
マンションリフォームやリノベーションにおすすめのフローリングの種類は? マンションは床の防音対策も大切!
目次
フローリング材は大きく分けると“無垢材”と“複合材”に分けられます。質感の良さや柔らかな風合いがお好みなら無垢材、意匠性と機能性を両立したいなら複合材である複合フローリングがおすすめです。
そこで、今回は無垢フローリングと複合フローリングのメリット・デメリットと、フローリング張り替えにおける注意点について解説します。
マンションのリノベーションで求められる音への配慮

マンションでのリノベーションにおいて、張り替えるフローリングに求めたい性能は階下への遮音性です。
戸建ての住宅であれば住んでいるのは基本的に家族だけですから、騒音への対策にそれほど気を使う必要はないかもしれません。しかし、マンションでは音に配慮された遮音タイプのフローリングの採用が望ましいといえます。
特にマンションの管理規約にはL値やΔL等級で表される遮音等級が決まっているケースが多いため、フローリングを張り替える際には事前にマンション管理組合に確認することが重要です。
●築年数が経ったマンションなどの場合、床材が傷んでいる可能性がある

築年数の古いマンションはフローリング材の性能の低さや使用頻度などから、見た目以上に傷んでいる可能性が高くなっているかもしれません。傷や剥がれを放置していると、転倒やケガにつながるおそれがあるだけでなく、経年により防音性能も落ちていることも考えられます。
●床材を選ぶときに注目すべき点はどこか
床材を選ぶときに注目すべき点は「傷や衝撃に強いか」や「落下音が階下へ響かないか」という点です。
性能の低い床材は小さな物を落としただけでも傷や打痕が残り、見た目が悪くなります。また、防音性能が高くない場合、多くの家庭が1つの建物で生活しているマンションでは生活音がほかの家庭に影響を与える場合も多いため注意が必要です。
フローリングの種類はどれがおすすめ?
フローリングは、無垢フローリングと複合フローリングの2種類があります。マンションでは、防音性能の高い複合フローリングがおすすめです。
●フローリングの種類は大きく分けて無垢と複合の2種類
それでは、無垢フローリングと複合フローリングのメリットとデメリットを見ていきましょう。
・無垢フローリング
無垢フローリングは防音対策を施されていない製品が多く、マンションよりも戸建住宅で用いられる傾向があります。
メリット:天然木の風合いが楽しめる。質感が柔らかで意匠性も高い
デメリット:複合フローリングに比べて汚れや水分に弱い。温度・湿度により変形する
・複合フローリング
複合フローリングの木の質感は無垢に及びませんが、防音対策が施されているなど機能性の高い商品が多く、マンション向きといえるでしょう。
メリット:音や傷、汚れに配慮されるなど機能性の高い製品が多い
デメリット:天然木の質感は無垢には及ばない
こちらの記事もチェックしてみてください。
関連記事⇒「複合フローリングとはどんなもの? フローリングの種類とリフォームで人気の突き板フローリングを紹介」
●マンションの床材には、意匠性と機能性を兼ね備えた複合フローリングがおすすめ
マンションの床を美しくリノベーションしたいなら、意匠性と機能性を兼ね備えたフローリングを選びたいものです。耐久性・防音性に加え、無垢に近い風合いの複合フローリングであれば、満足度はさらに高くなるでしょう。
張り替え、上張りとは? どっちが良い? フローリングリフォームの工法選択
マンションの床の経年劣化や音への対策にフローリングをリフォームしたい場合、選択肢として“張り替え”と“上張り(重ね張り)”の2つの工法があることをご存じでしょうか。2つの工法の違いを見ていきましょう。

