
2階リビングは何が魅力? そのメリット・デメリットと間取りのポイント
家族が集まるリビングは、居心地の良いリラックスできる空間にしたいものです。リビングは1階にあるというイメージを持つ方は多いと思いますが、中には2階にリビングを設ける住宅もあります。
そこで、2階にリビングを検討している方に知ってもらいたいメリット・デメリットと間取りのポイントについて解説し、2階リビングにおすすめの床材もあわせてご紹介します。
2階リビングとは?
2階リビングとは、戸建て住宅の2階にリビングを配置する間取りのことです。特に住宅が密集している都市部では1階の日当たりが良くない場合があるため、採光を確保しやすい2階リビングを選ぶ方もいます。
2階リビングのメリット

2階リビングには、暮らしの質を向上させる様々なメリットがあります。
●日当たりや風通しが良い
2階は1階に比べて周囲の建物や植栽の影響を受けにくいです。高い位置にあることから住宅密集地であっても日当たりを確保しやすい上に風通しも良くなり、快適なリビングをつくることができます。
●眺めが良い
2階リビングは1階リビングより目線が高くなり、眺望が良くなるケースが多くなります。周辺環境にもよりますが、都市部では高い位置から街並みを見渡せる開放感を得られやすくなり、海や山が近い自然豊かな地域では2階リビングからのパノラマビューが毎日の癒やしとなるでしょう。
●プライバシーを確保しやすい
1階リビングの場合、隣接した道路や近隣住宅との距離や角度によっては通行人や近隣住民からの視線が気になることがあります。一方、2階リビングはプライバシーを確保しやすいので、より自由にくつろげる空間にすることができます。
●耐震性を高めやすい
2階リビングを採用した場合は壁や柱が多い個室を1階に、壁や柱が少ないリビングは2階に配置されるため、結果として建物全体の耐震性を高めやすくなります。ただし、構造によっては建物の重心が高くなるほど地震の揺れを感じやすくなるので、設計時に専門家と相談しましょう。
2階リビングのデメリット
2階リビングにはメリットがある一方で、いくつかの課題もあります。
●階段の上り下りが負担になる
長時間過ごすことが多いリビングが2階にあると、階段の上り下りが日常的に必要になります。高齢者や足腰の弱いご家族がいる場合は負担に感じる可能性があるので、配慮が必要です。
●暑くなりやすい
2階リビングは日当たりが良いため、夏場は日中の気温が上昇しやすく、1階より室温が上がりやすい傾向があります。軒を長めに出す、断熱性の高い窓やサッシを採用する、遮熱カーテンを使う、適切な換気を行うなど、暑さ対策を講じることが重要です。
●大型家具を搬入しにくい
2階をリビングにすると、階段の幅や構造によっては、ソファやダイニングテーブルといった大型家具や冷蔵庫などの大型家電の搬入が難しくなる場合があります。階段を最小寸法で設計した狭小住宅では、ソファを階段から搬入できずにクレーンで吊り上げて2階の窓から搬入しなければならなくなる可能性もあるので、設計段階で十分に考慮しておきましょう。
●家族のコミュニケーションが希薄になる場合がある
2階にリビングがある場合、間取りによっては家族の様子が分かりにくくなります。1階に子ども部屋や書斎などを配置した結果、帰宅した家族がすぐ自室に入ってしまい、2階で過ごす家族とのコミュニケーションが減ることも考えられます。
2階リビングは老後が不安? 間取りのポイント

将来を見据えた2階リビングの計画にはいくつかのポイントがあります。
●方角を考えて設置する
2階リビングは日当たりを考えると、南向きや東向きに配置するのがおすすめです。寒い冬でも、1階リビングに比べて暖かく過ごしやすいリビングとなります。
●バルコニーを有効活用する
2階リビングと接したバルコニーを配置すると、屋外空間として活用できます。ちょっとした植物を置くスペースにできるだけでなく、ソファやテーブルを置いてホームパーティーを楽しんだり、くつろぎスペースにしたりと、アイデア次第で様々な用途に使うことができます。
●老後に備えて階段回りを考える
2階リビングを検討する際の課題として、階段の上り下りは外せません。階段は踊り場があるタイプにすると、万が一転倒しても1階まで落ちる危険性を減らせます。また、階段にはノンスリップ加工や表面にすべりにくい加工を施したものなど、すべりに配慮したものを選ぶようにすると良いでしょう。手すりは、家づくりの際に採用すると後付けタイプより見た目もスマートです。なお、階段の段差が小さいと上りやすいので高齢者には良いのですが、その分段数が増えてしまうため、階段全体の床面積が増えることにもつながります。間取り全体に影響するため、ご家族でよく話し合いながら計画を立てましょう。
2階リビングにおすすめの床材
生活の中心の場となる2階リビングは、床材にもこだわりたいところです。
●広々としたリビングにはより映える幅広フローリング『トリニティグランデ』

『トリニティグランデ』は、明るく広々としたリビングに映える幅広のフローリング材です。フローリングの幅は通常75〜100mm ほどですが、『トリニティグランデ』は303mmと幅広タイプのため、これまでにない新鮮な印象を与えます。表面の質感にもこだわり、立体感のある仕上がりが楽しめます。2階リビングを検討している方は『トリニティグランデ』もチェックしてみてはいかがでしょうか。
●高齢者のすべりに配慮した『おもいやりフロアⅤ』

老後を考えて、高齢者のすべりに配慮した床材『おもいやりフロアⅤ』を採用するのもおすすめです。表面の硬度が高いため、杖やキャスター付きイス、車イスも使えます。
(※)金属製キャスターや球状キャスターは使用しないでください。キャスターの使用頻度が高い箇所は、カーペットなどを敷いて床を保護してください。
まとめ
2階リビングは日当たりや眺望の良さといった多くのメリットがある一方で、階段の上り下りなどいくつかの課題も存在します。設計時にはメリットとデメリットをよく理解し、家族のライフスタイルにあわせて間取りを選ぶことが重要です。信頼できる専門家と相談しながら、理想の住まいを実現してください。
-
監修者
淀川 美和(よどがわ みわ)
株式会社アートアーク一級建築士事務所代表。一級建築士、インテリアコーディネーター、2児のママ建築家。「ママをきれいにする空間づくり」 をミッションの一つに掲げ、住宅・店舗・ホテル等の設計、内装コーディネート、メディア出演等を行う。自身も仕事と家事と育児のバランスをとりながら、忙しいママがいかに快適に家族と暮らせるかに焦点をあてつつ「お部屋のコンシェルジュ」として皆さまのお役に立てるよう奮闘中。
保有資格:一級建築士、インテリアコーディネーター、建築士会インスペクター、健康住宅アドバイザー、整理収納アドバイザー2級、アロマ検定1級