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2025年問題は大学入試にも! 「情報」新設に向けたプログラミングに適した空間づくり

団塊の世代が75歳以上になり、超高齢化社会を迎える「2025年問題」という言葉を聞いたことがある方も多いと思いますが、高校生が直面している、もうひとつの「2025年問題」をご存じでしょうか。

それは、2025年から大きな変更が加えられる共通テストで注目を集めている新教科「情報」です。今回は「情報」が導入されることになった背景や、「情報」教育を後押しする教室づくりについてご紹介します。

2025年から共通テストに「情報」が新設!

2025年問題

高齢化に歯止めがかからない日本において注目を集める2025年問題。まもなく到来するその年には、日本国民の4人に1人が「後期高齢者」になり、社会の様々な面が影響を受けると予想されています。その一方で受験生を待ち構えているのが、もうひとつの「2025年問題」です。

国立大学協会は、2025年1月に実施される共通テストにおける大幅な刷新を発表しました。それによると、社会と数学の出題科目が大きく変わり、国語と数学の受験時間が長くなります。また、その変更に伴う試験範囲の拡大や、問題形式・問題構成の大きな変化も予想されています。

そして、さらに注目されているのが、新教科「情報」の追加です。2022年4月から「情報Ⅰ」は、高校で必修化されましたが、高校1年生たちの大学受験に合わせ、受験教科への追加も決定。当初はパソコンやタブレットを使ったCBT(Computer-based Testing)方式での実施も検討されましたが、2025年にはひとまずマークシート方式で実施されます。国立大では全受験生に課されることになっており、多くの私立大学でも積極的に活用する可能性が高いとみられています。

こうした大掛かりな変更は、受験生に大きな影響と負担を与えるでしょう。それにしても、大学入試に取り入れられる「情報」とは、いったいどのような教科なのでしょうか。

「情報」はどのような教科?

2025年問題

「情報」は上述のように、学習指導要領の改訂に伴い、2022年から高校の授業で取り入れられました。必修の「情報Ⅰ」ではプログラミングを通してコンピュータの仕組みを知り、通信ネットワークの構成やデータの分析・活用、加えて情報社会における問題解決の方法を学習します。さらに選択科目の「情報Ⅱ」では、より多様なデータを取り扱い、新しいコンテンツを創造する力を身に着けます。「情報Ⅰ」の大学入試問題サンプルが公開されましたが、比例代表選挙の議席配分方法を求めるプログラミングや、サッカーワールドカップのデータ分析など、生活に密着した問題が出題されています。なお、小学校では2020年度からプログラミング教育が必修化され、中学校では2021年度からプログラミング教育が全面実施となっています。

こうした背景には、次世代のニーズに加え、世界に後れをとる日本のデジタル競争力への懸念があります。例えば経済産業省の発表によると、IT関連の人材不足は年々大きくなり、2030年には最大で約79万人の人材不足が生じる可能性があるとの結果に。これからの社会では、誰もがコンピュータやAI、インターネットを理解し、安全に使える力が必須。そのためには、人材を育てることが優先されます。こうした授業を積極的に取り入れていた国々が2000年初頭からあることを考えると、日本は遅れをとっているとはいえ、それでも確実に前進していると言えるでしょう。

もっとも、プログラミングを含めた「情報」教育には課題もあり、中でも一番のネックとなっているのが教員の不足です。プログラミングを教えられる教員は少なく、外部講師に頼らざるを得ない学校は少なくありません。さらにはすべての学生が公平に授業を受けるため、必要な設備を整えることも必要です。

プログラミングに集中できる、音に配慮した教室づくり

2025年問題

整備すべき設備は電子端末やインターネット環境だけではありません。「情報」の授業では生徒たちがプログラミングやデータ分析により集中できる教室づくりも求められます。そのひとつが音に配慮した教室です。

例えば、無線LANや携帯電話が使用できるように、電波は通しつつも遮音性に優れた素材。または、マウスのクリック音やキーボードの打鍵音を抑制する素材。あるいは反響音を抑え、先生の声を聞き取りやすくする素材などが活用できるかもしれません。

音に配慮された教室は、普段の授業以外にも活用できます。例えば、2025年の大学入試では「情報Ⅰ」がマークシート方式での実施となりました。しかし、いずれはパソコンやタブレットを使ったCBT方式での試験が導入されるかもしれません。そうなると、試験会場は通常の授業以上に音が気にならず、集中できる環境にすることが重視されるでしょう。また、一般の資格・検定にはすでにCBT方式で試験を実施しているものも多く、音に配慮した教室づくりはいろいろなシーンで必要とされます。

学生がより集中して学べる環境を作ることにより、未来を創造する子どもたちの「情報」教育を、今後もいっそう後押ししていきたいものです。

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