羽目板とはどのような建材?設計に取り入れるメリット・デメリット

※掲載している画像は、記事の内容をわかりやすくするイメージであり、実在する製品や実現するものとは異なる場合があります。
木の温もりを感じられる仕上材として、「羽目板」が注目されています。特に和風建築やナチュラルテイストの空間づくりにおいて、意匠性を高めつつ快適性の向上を見込める建材として人気です。
本記事では、羽目板の基本的な特徴や設計に取り入れる際の注意点などを解説します。おすすめの羽目板や具体的な使用例も取り上げているため、ぜひ設計の参考にしてください。
羽目板とは
羽目板の特徴やフローリングとの違いについて解説します。設計の幅を広げるために、まずは基本的な知識について理解を深めましょう。
●羽目板の特徴
羽目板とは、屋内外の壁や天井(軒天)などに使用される仕上げ用の板材です。板を一定の間隔やパターンで張り合わせることで、空間にリズムや意匠性が生まれます。
羽目板の張り方には、板を縦方向に張る「縦羽目」と、横方向に張る「横羽目」があります。使用する木材や加工方法によって風合いが異なり、空間に自然素材ならではの温かみを演出できます。
●フローリングとの違い
羽目板とフローリングでは、用途が異なります。フローリングは主に床材として使用されるのに対し、羽目板は壁や天井などの仕上材として用いられる点が大きな違いです。
羽目板は装飾性を重視しており、空間にデザイン的なアクセントを加える目的で採用されるケースが多いです。素材感はフローリングと似ていますが、羽目板が床材として使用されることはほとんどありません。
羽目板を使用するメリットやデメリット
ここでは、羽目板を使用するメリットやデメリットについて整理します。設計時には空間の用途や目的に応じて、適した方法を使い分けましょう。
●羽目板を使用するメリット
空間のアクセントになる
羽目板を使用することで、木目の美しさが空間のアクセントとなり、デザイン性が向上します。空間に温かみや自然の風合いを加えることができるため、部屋に入った時に印象に残りやすくなります。
木材ならではの特性を活用できる
木材にはリラックス効果や調湿作用といった機能があり、室内環境の快適性を高める効果が見込めます。こうした快適性は経済的な効果にもつながり、例えば店舗であれば集客力や滞在時間の向上、オフィスでは企業のブランディングや従業員の生産性向上といった効果が期待できます。
●羽目板を使用するデメリット
定期的にメンテナンスが必要になる
羽目板は本物の木材を使用している製品が多く、水分や湿気、汚れに弱いという特徴があります。時間の経過とともに色あせや劣化が生じやすいため、見た目の美しさを保つには定期的なメンテナンスが欠かせません。汚れの拭き取りや塗装の再施工といった適切なお手入れをすることで、羽目板本来の風合いや質感を維持する必要があります。
加えて、天井や壁の高い位置を手入れするには足場を用意する必要があります。高さによっては、危険が伴うため業者に依頼することになるかもしれません。業者にメンテナンスを委託する場合はコストがかかるため、設計段階で維持保全にどれくらいの手間やコストがかかるのかを見積もり、建築主に説明するようにしましょう。
火気に弱い
羽目板の主材料である木材は、一般的に可燃性が高く、火気に弱いという特性があります。そのため、厨房や機械室などの火気を使用する空間、あるいは一定の防火性能が求められる場所では、安全面の観点から使用が制限される場合があります。
こうした空間で羽目板を採用する場合には、不燃塗装が施された製品や、基材に燃えにくい素材を用いた製品を選ぶことが重要です。例えば、DAIKENの『グラビオ羽目板V』は、木目の美しさを再現しながら、基材に『ダイライト』という不燃材料を使用しているため、一定の防火性能が求められる場所へも採用が可能です。
施設での羽目板の使用例
ここでは、施設で羽目板が使用されている事例をご紹介します。デザイン性と性能を両立させることで、快適な空間を作り出しましょう。
※製品は採用当時のものです。生産中止品も掲載されている場合があります。
●幸田町役場食堂/愛知県

【使用製品】
天井材:グラビオ羽目板V<クリアベージュ柄>
壁材:グラビオUB<ミルベージュ柄>
●中津川市ひと・まちテラス/岐阜県

【使用製品】
壁材:グラビオ羽目板V<クリアベージュ柄>
床材:コミュニケーションタフⅡ DW(地域産材対応突板)<中津川市産檜>
 

【使用製品】
天井材:ダイライト軒天羽目板<トープグレー柄>

【使用製品】
軒天井材:ダイライト軒天羽目板<ダルブラウン柄>
 

【使用製品】
天井材:グラビオ羽目板V<ダルブラウン柄>
施工:株式会社東海・ビルド
羽目板を活用して温かみのある高意匠な空間を実現しよう
羽目板は主に壁や天井に使用される仕上材で、住宅や非住宅を問わず幅広い建築物で採用されています。木目の美しさが空間のアクセントとなり、意匠性や快適性の向上が見込める点が魅力です。使用する場所によって使える製品に制限があることもあり、例えば防火性が求められる場所では、不燃性能を備えた製品を選ぶ必要があります。
DAIKENでは、防火性能が求められる場所にも採用できる製品を数多く扱っています。意匠性にも優れており、機能性とデザインを両立させたい場合は選択肢の一つとしてご検討ください。製品に興味を持たれた方は、ぜひ資料をご請求ください。
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