DEIとは? 企業のオフィスでダイバーシティ・エクイティ・インクルージョンを推進!

多様性という言葉が浸透したことで、企業にもD&IやDEIの考え方が広まっています。
スタッフの多様性や公平性を尊重・配慮し、一体感を持って働ける環境を整えることは、変化の激しい時代において重要な経営戦略の一つです。この記事では、DEIを推進するために、注意すべきポイントや職場環境の整備について解説します。
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D&Iを発展させたDEI(ダイバーシティ・エクイティ・インクルージョン)とは

D&Iとは、Diversity(ダイバーシティ:多様性)&Inclusion(インクルージョン:包括性。インクルーシブの名詞)の略で、性別や国籍、宗教、障がいを持つ人など、多様な人材が組織に所属している状態を指します。
近年では、このD&Iに「Equity(エクイティ:公平性)」をプラスしたDEIという考え方が広がりを見せています。
ここで重要なのは、平等(Equality)ではなく公平(Equity)であるという点です。
平等は「みんなが等しい」ことを指しますが、公平は「偏りがない」ということです。

スタッフの偏りをなくし、バランスの取れた状態にするには、機会を平等に与えるのではなく、能力を発揮するための配慮をすることが必要です。
それぞれの能力を最大限に発揮できる環境を整えることは、生産性が高まる、新しいプロダクトが生まれるなど、企業にもメリットをもたらします。今後の企業にとって、DEIの推進は欠かせない要素といえるでしょう。
DEIを推進するために注意すべきポイント

2021年に経済産業省が公表した「多様な人材の活躍を実現するために」のリーフレットによると、ダイバーシティ経営に取り組んでいる企業は、そうでない企業に比べて正社員全体の定着率や、仕事に対する意欲が10%以上も高くなっています。
多様なスタッフが活躍できる環境を整えることは、会社全体のパフォーマンスに影響します。DEIを推進するための3つのポイントをご紹介します。
●方針を明確にする
DEIを進めるためには、まず自社のスタイルに合った多様性のあり方や、方針を明確にする必要があります。
何のためにDEIが必要なのか、何を目指すのかといった部分を洗い出し、自社が目指す姿や考え方を言語化して、スタッフ全員に共有できる状態にすることが大切です。方針の決定には経営陣だけでなく、計画段階から多くのスタッフが関わって内容を精査していくことも重要です。
●教育体制や議論の場を充実させる
DEIの方針や制度の内容が決まったら、組織全体で共有するための教育や、議論する場を設けましょう。
「公平性」についての理解を進めるには、制度の周知と同時に、そのような配慮がなぜ必要なのか、説明したり議論したりできる環境づくりが必要です。多様性について理解し、互いを助け合って仕事に取り組むには、異なるバックグラウンドを持つ人同士がペアになってワークショップを行う、といった活動の場を設けることもよいでしょう。
●スタッフが公平に評価される仕組みづくり
公平な評価ができる制度もDEIの推進には欠かせません。
2017年度版の中小企業白書によれば、「就業者から見た、人材の定着や育成のために必要だと考える企業の取組(中核人材)」の問いに、「能力や適性に応じた昇給・昇進」「成果や業務内容に応じた人事評価」を重視すると答えた人が、アンケートに回答した18~59歳の約50%を占めています。残業や転勤といった会社にとって都合の良い働き方ができるかということではなく、スキルや成果に応じた評価をする仕組みが必要です。また、能力に合った仕事を与えられているか、目指すキャリアと現在の仕事内容にミスマッチがないか、といった視点で考えることも大切です。
DEIを進めるには職場環境の整備も大切

多様な人材がそれぞれの能力を発揮するには、聴覚や視覚に対する環境整備も大切です。コミュニケーションが取りやすいバリアフリーな空間づくりについてご紹介します。
●安心を感じられる壁材
色や明るさは人の心に不安や安心などの影響を与えます。
壁は照明の光を拡散し、空間の雰囲気づくりにつながるため、素材選びが大切です。集中して仕事に取り組めるオフィス、リラックスして会話ができるミーティングルームなど、目的に応じた壁材や照明を取り入れ、空間づくりをすることも業務改善に役立つでしょう。オフィスデザインや色が人に与える影響については、下記の記事もチェックしてみてください。
⇒「オフィスデザインが優秀な人材確保に影響? 学生に敬遠される“暗い雰囲気の会社”」
●吸音素材の天井やパネルで雑音を緩和
快適な空間にするために、天井やパーテーションに雑音を吸収する素材を取り入れることもおすすめです。オフィスでのパーテーション活用については、下記の記事もぜひチェックしてみてください。
⇒「パーテーションはオフィスに必要? 設置のメリット・デメリットと活用法」
聴力に問題を抱えている人や、多言語が使われる環境では、反響音を抑える工夫をすることで円滑なコミュニケーションを促す効果が期待できます。吸音材の中には施工が簡単な天井材のほか、粘着剤やマグネットで手軽に取り付けられるパネルもあるため、利用を検討するとよいでしょう。
DEIへの取り組みで大切なのは、制度と環境を整えることです。
スムーズなコミュニケーションが取れる環境をつくるために、吸音性のある建材を導入してみてはいかがでしょうか。
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