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大理石とは? 御影石はどのような石材? 床のリフォームで人気の高性能な大理石調床材もご紹介!

大理石とは? 御影石はどのような石材? 床のリフォームで人気の高性能な大理石調床材もご紹介!

※掲載している画像は、記事の内容をわかりやすくするイメージであり、実在する製品や実現するものとは異なる場合があります。



美術館やホテルなどで目にする大理石や御影石の床は高級感があり、とても魅力的です。しかし、一般住宅に天然石を取り入れるには、各石材の特徴を理解し、用途に適した使用方法を選ぶことが大切です。
今回は、住まいのに使うことができる主な石材の種類と特徴をご紹介します。さらに、天然石はハードルが高いという方向けにおすすめの建材もご紹介します。

建築石材の基礎知識 火成岩・堆積岩・変成岩とは

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天然石は生成過程により、大きく、火成岩、堆積岩、変成岩の3つに分類されます。適材適所で石材を使いこなせるよう、それぞれの特徴を把握しておきましょう。

●火成岩…花崗岩、安山岩など

火成岩(かせいがん)は、マグマが冷え固まってできた岩石で、硬度や耐久性の高さが特徴です。冷却速度やマグマを構成する成分によって、より細かく分類されます。
建築石材としてよく使われる御影石は、火成岩の中の花崗岩(かこうがん)に分類されます。御影石は鉄やマグネシウムが少なく地下でゆっくり冷えた石材です。ゆっくり冷えた火成岩は粒が大きくなります。

●堆積岩…石灰岩(ライムストーン)、砂岩、凝灰岩など

堆積岩(たいせきがん)は、様々な物質が押し固められてできた層状の岩石です。何が押し固められたのか、その素材によって名前が変わります。土がもとになっている堆積岩は、粒の大きさにより、れき岩、砂岩、泥岩になります。火山灰がもとになっているのは凝灰岩(ぎょうかいがん)、サンゴなど石灰質の殻を持つ生物が固まったものは石灰岩(せっかいがん)と呼ばれます。

石灰岩は、別名ライムストーンとも呼ばれ、とても柔らかい石です。同様に、生物由来の堆積岩としてはチャートがあります。これは珪質(二酸化ケイ素を多く含む性質)の殻をもつ生き物の死骸が固まったものです。

●変成岩…大理石、粘板岩(スレート)など

変成岩(へんせいがん)は、岩石が強い熱や圧力を受けて、変成・再結晶化した岩石です。強い熱で変成したものを熱変成岩(接触変成岩)、熱と圧力を受けて変成したものを広域変成岩と呼びます。大理石は、石灰岩(ライムストーン)がマグマの熱によって再結晶化したもので、熱変成岩の一種です。

床材として使用されている石材の種類と特徴

多様な天然石の中でも、建材としてよく使われるのは大理石と御影石です。この代表的な2つの石材には、それぞれどのような特徴があるのでしょうか。

●大理石

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高級ホテルやマンションの石床でおなじみの大理石は、前述のように、石灰岩が再結晶化したものです。ただし、建築業界では、蛇紋岩(じゃもんがん)など装飾性のある石材を加工したものの総称を大理石と呼ぶ場合もありますが、これは商業的な呼び方で地質学的には異なる分類の石材です。

白・黒・グレーなどの独特のマーブル模様が特徴的ですが、中には明るいベージュ、透明感のある華やかなピンクやオレンジ、青や緑の大理石もあります。いずれも磨けば美しい光沢が出て高級感あふれる質感を得られます。

大理石はもともと柔らかい石灰岩からできており、雨風や酸性雨に弱いため、雨が多く湿度の高い日本の屋外での使用には適していません。建築用としては主に室内で使われます。また吸水性が高く、水をこぼすとシミになりやすいため、まめなお手入れが必要です。さらに加工に手間がかかるため、値段は高価になりがちです。

●御影石

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御影石(みかげいし)は花崗岩とも呼ばれる火成岩の一種です。定番の柄は白と黒のまだら模様ですが、赤や黒などをはじめ、多種多様な色柄のバリエーションがあります。御影石は石材の中でも硬度が高く、耐久性・耐水性に優れており、時が経っても風化しにくいという特徴があります。屋外に置いていても変質したり劣化したりしにくいので、住宅以外では墓石としても使用されます。

●人工石材

建築に使う石材には、天然石材だけでなく人工石材もあります。大理石の場合は、人造大理石と人工大理石がそれにあたります。

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人造大理石は、細かく砕いた天然大理石や他の石材などに、セメントや樹脂を混ぜて固めたもので、テラゾ(テラゾー)とも呼ばれます。本物の大理石が使われているので人工大理石より高価な傾向があり、見た目も高級感があります。

