ロックウールとグラスウールの違いとは?
断熱性能・耐熱性能・吸音性能を比較

ロックウールとグラスウールは、どちらも断熱や防音の観点から建材に使われる人工素材です。よく混同されがちな両者を性能の違いから比較していきます。また、ロックウール・グラスウールを使用したDAIKEN製品もご紹介しますので、断熱材や防音製品をお探しの方はぜひ参考にしてみてください。

ロックウールとグラスウールの違い

ロックウール 玄武岩などの天然岩石や、溶鉱炉で生成された溶融スラグといった鉱物を原料につくられた人工の鉱物繊維。
グラスウール ガラスを主原料に、石灰石などを加えてつくられた人工の鉱物繊維。ガラスは主に、資源ごみからなるリサイクルガラスを使用する。

ロックウールもグラスウールも、人工でつくられた繊維で綿状に成形されているのが特徴です。両方とも断熱性や耐熱性、吸音性※が高く、断熱材・不燃材・吸音材として利用されています。

特に、耐熱性能に関しては、両方とも建築基準法において「不燃材料」として国に認定されるほど優れた建材です。また、いずれもアスベストのように吸引によって人体に重大な健康被害を及ぼす可能性は低く、安全性の高さにも定評があります。

※吸音は防音の一つで、物体が音を吸収して音量を小さくする現象を指します。

ロックウールについて詳しくはこちら

ロックウールとグラスウールの断熱性能比較

ロックウール 高い断熱性能を発揮する。水や湿気に強いため、断熱性能低下が起こりにくい。
グラスウール 高い断熱性能を発揮する。ただし、吸水性・吸湿性があり、湿気や水が繊維に入り込むと体積が小さくなり、断熱性能が下がる。

断熱材は、繊維と繊維の間に空気を抱き込み、熱の移動を妨げることで断熱効果を生み出します。グラスウールは水に弱く、湿気が繊維に入り込むと小さくしぼんで、繊維間に空気をとどめられなくなるため、断熱効果が減少してしまいます。

一方で、ロックウールは水や湿気に強いため、断熱効果を長期にわたり維持できます。

ロックウールとグラスウールの耐熱性能比較

ロックウール 700℃以上で収縮し始める。
グラスウール 300℃以上で収縮し始め、600℃で機能しなくなる。

いずれも耐熱性に優れていますが、特にロックウールのほうがグラスウールよりも、熱に強い特性があります。DAIKENではロックウールを原料に使用した耐震ボードや下地材をご用意しております。耐震性・防火性に優れた『ダイライト』シリーズは下記を参照してください。

DAIKEN『ダイライト』シリーズはこちら

ロックウールとグラスウールの吸音性能比較

ロックウール 同じ密度で厚みを増すほど吸音率が上がる傾向にあり、4,000Hz程度まで効果がある。密度が低いと、低周波域での吸音率が高い。
グラスウール 同じ密度で厚みが増すほど吸音率が上がる傾向にあり、4,000Hz程度まで効果がある。密度が低いと、高周波域での吸音率が高い。

周波数は低いほど低音に、高いほど高音になります。人の耳に聴こえる範囲は20~20,000Hz程度、騒音問題に関わるのが63~4,000Hzの範囲です。

ロックウール・グラスウールともに厚みが増すほど吸音率は高くなりますが、密度が低い場合は吸音効果を示す周波数に差が表れるので留意しておくとよいでしょう。ロックウールは低音域、グラスウールは高音域に効果的です。吸音したい音域に合わせて適切な製品を選択しましょう。

ロックウールとグラスウールは結局どっちがいい?

断熱材・不燃材・吸音材を選ぶ際に、原料がロックウールなのかグラスウールなのかはチェックしておきましょう。

一定以上の密度と厚みのある吸音材であれば、両者ともに効果に大差はありませんが、騒音対策をメインに考える場合は、高音域に効果のあるグラスウール含有のものが適しています。

ロックウールを使用したDAIKENの建材『ダイライト』シリーズ

DAIKENが開発した『ダイライト』シリーズは、火山性ガラス質堆積物とロックウールを原料とした無機質素材の耐震・防火建材です。木質素材よりも腐食しにくいことに加え、シロアリを寄せ付けないという特徴をもっています。

ダイライトMS

DAIKENおすすめの外壁耐力下地材『ダイライトMS』。面で支えることで力を分散させるため、耐震性に優れています。無機質原料のダイライトは合板と比べて湿気がこもりにくく、シロアリによる腐食や劣化に強いのが特長です。また、ロックウールが含有されていることから、火災に強く、近隣からの類焼・延焼を防ぎます。

ダイライトMU

DAIKENの耐力クロス下地材『ダイライトMU』。壁に貼るクロスの下地として使用する、ロックウールを原料とする建材です。壁倍率2.4倍の強さを誇る耐力壁です(軸組大壁仕様)。『ダイライトMS』との併用で耐火性と耐震性を高め、災害に強い安全な家づくりを強化します。

ダイライト耐震かべ かべ大将

耐震強化に役立つ改修キットDAIKEN『ダイライト耐震かべ かべ大将』。今住んでいる住宅に後付けで施工できるのが特徴です。既存の天井や床を壊すことなく施工できるため、改修にかける時間やコストが抑えられます。(一財)日本建築防災協会の「住宅等防災技術評価」を取得しており、品質の信頼性の高さが証明されています。

グラスウールを充填したDAIKENの防音ドア

DAIKENでは、グラスウールを充填した製品をご用意しております。防音室に設置したい防音ドアをご紹介します。

防音ドア [SF(スチール・不燃タイプ)] G45

DAIKEN史上最高レベルの防音性能を誇る、スチール製防音ドアのG45タイプ。防音性能46dBを有し、例えば、90~100dBあるピアノの音も、本製品を通すと、部屋の外には44~54dB程度の音量にカットされて聞こえます。太鼓現象を抑制するため、DAIKENの防音ドアにはグラスウールを充填しています。この音量は、ちょうど都心の住宅地レベルです。その秘密は、グラスウールを充填した扉や枠内部と、気密性を高く保つことができるダブルパッキン、扉に密着するローラーハンドルなどの構造にあります。

防音ドア [SF (スチール・不燃タイプ)] G40

DAIKENおすすめのスチール製防音ドアのG40タイプ。防音性能42dBを有し、例えば90dB程度の声楽なら、本製品を通すと48dB程度、つまり家の中のテレビや水洗トイレ程度の音量に下げてくれます。シングルパッキンとローラーハンドルが部屋の密閉性を高めてくれます。オプションでバリアフリーにも対応できる機能性の高い防音ドアです。

ロックウール・グラスウールの特性を生かした製品を活用しよう

ロックウールとグラスウールの違いや、DAIKENのおすすめ製品についてご紹介しました。両者はよく似ており、ともに安全性の高い鉱物繊維ですが、微妙に異なる性能の違いから、それぞれ断熱建材や防火建材、吸音製品として利用されています。

DAIKENでは、耐震性や防火性に優れたロックウール建材と、グラスウールを充填した製品をご用意しています。自宅の災害対策をご検討中の方はDAIKENの『ダイライト』シリーズを、日常生活の音漏れや騒音が気になる方や自宅で楽器演奏などをされる方は、DAIKENの防音製品をおすすめします。ほかにも多数の製品を取り扱っておりますので、快適な住まいづくりを目指しているという方は、ぜひDAIKENにお問い合わせください。

※ここに掲載されている情報は2023年11月21日時点のものであり、ご覧いただいている日と情報が異なる場合があります。あらかじめご了承ください。