オフィスブランディングはなぜ重要?基本の考え方と設計のポイント

※掲載している画像は、記事の内容をわかりやすくするイメージであり、実在する製品や実現するものとは異なる場合があります。
目次
リモート会議やオンライン商談、テレワークといった時間や場所にとらわれない多様な働き方が普及した昨今、オフィスは働く場所の選択肢のひとつでしかなく、顧客との商談の際に使用する場所となっているケースも増えています。
そのため、顧客にわざわざ足を運んでもらい、かつ従業員が出社する意義があるオフィス環境づくりが求められつつあります。
そこで今回は、顧客・従業員の双方に価値を感じてもらうための、オフィスブランディングについてご紹介します。今後のオフィス設計において、オフィスブランディングを意識した提案を求められる可能性があるため、建築士や設計関係者の方も理解を深めておきましょう。
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オフィスブランディングとは?
オフィスは単に仕事をするだけのスペースではなく、社外に向けたイメージアップの場としての役割もあります。ここでは、オフィスブランディングの概要や重要とされる理由について解説します。
●オフィスブランディングの意味
オフィスデザインにブランディング要素を取り入れて会社を再構築することを「オフィスブランディング」といいます。オフィスを単に働く場として機能させるのではなく、企業ブランドの価値を高めて、顧客の信頼を獲得しつつ、従業員のモチベーションが上がる働きやすい空間へと生まれ変わらせる手法です。伝えたいイメージや将来のビジョンを発信する場所としてオフィスを積極的に活用することで、企業のイメージアップや成長を促します。
●オフィスブランディングが重要な理由
オフィスブランディングは、企業の競争力を向上させるために重要な取り組みです。ここでは、オフィスブランディングの重要性について、3つの観点から解説します。
企業価値を向上させる
オフィスブランディングは、企業価値の向上に大きく寄与します。オフィス空間を通じて一貫したブランドイメージを顧客や取引先に伝えることで、企業のブランド力を強化できます。
社内の一体感を高める
オフィスブランディングによって、企業理念や大事にしている価値観などを内装デザインに反映させることで、従業員の自社理解を深められます。その結果、多くの従業員が自社に対する共通認識を持てるようになり、チームの一体感を高めます。
従業員の定着率を向上させる
オフィスブランディングによって働きやすい職場になれば、自社に愛着を持つ従業員が増えます。愛着を持って働く従業員は、所属する企業に長く勤めたいと考えるようになり、組織の定着率を向上させます。優秀な人材が長く勤めてくれるようになれば、企業の生産性や業績にも好影響をもたらすでしょう。
オフィスブランディングの基本の考え方
顧客と企業の交流スペースとなるオフィスでは、来客の第一印象でCI(コーポレート・アイデンティティ)が伝わる空間づくりが重要です。そのためには、企業の理念や価値観、ビジョンといった企業がモットーとして掲げているものを明確に具現化し、空間で表現する必要があります。
このプロセスで大事なのは、企業の経営者や上層部だけではなく、一般の従業員も含めた幅広い層の声を拾い上げてブランディングを進めることです。ブランディング作業では、目標達成に向かって従業員同士の交流が活発になるため、新しいアイデアが生まれやすくなり、社内の一体感やモチベーションが高まります。企業ブランドの価値観を従業員に浸透させて、内側からブランド力を強めていくことが、オフィスブランディングを成功に導く大きな鍵になります。
オフィスブランディングを実現するためのポイント
ここでは、オフィスブランディングを実現させるためのポイントをご紹介します。内装にこだわることで、オフィス全体の印象や快適性がぐんと向上します。
●エントランス空間で会社のブランド・コンセプトを表現する
来訪者が最初に目にするオフィスのエントランスは、企業の印象を左右する重要な場所です。単に業務を行う場所として捉えるのではなく、企業の特色や価値観を伝えるメッセージ性の高いスペースとして、デザインやレイアウトに気を配りましょう。エントランス空間をブランディングの軸として、企業のコンセプトやビジョンを視覚的に訴えることで、言葉で伝えなくても企業ブランドの世界観や価値をPRできるようになります。
●照明を効果的に活用してイメージアップにつなげる
建築主のコーポレートカラーを基調とした配色や建材で内装をデザインして、企業の特色を打ち出すのはもちろんのこと、企業イメージに合う照明を取り入れて空間の印象を高めましょう。照明は内装のイメージアップに高い効果を発揮します。光の演出で建材の色や素材の美しさを際立たせ、陰影や奥行き感をつくることで、上質な空間に仕上がります。
●空間にアクセントを加える