一方、人工大理石は、アクリルやポリエステルなどの樹脂を固め、大理石のような見た目を再現した素材です。名称に大理石とついてはいますが、大理石の成分はまったく含まれていません。その代わり、原料が樹脂で柔らかく加工がしやすいことから、様々な用途に使えますし、価格も比較的安価です。

どちらも天然大理石より価格が安く、加工しやすい、耐水性に優れているなどのメリットがあり、大理石の代わりに広く使用されています。ただし、加工性や耐水性があるといっても全く同じではなく、人造大理石は本物の大理石が使用されているため、加工性や耐水性は人工大理石よりも低い傾向にあります。

石材床の良い点・注意したい点は?

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(※)写真はイメージです。弊社製品ではございません。

石材の床の魅力は独特の美しい質感でしょう。インテリア性の高さ、見栄えの良さで、高級感のあるラグジュアリーな部屋を演出できます。
色柄のバリエーションも豊富で、特に天然石は産地によって模様や色が異なります。売れ筋の大理石やテラゾーなら、好みの色や質感を幅広い選択肢の中から選べるでしょう。
さらに、木の床などに比べ耐久性があり、摩耗による傷や凹みが付きにくいというメリットもあります。

ただし、石材の床は表面がひんやりと冷たく、床暖房を導入しても温まるのに時間がかかります。カーペットやラグを敷くと、石材床の美しさが隠れてしまうため、スリッパなどで足元を暖かく保つ工夫をするのがよいでしょう。

また耐久性が高いとはいえ、掃除機をぶつけたり、金属などの重いものを落としたりすると、傷が付いたり割れたりする可能性があります。もし破損した場合は、施工コストの高いものが多いので、修復代は高くつくかもしれません。

大理石や御影石などの使用に適した場所

大理石や御影石などの天然石は、高級感や美しさに目を奪われがちですが、使用する場所を適切に選ぶことが重要です。それぞれの石材に適した場所をご紹介します。

●大理石

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(※)写真はイメージです。弊社製品ではございません。

実は大理石の表面にはたくさんの穴が開いていて水を吸収しやすいので、キッチンや洗面所など、水がかりの多い場所で床材として使うことはおすすめできません。

また、大理石は気温が下がると冷たくなります。リビングや居室の床に使用する場合は、床暖房やカーペットなどを敷くなどの工夫をしたほうがよいかもしれません。

大理石の床が適した場所

・リビングの床
・各居室の床
・水がかりの少ない床

●御影石

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堅牢で水に強い御影石は、玄関や部屋の一部、洗面所やトイレなど、水がかりの可能性が高い場所にぴったりの石材です。耐久性があり、外壁や玄関ポーチなど、屋外での使用にもおすすめです。産出量が多いため、一般的な御影石なら大理石より安価な傾向にあります。

また、酸や水には強いですが、掃除する際には専用クリーナーを使用しましょう。

御影石の床が適した場所

・玄関の床
・玄関ポーチ
・室内の通路
・浴室
・洗面所
・トイレ

大理石も御影石も天然石ならではのメリット・デメリットがありますが、使用に適した部屋やアクセントとして使うことで、他の素材では出せない高級感を演出できます。使い方のポイントをしっかり押さえ、取り入れてみてはいかがでしょうか。

テーブルや壁紙も! 大理石や御影石のデメリットを克服する石材調インテリア

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天然石は高級感のあるデザインがメリットですが、部屋全体を大理石・御影石で仕上げようとするとかなり値が張ります。特に壁は垂直に石を立てる必要があり、面積も床に比べて広いので、フローリング以上のコスト高になる可能性があります。また、重量があるため、壁などに設置すると建物の構造に負担をかけてしまう場合もあります。

できるだけ価格を抑えつつ石目をインテリアに取り入れたいなら、石材の柄をリアルに再現したタイルや壁紙シートを使う方法がおすすめです。

大理石・御影石の模様の壁紙シートは、高いクオリティのものからお手頃なものまで幅広く、予算に合わせて選べます。また、貼って剥がせる壁紙シートを選べば自分でDIYすることもできますし、大家さんや管理会社に許可を取れば賃貸物件でも使用できるかもしれません。

壁紙シートや化粧シートは、壁や床だけでなく、家具にも貼ることができます。天然の大理石は水がかかる場所には向いていませんが、化粧シートを使った大理石のテーブルなら水がかかっても問題ありません。食事や調理で汚れやすいダイニングテーブルやローテーブルに大理石の化粧シートを貼れば、見た目が美しいだけでなく、お手入れも簡単です。いつもの料理もグレードアップして見えそうです。

