
縦長リビングレイアウトのポイント メリットやデメリットと家具配置のコツ
目次
縦長リビングのレイアウトをする際には、事前にメリットとデメリットを理解しておきたいところです。本記事では、縦長リビングの活用法や家具配置のコツ、レイアウトのポイントなどについてご紹介します。
縦長リビングのメリット

(代表的な縦長リビングの間取りcollino−interior)
キッチンとリビングダイニングが縦につながる縦長リビングは、その形状ならではの様々なメリットがあります。
●奥行きがある
縦長リビングの大きな特徴は、奥行きのある空間をつくりやすい点です。縦に長い形状は部屋の奥行きを活かしたインテリアデザインが可能で、視覚的に広がりを感じられるのがメリットとなります。ダイニングから離れた場所にリビングゾーンを配置してテレビやソファを置くなど、ダイニングゾーンとリビングゾーンを分けやすい点も注目ポイントです。
●壁面を広く使える
収納やディスプレイのスペースとして、壁面を広く使える点も縦長リビングのメリットとして挙げられます。絵画や家族写真、飾り棚などを効果的に配置し、個性を表現しましょう。また、壁掛けテレビや本棚を設置すると限られたスペースを最大限に利用しつつ、整理整頓された印象になります。
●家具を置きやすい
壁面が広く、比較的家具を置きやすい点も縦長リビングのメリットといえます。横長リビングなどと比べ、窓が少なく壁が長い傾向にあるため、壁に沿わせて様々な家具を配置できます。
●隣接する部屋を活用しやすい
縦長の配置は、隣接する部屋を活用しやすいというメリットもあります。扉を開けて部屋同士を連結させれば、生活動線を途切れさせずに自然に移動できる快適な空間となります。例えば、リビングの隣に書斎や趣味の部屋がある場合、それらをスムーズにつなぐことができます。
また、来客時には扉を閉めてプライベートスペースを隠せる点も便利です。
縦長リビングのデメリット
このように、縦長リビングにはメリットが多いのですが、その特性ゆえにいくつかのデメリットも考慮する必要があります。縦長リビングのデメリットを具体的に解説します。
●窓から入る光が奥まで届かない場合がある
多くの縦長リビングは、建物の形状や隣接する部屋の配置によって、窓が短辺にしか設けられないケースがあります。このような場合、窓からの自然光が部屋の奥まで届きにくく、暗くなりがちです。日当たりの不十分な位置に窓がある場合は、照明を使う頻度が増えて電気代が高くなるかもしれません。
●圧迫感が出やすい
縦長リビングは狭い幅に対して奥行きがあるため、特に天井が低い場合に部屋が狭く感じられることがあります。圧迫感が強いと、くつろぎの場であるはずのリビングがリラックスできない空間になってしまうかもしれません。
縦長リビングに家具を配置する際のコツ

縦長リビングのメリット・デメリットをご紹介しましたが、家具の配置を工夫すれば快適で美しい空間になります。ここでは、縦長リビングにおける家具の配置のコツについて詳しく解説します。
●テレビとソファの位置を決める
縦長リビングでのテレビとソファの配置は、空間のバランスを取る上で重要なポイントとなります。テレビはアンテナ端子の近くや視線が自然に集まる壁面に設置するのが一般的ですが、ソファはテレビに対してまっすぐ配置するのが姿勢を正しく保つ上でも重要です。広さに余裕がある場合はL字型に配置すると、リラックススペースを演出できます。
●ダイニングテーブルの配置を考える
ダイニングテーブルは、リビングと調和の取れる配置が求められます。縦長の空間を活かした配置としておすすめしたいのが、キッチン側に寄せたダイニングテーブルの配置です。食事の時間とリビングでのくつろぎの時間、どちらもお互い干渉することなく楽しめるでしょう。
そのほかにも、ダイニングテーブルを窓際に配置すると自然光を取り入れられるので、明るい食事空間を演出できます。また、エリアごとにラグを敷いたり、照明を分けたりすることで、視覚的な空間分けも効果的にできます。
●背の高い家具は置く場所に注意する
背の高い家具は元々圧迫感を与えがちですが、縦長リビングでは横幅が狭いため、より視線を遮り強い圧迫感を受けやすくなります。できるだけ背の低い家具を選びたいところですが、どうしても背の高い家具を置きたい場合は部屋の中心に近い部分は避け、部屋の角や入口側の横の壁に設置しましょう。なお、部屋の中心で背の高い家具を間仕切りとして使用すると、リビング全体の開放感を損なうおそれがあります。空間を間仕切りしたい場合は、背の低いキャビネットやオープンシェルフなどを使って視線を遮らずに区切りましょう。
縦長リビングのレイアウトを考える際のポイント

