ウェルビーイングを取り入れたオフィスを実現する方法

ウェルビーイング オフィス

※掲載している画像は、記事の内容をわかりやすくするイメージであり、実在する製品や実現するものとは異なる場合があります。

近年、オフィスでの快適性に重点を置く「ウェルビーイングなオフィス環境」のニーズが高まっています。ウェルビーイングなオフィスを実現することが、働く従業員や企業イメージなどにポジティブな影響をもたらすと考えられているためです。こうした背景から、建築士や設計関係者にも、ウェルビーイングを意識した設計を行うことが求められています。

そこで本記事では、ウェルビーイングなオフィスをつくるための具体的な設計ポイントについてご紹介します。

ウェルビーイングとは

働き方改革や健康経営の推進などの社会的な取り組みを背景として、「ウェルビーイング(well-being)」の考え方を取り入れたオフィス設計が注目を集めています。ウェルビーイングとは、「身体的・精神的・社会的に健康な状態」を指し、特にオフィス環境においては、従業員のQOL(クオリティ・オブ・ライフ=生活の質)の向上を目的として取り入れられています。

ウェルビーイングを重視した快適なオフィスづくりをすることで、従業員のストレスの軽減や集中力の向上につながります。また、企業にとっても業績の向上や定着率の改善、企業イメージへのポジティブな影響などの効果を得られるため、ウェルビーイングなオフィスづくりは、従業員と企業の双方にとってメリットの多い取り組みと言えるでしょう。
参考:「世界保健機関憲章」(厚生労働省)

ウェルビーイングなオフィス環境をつくる方法

ウェルビーイングなオフィス環境は、従業員の心身の健康を支え、働く満足度やエンゲージメントの向上につながります。ここでは、ウェルビーイングなオフィスをつくるための具体的な設計方法についてご紹介します。

●自然素材の活用

バイオフィリックデザインを取り入れて、自然とのつながりを感じられるオフィス空間をつくることは、従業員の心身のリフレッシュ効果があるとされています。

そもそも「バイオフィリックデザイン」とは、植物や自然光、木材といった自然要素を空間に取り入れる設計手法です。人間には、本能的に自然とのつながりを求める欲求が備わっているとも言われており、木材等の自然素材を使った内装は、視覚的な癒しとともにリラックス効果をもたらすことが期待されます。これにより、従業員のストレス軽減や集中力向上が見込めるのです。

内装の木質化を図るには、『コミュニケーションタフ バイオリーフ DW(地域産材対応突板)』や『グラビオルーバーUS』といった木材を使用した床材・造作材の活用がおすすめです。多様な樹種のバリエーションがあるため、理想とするオフィスの雰囲気に応じて選択できます。

⇒「バイオフィリアとは? オフィスで自然を感じられるバイオフィリックデザインの魅力

●照明や自然光の活用

オフィスでは、適切な明るさを確保することが重要です。調光可能な照明を採用すれば、業務内容や時間帯に応じた柔軟な照度調整が可能になり、作業効率を高められます。また「タスク・アンビエント照明(※)」に基づいたメリハリのある照明計画なら、過ごしやすく快適なオフィス環境が実現します。

そして、人工照明だけに頼らず窓から自然光を取り入れる工夫を行うことも、快適性に貢献します。体内リズムを整えられる環境にすることで、快適性を向上させましょう。
※タスク・アンビエント照明:作業する場所とその周辺をバランスよく照らす照明手法。

●温湿度の調整

空調機器だけに頼らず、温湿度を空間全体で調整する工夫も大切です。例えば、調湿作用のある観葉植物や壁材などを活用することで、快適な空気環境を維持しやすくなります。これにより、従業員の心理面に好影響をもたらし、仕事の効率も向上します。

●コミュニケーションを取りやすい空間設計

従業員間のコミュニケーションを促進する空間設計は、チームの連携や創造性を活性化させます。例えば、フリーアドレスデスクやカフェテリアの設置は、柔軟な働き方を実現すると同時に、自然な対話が生まれやすい場となります。また、リラックスできる休憩スペースを併設することで、職場環境全体の満足度が向上するでしょう。

●集中して作業できるスペースの確保

オフィスでは、個々の従業員が集中して作業できる環境を用意することも重要です。個室ブースや静かな作業スペースを設けることで、雑音や他の従業員からの干渉を防ぎ、集中力を保てる環境を整えましょう。こうしたスペースは、特にクリエイティブな業務や分析業務を行う企業において効果的です。

●防音性の高い空間づくり

執務スペースでは、周囲の雑音を軽減し、静かな環境を保つ必要があります。一方で会議室では、外部への音漏れや室内での音の反響を防ぎ、休憩スペースでは静寂を確保するなど、用途ごとの防音対策が必要です。

そのためには、防音性の高い下地材や、天井・壁への防音材の設置が効果的です。こうした工夫により、オフィスでの音問題を軽減し、職場全体の快適性が向上します。オフィスの防音対策としては、音の反響を抑える吸音壁材『オトカベF-1』や吸音パネル『OFF TONE(オフトーン)』、音漏れを軽減する遮音下地材『遮音パネル18.5』といった製品の採用がおすすめです。

ウェルビーイングなオフィス環境づくりのために防音製品を採用した事例について、下記の記事で具体的な取り組みや効果についてまとめています。気になる方はぜひご覧ください。

⇒「音環境ソリューションでWell-Beingな空間を実現 パナソニックのライブオフィス

オフィスのウェルビーイングを実現する設計のポイント

ここでは、ウェルビーイングなオフィスを実現する設計のポイントをご紹介します。快適なオフィス環境を整えるために、ぜひ設計時に意識してみてください。

●従業員目線で考える

従業員にとって働きやすい環境を整えることが、ウェルビーイングなオフィスの基本です。多様な働き方を尊重して、フリーアドレスデスクやテレワーク対応のスペースを設けるなど、個々が希望する働き方に対応できる設計が求められます。

こうした設計は、生産性の向上だけでなく、従業員の満足度を高め、離職率を低下させる効果が期待できます。計画段階で、建築主に従業員の意見を収集してもらい、オフィスの設計に反映させましょう。

●他社事例を参考にする

設計においては、ウェルビーイングなオフィスを実現した企業の事例を参考にすることで、設計アイデアを具体化できます。さらに、建築主に提案する際に他社の成功事例を交えて説明することで、納得感を高められるでしょう。事例はインターネット上で数多く公開されているため、日頃から情報収集をしておくことがおすすめです。

内装の工夫でウェルビーイングなオフィスに

ウェルビーイングなオフィスづくりは、企業にとって持続可能な成長と従業員の幸福を両立する重要な取り組みであり、今後もさらなる広がりが期待されます。そのため、建築士や設計関係者は、ウェルビーイングなオフィスを実現するための設計方法について知識を深めていく必要があります。

本記事では、その具体例として内装への自然素材の採用や照明・自然光の活用、防音性の確保などの設計アイデアについて取り上げました。ウェルビーイングなオフィスづくりの参考としてお役立てください。

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