリーに収納できます。収納棚をI型に対面して設置すると、物を取り出しやすく、スムーズな動線を確保できます。
●キッチンの背面収納として便利に活用

パントリーを設置できない場合やマンションなどの場合は、キッチンの背面に収納棚を設置してパントリーとして使う方法もあります。 扉がないので物の管理もしやすく便利です。
シンプルで使いやすいパントリーをつくる!『内部ユニット FiTIO』
ここからはパントリーとしておすすめしたい製品をご紹介します。
●おすすめはシンプルで在庫を把握しやすいパントリー
パントリー収納は、基本的には扉のないオープン収納を選びましょう。扉を付けると埃などはつきにくくなる一方で、湿気がたまりやすくカビが発生する原因となってしまいます。また扉があることで、在庫が把握しにくくなったり、取り出しにくくなることもデメリットです。
そのため、高さを変えられる可変棚を使ったシンプルな収納がおすすめです。また食材などのストックは、中身がわかる透明のケースなどにいれて取り出しやすくなるように工夫をしましょう。
パントリーのオープン収納におすすめなものがDAIKENの『内部ユニット FiTIO(フィティオ)』です。
シンプルで使いやすく、リーズナブルな収納ユニットのため、パントリーだけでなく、クローゼットや押し入れの収納、玄関や洗面室の収納も増やすこともできます。ではその豊富なラインアップをご紹介しましょう。
●『FiTIO(フィティオ) 側面棚柱タイプ』
『FiTIO(フィティオ) 側面棚柱タイプ』は、側面の壁に棚柱を取り付けて板を設置する収納ユニットで、高さは天井高付近まで収納スペースを確保できるH1945プランのほか、H1750・H845の3種類から選べます。
・パントリーI型プラン
収納が1列に並んだI型プランです。

・パントリーL型プラン
収納をL字にまとめたプランです。

●FiTIO(フィティオ) 背面棚柱タイプ
『FiTIO(フィティオ) 背面棚柱タイプ』は、背面の壁に棚柱を取り付けて棚板を設置する収納ユニットで、豊富な収納力と機能性を備えています。
・パントリーL型プラン プランA プランB


・キッチンプラン

まとめ
パントリーを設置する場合は、間取りから家事動線を考えて配置することが大切です。またコストもかかるので、その必要性をよく考えて検討しましょう。
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監修者
志鎌のり子(しかまのりこ)
一般社団法人日本模様替え協会 理事/COLLINO一級建築士事務所代表。日本女子大学住居学科卒業、五洋建設でマンション・ビルの設計監理/内装デザインを10年担当。その後、日本ERIにて住宅検査など10年担当、設計・検査・審査した住戸数は延べ5,000件以上にのぼる。現在は部屋を「機能による空間分け」「動線」「収納」の観点から模様替えする独自のメソッドにより、機能的な部屋づくり/仕組みづくりなどを提案。書籍「家具配置のルール」のほかSUUMO、AERAwithKids、建築知識ビルダーズ、住まいの設計など著書多数。
保有資格:模様替えアドバイザー 一級建築士 建築基準適合判定資格者 住宅性能評価員 建物耐震診断士 フラット35適合証明検査員 など