●張り替え
張り替えとは、古い床材をすべて剥がして新しい床材を張る工法です。
この工法には床材を撤去した際に、床下の状態を確認できるというメリットがあります。古いマンションの床下は、経年劣化によってひどく傷んでいるだけでなく、シロアリの被害を受けている可能性もあるため、張り替え工法で床下の補修を行いながらフローリングを刷新するとよいでしょう。
また、まったく新しい床材に張り替えるため、防音対策ができるものや断熱性を高めるものなど、マンション用フローリングとしてふさわしい製品を選べる点も魅力です。
ただし、張り替えは“上張り(重ね張り)”よりも費用が高くなりやすいので、あらかじめ予算を確認しておきましょう。
なお、マンションの床下構造が直床工法(コンクリートに床材を直接接着する工法)で施工されている場合は、基本的に張り替えによってリフォームを行います。
●上張り(重ね張り)
上張り(重ね張り)とは、古い床材の上から新しい床材を張り付ける工法です。この工法には費用を安く抑えられるというメリットがあります。既存の床材を廃棄したり、下地を補修したりする手間がかからないうえに工事の規模も小さいため、フローリングを手軽にリフォームしたいときに適した工法といえるでしょう。
DAIKENでは、自分で手軽にフローリングの上張り(重ね張り)リフォームができる製品も取り扱っています。
こちらの記事もチェックしてみてください。
関連記事⇒「簡単床リフォーム! フローリング張り替えをせずとも敷くだけでOKな“吸着フローリング”」
ただし、上張りを行うと床材の厚みの分だけ床面が高くなり、段差ができるためドアの開閉がしにくくなるおそれがあります。また、床下が劣化していても気が付くことはできません。
マンションの床下構造が二重床工法(コンクリートの建築材に立てた支柱などの上に床材を張る工法)の場合は、リフォーム時に上張りか張り替えのどちらかから選ぶことができます。費用や工期、防音などの機能面も考慮しながら、最適な工法を選んで満足度の高いマンションリフォームを実現しましょう。
音に配慮したマンションリフォームをご検討中なら、次項でご紹介する『トリニティオトユカ45』をチェックしてみてください。
意匠性に優れ、なおかつ高機能な『トリニティ』
●マンションのリノベーション・リフォームにおすすめのフローリング材
マンションをリノベーションする際、床の張り替えは室内の印象を決める大切な工事なので、意匠性にも優れた高機能なフローリングを採用したいものです。
そこでDAIKENでは、こだわった表面の質感、立体感のあるデザイン、歩行時の沈み込み感に配慮した商品『トリニティオトユカ45』をご提案しています。
●車椅子や床暖房に対応したフローリングなら従来の『トリニティ』がおすすめ
マンションでリノベーションやリフォームを検討しているなら、将来に備えて車椅子や冬でも暖かい空間で過ごせる床暖房を導入してみてはいかがでしょうか。おすすめしたいのが、デザイン性も重視され、車椅子やプラスチックキャスターに対応、さらに床暖房に対応したフローリング『トリニティ』です。

『トリニティ』
意匠性や機能性の高いフローリングを採用したリノベーション・リフォームで、快適な日常を送ってみませんか?
(※)ただし、トリニティをマンションに施工する場合には、二重床や防音下地材が必要になる場合があります。
(※)金属製キャスターや球状キャスターは使用しないでください。キャスターの使用頻度が高い箇所は、カーペットなどを敷いて床を保護してください。
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監修者
志鎌のり子(しかまのりこ)
一般社団法人日本模様替え協会 理事/COLLINO一級建築士事務所代表。日本女子大学住居学科卒業、五洋建設でマンション・ビルの設計監理/内装デザインを10年担当。その後、日本ERIにて住宅検査など10年担当、設計・検査・審査した住戸数は延べ5,000件以上にのぼる。現在は部屋を「機能による空間分け」「動線」「収納」の観点から模様替えする独自のメソッドにより、機能的な部屋づくり/仕組みづくりなどを提案。書籍「家具配置のルール」のほかSUUMO、AERAwithKids、建築知識ビルダーズ、住まいの設計など著書多数。
保有資格:模様替えアドバイザー 一級建築士 建築基準適合判定資格者 住宅性能評価員 建物耐震診断士 フラット35適合証明検査員 など
公開日:2023.05.02 最終更新日:2025.03.19