大理石などの石目調をしたおしゃれなフローリングについては、ぜひ下記の記事をご参照ください。
関連記事⇒「石目調フローリングで新鮮リフォーム! 床から始めるこだわりのインテリア

大理石や御影石を思わせる高級感 ヒヤッとせず床暖房も導入しやすい石目調化粧床材

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DAIKENでは、大理石などの質感を再現した石目柄床材を展開しています。本物のようにリアルな風合いとともに、暮らしの質を上げる機能性にもすぐれています。

『ieria(イエリア)フロア セレクト 石目柄(鏡面調)』は、鏡面仕上げを施した石目柄の化粧床材です。白大理石の風合いで部屋を広く明るく見せる<ホワイトオニキス柄>、大理石の中でも希少な黒大理石調の<グリジオコスタ柄>など、幅広い色柄を楽しめます。明るく艶感のある大理石調の床が光や照明を反射し、部屋をゴージャスに明るく見せてくれるでしょう。

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ワックスがけも不要なのでお掃除の手間も軽減できます。また、DAIKENの床材は木質基材を使用しているため、天然石材独特のヒヤッとした感触がありません。リビングや脱衣所など、様々な場所に使用できます。
(※)鏡面調仕上げは、生活上の傷などが場合によっては目立ちやすくなります。

大理石調床材を使ったトイレ床リフォームについては、ぜひ下記の記事もご参照ください。
関連記事⇒「“大理石調の床材”でトイレの床リフォーム! 洗面所・トイレ・キッチンがホテルライクに

石目調の床は清潔感があるので、トイレや洗面所などの水回りにもおすすめです。洗練された印象の<グリジオコスタ柄>なら、暗く見えがちな洗面所もエレガントモダンな雰囲気になるでしょう。水濡れに配慮されていて汚れが落ちやすく、掃除がしやすいのも魅力です(※)。
(※)水濡れに配慮した床材ですが、水掛かりの際には直ちに拭き取ってください。

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高級感を演出しつつ、シックな雰囲気にしたい場合は、艶消しタイプというチョイスも良いかもしれません。『ieria(イエリア)フロア セレクト 石目柄(艶消し)』は艶を抑えた石目柄の床材です。幅広いインテリアに合わせやすく、艶があるものに比べて、傷が目立ちにくくなります。

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海外風インテリアがお好きな方には、コンクリートやアイアンなどのドライな素材感を表現した『ieria(イエリア)フロア セレクト スクエア』もおすすめです。レトロな家具や小物を使ったヴィンテージスタイルや、無機質感のあるインダストリアルスタイルとも相性抜群で、大判のスクエア型デザインがお部屋にインパクトと力強さを与えます。傷が付きにくく、プラスチックキャスターにも対応しています(※)。
(※)金属製キャスターや球状キャスターは使用しないでください。キャスターの使用頻度が高い箇所は、カーペットなどを敷いて床を保護してください。

複合フローリングについてもっと知りたい方は、ぜひ下記の記事もご参照ください。
関連記事⇒「複合フローリングとはどんなもの? フローリングの種類とリフォームで人気の突板フローリングを紹介

まとめ

石目調の床材は、高級感を演出したい時や、ホテルライクな空間づくりに最適です。 大理石や御影石など天然石の床材ならではのメリット・デメリットを理解したうえで、独特の質感を満喫しましょう。

ただし、石材は他の素材に比べると、価格やメンテナンスの面でハードルが高くなります。手軽に使える壁紙シートを活用したり、DAIKENの石目調床材などを取り入れたりすることで、暮らしの中で石材の風合いを気軽に楽しんでみてはいかがでしょうか。

  • しかまのりこ
  • 監修者

    志鎌のり子(しかまのりこ)
    一般社団法人日本模様替え協会 理事/COLLINO一級建築士事務所代表。

    日本女子大学住居学科卒業、五洋建設でマンション・ビルの設計監理/内装デザインを10年担当。その後、日本ERIにて住宅検査など10年担当、設計・検査・審査した住戸数は延べ5,000件以上にのぼる。現在は部屋を「機能による空間分け」「動線」「収納」の観点から模様替えする独自のメソッドにより、機能的な部屋づくり/仕組みづくりなどを提案。書籍「家具配置のルール」のほかSUUMO、AERAwithKids、建築知識ビルダーズ、住まいの設計など著書多数。

    保有資格:模様替えアドバイザー 一級建築士 建築基準適合判定資格者 住宅性能評価員 建物耐震診断士 フラット35適合証明検査員 など

公開日:2021.06.06 最終更新日:2025.06.23

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