縦長リビングのレイアウトを考えることは、住空間を快適かつ機能的にするための重要なステップです。具体的なレイアウトのポイントをさらに詳しく見ていきましょう。
●視線を意識する
縦長リビングのレイアウトを決める際、視線の流れを意識すると良いでしょう。部屋の長手方向に視線が集中するよう、家具やインテリアを配置するのがおすすめです。例えば、視線の先にアートや観葉植物を配置すると、視覚的なアクセントになるとともに空間に奥行き感を生み出すことができます。
●採光・照明を考える
縦長リビングでは、光の取り入れ方が重要です。窓から入る光を効率よく拡散させるために、白い壁にしたり明るい色の家具を使ったりすると良いでしょう。窓からの光が届きにくい場所は、照明を使って明るさを補いましょう。
●壁や扉を撤去して間取りを変更する
隣接する居室との間にある壁や扉を一部撤去するなどの間取りの変更も方法の1つです。オープンな空間にすることで、広がりを感じられるリビングになるでしょう。ただし、リフォーム費用のほか、耐震性も考慮して計画する必要があります。
●収納場所も考慮する
縦長リビングでは、収納スペースの確保も重要なポイントです。壁面を活用し、効率的な収納を設けると良いでしょう。例えば、壁に沿って造り付けの棚を設置すると、空間を無駄なく使用しながら収納力を高められます。引き戸やスライドドアの収納を使うことで、開閉時のスペースも節約でき、一層広い印象を与えることができます。リビングに溶け込んでインテリアとしての美しさも損なわないデザインの収納なら、生活感を抑えて縦長リビングをおしゃれに演出してくれるでしょう。
縦長リビングで空間を確保しながら収納を増やす『カベピタ 壁厚収納』

奥行きがあり、壁面を活用しやすい縦長リビングにおいて、空間の広さを確保しつつ収納を増やしたいというニーズに応えた製品が、DAIKENの『カベピタ 壁厚収納』です。
『カベピタ 壁厚収納』の特長は、空間をひろびろと利用しながら収納力の強化をしてリビング内の整理整頓を実現する点にあります。多くの家庭ではリビングの収納スペース不足が悩みですが、室内の壁厚を利用して収納を設置できるので、生活スペースをあまり変えずに収納量を増やせる可能性があります。
さらに、リビングだけでなくダイニングや廊下、サニタリーなど様々な住空間に対応できる豊富なラインアップがあり、すぐれた収納力をスマートに実現できます。
まとめ
縦長リビングは、奥行きを活かしたレイアウトや家具の配置次第で快適な空間にすることが可能です。採光や圧迫感に注意が必要ですが、工夫次第でこれらをカバーできます。『カベピタ 壁厚収納』のような製品を活用し、収納スペースを増やしながらお部屋をすっきりさせましょう。
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監修者
志鎌のり子(しかまのりこ)
一般社団法人日本模様替え協会 理事/COLLINO一級建築士事務所代表。日本女子大学住居学科卒業、五洋建設でマンション・ビルの設計監理/内装デザインを10年担当。その後、日本ERIにて住宅検査など10年担当、設計・検査・審査した住戸数は延べ5,000件以上にのぼる。現在は部屋を「機能による空間分け」「動線」「収納」の観点から模様替えする独自のメソッドにより、機能的な部屋づくり/仕組みづくりなどを提案。書籍「家具配置のルール」のほかSUUMO、AERAwithKids、建築知識ビルダーズ、住まいの設計など著書多数。
保有資格:模様替えアドバイザー 一級建築士 建築基準適合判定資格者 住宅性能評価員 建物耐震診断士 フラット35適合証明検査員 など