上質感のあるオフィス空間を演出するためには、アクセント効果の高い建材を取り入れる方法もおすすめです。具体的には、天井に木目調のルーバーやメタリックな素材を、壁には立体感のある装飾壁材等を設置するだけでも空間の印象は大きく変わります。下記に、オフィスの演出におすすめの内装材をまとめてご紹介します。
・『グラビオルーバーUB』は、空間に高級感を与える不燃造作材です。ルーバー仕様によって空間に立体感が生まれ、華やかな雰囲気になります。シャープなストライプラインで、スタイリッシュな印象に仕上がるのが魅力です。
・『グラビオエッジ』は、リアルな陰影感と多色感が魅力のデザイン不燃壁材です。深彫り調のエンボス加工で、エッジの効いた陰影と素材感のある意匠を実現しています。壁面にアクセントを加えることで、オフィス空間を個性的に演出します。
・『ダイロートン メタリック』は、クールで美しい光沢がコーディネートの幅を広げるロックウール吸音板です。『ダイロートン』は多孔質な天井材で、耳障りに感じやすい中・高音域を抑える優れた吸音性によって快適なオフィス環境を実現します。
●防音対策によって信頼性をアピールする
オフィスの防音性を高めることは、企業の信頼性向上につながります。会議室や応接室を含むオフィス空間全体で音漏れを防ぐ設計にすることで、情報保護への高い意識を来訪者に示せることが理由です。これにより、顧客や取引先からの信頼を得やすくなるだけでなく、企業イメージの向上にもつながります。
また、オフィスの防音性を高めるためには、音漏れを防ぐ(遮音)だけでなく、音の響きを抑える(吸音)ことも重要になります。遮音と吸音をバランスよく取り入れることで、情報保護をしつつ従業員が集中しやすいオフィス環境をつくれます。
下記に、オフィスの防音対策(遮音・吸音)におすすめの建材をご紹介します。
・『遮音パネル18.5』は、遮音性能が高い壁・天井用下地材です。不燃材料として認定されているため、内装材に不燃指定があるオフィスにも利用可能です。
・『防音ドアWタイプ[G35]片開き』は、音漏れに配慮した室内ドアです。特殊気密パッキン等の機構が採用されており、会議室や応接室などの音漏れを軽減させたいスペースのドアとしておすすめです。
・『OFF TONE(オフトーン)』はオフィス空間に使いやすい多様なデザインを揃えた吸音パネルで、壁面に設置することで音の響きを抑えます。スチールパーティション用とガラスパーティション用があり、壁の素材に合わせて選択可能です。
オフィスブランディングを踏まえて設計を行う際の注意点
オフィスブランディングを考慮して設計を行う際には、いくつかの注意点があります。設計時に維持管理も含めた長期的な視点を持つことで、企業経営の面においても良い影響を与えられます。
●オフィスブランディングによる費用対効果を考える
オフィスブランディングを取り入れた設計を行う際は、費用対効果を意識することが重要です。オフィスづくりには多額の費用がかかりますが、期待する効果を生まなければ投資した金額を回収することができません。
そのため、建築主が期待する効果を踏まえつつ、設定された予算内に収まるように建材や設備を選定することが、建築士や設計関係者には求められます。費用がかかりすぎる場合には代替案を示すなど、オフィスブランディングの成功に向けて、建築主と協力して設計を進めていきましょう。
●長期的な視点を持ち、可変性のあるオフィス設計を心がける
オフィスブランディングは、社内外へのブランドの浸透や企業イメージの形成には時間がかかるため、長期的な取り組みになることが多いです。また、オフィスが完成したあとに思うような効果が見えなかった場合、内装やオフィスのレイアウトを見直すことも考えられます。企業が成長するなかで、経営理念を刷新していく可能性もあります。
上記の観点を踏まえて、建築士や設計関係者が心がけたいことは、可変性のあるオフィス設計です。オフィスブランディングの進捗に合わせて、柔軟にオフィスをアップデートしていけるような設計を意識しましょう。多くの企業は、事業の成長を目指してオフィスブランディングに取り組みます。そのため、建築主の“今“にフォーカスしすぎず、長期的な視点を持って設計を行うことで、建築主や働く方の満足度を高められるでしょう。
良質な内装材でオフィスブランディングを実現
ブランディングを意識してオフィス空間を設計することで、社内外に向けて企業の経営理念や大切にしている価値観を発信できます。オフィスブランディングを成功させるためには、企業のイメージを視覚的に表現する上質な内装材の選定や、内装を引き立てる照明演出、信頼性を高めるための防音対策など、多くの観点を踏まえて設計をする必要があります。特に、内装材はオフィスの印象に大きく影響するため、建築主のブランドイメージを適切に表現できるよう、積極的に建材の情報収集を行うと良いでしょう。
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公開日:2022.8.8 更新日2025.3.5
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