2025年問題とは? 超高齢化・人手不足がもたらす医療・介護ほか様々な分野に与える影響

2025年問題

2023.01.31

ニュースなどで「2025年問題」という言葉を聞いたことがある方も多いと思います。
少子高齢化が進む日本において、団塊の世代が75歳以上になる2025年。それにより社会全体に様々な影響がでてくることが想定されています。
本記事では、2025年問題についての概要と、様々な分野における影響や課題、対策などについてまとめていきます。

そもそも、2025年問題とは

2025年問題

2025年問題とは、団塊の世代が後期高齢者となり、日本国民の約5人に1人が75歳以上という超高齢化社会になることで生じる様々な社会問題のことです。

1947年から1949年の第1次ベビーブームに生まれた、いわゆる「団塊の世代」は日本の総人口に占める割合も大きく、その世代が高齢者となる影響は、様々な分野に及ぶことが想定されており、主には下記のようなことがあげられます。

●医療費の増大
●介護負担の増加
●社会保障費問題
●少子化による労働力・人材不足

また、人口減少による空き家増加の問題や、高齢経営者の事業継承問題の発生なども予想されます。

事業継承に関しては下記の記事もチェックしてみてください。
「2025年問題では事業承継も大きな課題に 事業を存続させるための対策とは」

ほかにも、経済産業省が日本経済の危機として継承を鳴らしている「2025年の崖」という言葉もあります。下記の記事にまとめていますので、ぜひこちらもぜひあわせてお読みください。
⇒「2025年の崖とは? 経産省DXレポートが示すもう一つの2025年問題と企業に求められるDX推進

それでは次の項目から、主な業界に予想される影響について具体的に紹介していきます。

2025年問題による医療業界への影響

2025年問題

後期高齢者は認知症や生活習慣病を発症しやすくなるので、医療の需要が高まると予想されます。しかし、需要を満たすだけの医療施設、そして医療人材を確保できるかどうかは悩ましい問題です。病院の一般病床の数も1980年代頃をピークに減り続けており、慢性的な医師や看護師などの人材不足問題もあります。
医療現場で「2025年問題」に立ち向かうためには、医師や看護師の作業量を減らし、働きやすい環境づくりを目指す必要があります。
例えば、心地よく働ける清潔な施設を整備することもポイントとなるでしょう。

詳しくは、下記の記事もチェックしてみてください。
「2025年問題が医療に与える影響 医師・看護師不足の時代に求められる病院環境」

2025年問題による福祉業界への影響

2025年問題

高齢者施設の利用者が増えるペースに追いつくよう、介護人材数を確保するのはなかなか難しいことです。実際、厚生労働省が発表した「第8期介護保険事業計画に基づく介護職員の必要数について」を確認すると、2023年には約233万人、2025年には約243万人と必要な介護職員数が年々増え続けていくことがわかっている反面、介護職は多忙でハードな業務内容をこなさなければならないので、離職する人も多いのが現状です。
人手が減る中で業務量が変わらなければ、残ったスタッフの負担がより大きくなるという負のループが生まれてしまいます。
介護業界全体の待遇改善はもちろん必要ですが、清掃など身近なところから施設スタッフの負担を減らす環境づくりを考えてみるのも大事です。

詳しくは、下記の記事もチェックしてみてください。
「多忙なスタッフの業務を効率化! 汚れに強く掃除しやすい内装建材に着目」

2025年問題による保育業界への影響

2025年問題

少子化の影響もあり、保育園に入れない待機児童数は減少傾向にあります。
また厚生労働省より、保育所の利用児童数が2025年にピークを迎えるとの発表もあり、2025年以降は保育園が余る可能性がでてきました。この見通しが正しければ、園児を確保できず経営が困難になる保育園が増加するおそれがあります。
これに対応するためには、質の高い保育で保護者から選ばれる園づくりが必須です。優秀なスタッフを確保することはその第一歩でしょう。メンテナンス性に優れた建材や保育のDX(デジタルトランスフォーメーション)化などを視野に入れて、働きやすい環境を整備し、まずは保育士に選ばれる職場を目指す必要があります。
また、園内の事故は保護者に不信感を生じさせるため、できるだけ未然に防ぎたいものです。安全に配慮した園舎や設備を整えることも、質の高い保育につながっていきます。

詳しくは、下記の記事もチェックしてみてください。
「2025年問題は保育園にも! 待機児童問題から一転、利用児童数ピーク後を考えた施設設計」

「もうひとつの2025年問題」、学校教育への影響

2025年問題

学校教育現場には、少子高齢化とはまた別の「2025年問題」が存在します。それは2025年から、大学入試共通テストに新教科「情報」が新設され、「情報」のテストが、すべての国公立大や多くの私立大で受験に活用されるといった、入試に関する変化があるという点です。
この施策は既に導入済みの小中学校のプログラミング教育、高校の情報Iの必修化に伴うものとなっています。
これにより小中高等学校では、全生徒がプログラミング・情報をスムーズに学べる環境づくりに努める必要があるでしょう。IT機器・設備の整備だけでなく、教室の音環境についても配慮したいところです。不快な音の響きを低減し、先生の声が聞き取りやすい教室づくりを目指してみてはいかがでしょうか。

詳しくは、下記の記事もチェックしてみてください。
「2025年問題は大学入試にも! 「情報」新設に向けたプログラミングに適した空間づくり」

日本において、医療や福祉をはじめ、様々な分野の事業者に影響がでることが予想されている「2025年問題」。今後発生しそうな問題について想定し、事前にできる対策をあらゆる面から検討しておきましょう。

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