旅館のリピーターを増やすには 和紙畳導入による、ニューノーマル時代の差別化戦略
コロナ禍の影響でニューノーマル時代への対応を求められている宿泊業。 このような状況下で新たな顧客やリピーターを獲得するためには、「選ばれるホテル・旅館」を目指すことが必要です。 そこで今回は、どのようなホテル・旅館が顧客に選ばれるのか、実際の事例もご紹介しながら考えていきます。
選ばれてリピートされるホテル・旅館となるために
ニューノーマルな時代においては、画一的な施設やサービスのみではリピーターを獲得できません。顧客に選ばれてリピートされるホテルや旅館になるためには、様々な企業努力が必要となります。
大切なのは接客指導がスタッフ全員に行き届いていることです。このようなことが実行されているのは当然のように思われますが、残念ながらこうした基本ができていないホテルや旅館も実際に存在します。基本を押さえた上で、細やかな気配りやマニュアルにない顧客目線の対応ができる人材を育てられれば顧客の感動を生み、「またここに泊まりたい」と思う人も増えていくはずです。
設備面においても清潔感があることが前提で、汚れ・破損がある箇所は放置せず速やかに対処する必要があります。これらの基本がクリアできていなければ、せっかく足を運んでくれたお客様も再訪する気にはならないでしょう。基本をしっかりと踏まえた上で、ホテル独自の設備などをアピールしたいところです。
また、リピーターを増やすための方法としては、会員登録をしてくれたお客様にメールマガジンで優待券を提供したり、宿泊のたびにポイントがたまるシステムなどを導入したりすることもおすすめですが、リピートしてもらうためには「このホテルのここが良い!」と思ってもらえる魅力的な空間づくりを追求し続けることも必要でしょう。
キュレーションホテルによる日本初の差別化戦略
魅力的な施設をつくるための差別化事例として紹介したいのが、静岡県熱海市にある築80年超えの旅館を再生したホテル「熱海桃乃八庵(あたみとうのやあん)」。このホテルは、キュレーター、つまり「目利き」が見立てた伝統工芸品やアート作品を館内に散りばめた魅力的な空間が楽しめる「日本初のキュレーションホテル」です。地域文化をもとに、キュレーターが建材から調度品など隅々までプロデュースしており、まさにこの地ならではの「和の心」も味わうことができる差別化されたホテルです。 今では再現できない和風建築の伝統意匠を可能な限り残しつつ、現代アートと調和させた館内は壮観で、世界的デザイン賞での入賞も果たしています。
そして、熱海桃乃八庵では館内の床が水回り以外すべて畳敷きとなっています。
スリッパを使わず裸足で歩けるので、館内のどこにいてもくつろぎを感じることができます。特に畳敷きの階段は珍しく、そのふかふかさとした感触に心を奪われる利用者も多いようです。 このようにさりげなく「和」を感じさせる演出も、他の宿泊施設との差別化につながっているといえるでしょう。
使う場所やインテリアを選ばない和紙畳の魅力
日本のホテルや旅館で、伝統的な和のしつらえを体感してもらうには、畳を活用することが効果的です。ただ、宿泊施設は絶え間なく人の出入りがあるため、畳表が傷む早さには注意が必要です。 畳表の素材には、イ草のほかにも樹脂や和紙など様々な種類がありますが、長期的な使用を想定してメンテナンスも含めた検討・選定をするべきでしょう。
和紙畳はイ草に近い質感・クッション性を持ちながら耐久性も高く、紫外線による色あせやカビも発生しにくいため、長期にわたって美しさを保ったまま使い続けることができます。また、カラーバリエーションも豊富なので場所を選ばず、あらゆるインテリアのテイストに合わせられるのもポイントです。
ホテルや旅館のリピーターを増やすためには、接客の質向上や再来訪時の特典などに加え、お客様の印象に残る差別化戦略が必要です。その演出を彩る一翼として、和洋のどちらにもマッチする和紙畳を活用してみてはいかがでしょうか。
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