
天井の点検口は必要? 部屋の防音に配慮するなら点検口や換気口、開口部にも対策を
点検口とはどんなもの? その用途は?
まず、点検口の役割についての基本を確認しておきましょう。
●点検口とは
点検口とは、天井裏や壁の内部、床下など建物内部にある配管や配線の点検をする場合に使う入口のことです。内装や外壁など屋内外の表面は容易に観察できますが、建物の内部を観察するのは大変です。そんな時に活躍するのが点検口なのです。
●点検口の用途
点検口の用途には、次のようなものがあります。
・配管の点検
住宅の中には、水を引き込む給水管、湯を供給する給湯管、水を外に出す排水管などがあります。浴室点検口やキッチン点検口は、こうした配管の点検時に使います。
・電気配線の点検
電気配線にも寿命があります。天井や壁の点検口から劣化状況をチェックし、必要があれば交換します。自然災害などで停電した時、停電の原因を調べて特定する際にも点検口は便利です。
・換気システムの点検
換気扇本体や換気用ダクトの点検にも点検口が使えます。傷んだ換気扇の交換や修理の際に点検口を利用するとスムーズです。
・構造体の確認
住宅を売買する時の住宅診断で、建物の骨組みである構造体を確認する際に点検口が役に立ちます。内部の状態を細かい部分まで把握することで、住宅の評価がしやすくなります。
・経年劣化の早期発見
点検口から建物の内部をチェックすると、表からは見えない建物の老朽部分を特定しやすくなります。これは、漏水などの事故を未然に防いだり、建物を長持ちさせたりすることにもつながります。
●点検口の形状
点検口には、点検口の外枠と蓋の縁にあたる内枠の2つの枠があります。この枠の形状によって、点検口は次の2種類に分類されます。
・額縁タイプ
仕上げ材と点検口の境目にある外枠と内枠が目立つタイプの点検口です。
・目地タイプ
外枠と内枠の幅をスリム化し、目立たないようにした点検口です。天井や壁、床に設置されている点検口がインテリアを邪魔しないので、部屋の雰囲気にこだわりたい人におすすめです。
●点検口は後付け可能?
点検口は後付けも可能です。浴室には点検口が設置されていることが多いですが、ほかの部屋の天井や壁にも適切な位置に設置し、設備点検をしやすくしておくことをおすすめします。
点検口の種類とその役割

点検口は水回りなど配管付近に設置する場合が多く、設置場所によりそれぞれ役割も異なります。
●天井点検口
天井裏など見えないところにある配管や配線、換気扇本体などの点検やメンテナンスに使用します。
●浴室点検口
浴室にある換気ダクトの配管や電気配線などのメンテナンス用です。
●壁と床下点検口
壁は上下階を通る配管のメンテナンス用で、特にマンションに設置されています。
床下点検口は床下を通る給排水管の点検のほか、基礎や断熱材などの劣化状況の確認、床の補修、シロアリやカビなどが発生した場合のメンテナンスなどに使います。
●キッチン点検口
キッチンの給排水の配管メンテナンス用です。
このように、天井点検口は主に天井裏の配管など点検やメンテナンス用として設置されており、配管が通らない居室に設けることはあまりありません。浴室の天井には必ず配管点検用の点検口があり、蓋の大きさは約45cm角程度です。また、給排水管が密集するキッチン内部や床下などに配管メンテナンス用として点検口が設けられています。さらにマンションの壁には、上階や下階とつながる排水管のメンテナンス用として点検口が設けられています。
点検口は必要?
配管を点検・メンテナンスするために設けられる点検口ですが、長期優良住宅やフラット35を利用した建物など一部を除き、必ずしも住宅に設置する義務はありません。
しかし、マンション、戸建てに限らず点検口は住宅を安全に保つためには必要なものです。点検口がないと住宅診断やメンテナンスで天井や床の状態を確認する際に一部を壊さなければならないことがあり、点検後に補修費用がかかってしまう点に注意しましょう。

また、住宅の定期点検や配管トラブルが発生した際の調査において、点検口から目視で配管の状態を確認できることが重要となるため、個人的な理由で点検口を撤去してはいけません。メンテナンス用の点検口は設ければどこでも良いというわけではなく、配管付近かつ物を置かない常時開放されている場所に設置することが大切です。
点検口からの音漏れを防ぐ、遮音タイプの天井点検口も!
メンテナンス用として点検口が必要であることは分かっていても、音漏れが気になるという方もいらっしゃるのではないでしょうか。天井に穴を開けるわけですから、何の対策もしないと上階からの音の侵入や部屋からの音漏れは少なからず起こります。
部屋からの音漏れが気になる場合は、遮音タイプの天井点検口を採用する方法があります。DAIKENの『天井点検口 遮音タイプ』は、各部に気密性を高める特殊気密パッキンを使用しており、高い遮音性能と気密性能を発揮します。

また、点検口の内枠の脱落を防止する金具や、不意に全開にならないための落下防止ワイヤーなど安全にも配慮しています。リフォームの内容によっては現在、点検口のない場所に点検口が必要になるケースもあるので、新たに天井を開口する場合や、音に配慮した部屋づくりをするならDAIKENの『天井点検口 遮音タイプ』を検討してみてはいかがでしょうか。
DAIKENの『天井点検口 遮音タイプ』は、戸建て住宅やマンション向けに2種類の遮音性能をそれぞれ2サイズご用意しました。60cm角サイズは、点検や軽微なメンテナンスに便利なサイズです。
戸建て住宅でも、マンションでも、生活環境によっては音の問題に悩まされることがあるかもしれません。特にマンションでは上下左右に他の住戸があるため、音に対する配慮が必要ですし、音の出入り口となる天井点検口の遮音も気にかけたいところです。
天井点検口の遮音対策の選択肢として、DAIKENの『天井点検口 遮音タイプ』の採用をおすすめします。
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監修者
淀川 美和(よどがわ みわ)
株式会社アートアーク一級建築士事務所代表。一級建築士、インテリアコーディネーター、2児のママ建築家。「ママをきれいにする空間づくり」 をミッションの一つに掲げ、住宅・店舗・ホテル等の設計、内装コーディネート、メディア出演等を行う。自身も仕事と家事と育児のバランスをとりながら、忙しいママがいかに快適に家族と暮らせるかに焦点をあてつつ「お部屋のコンシェルジュ」として皆さまのお役に立てるよう奮闘中。
保有資格:一級建築士、インテリアコーディネーター、建築士会インスペクター、健康住宅アドバイザー、整理収納アドバイザー2級、アロマ検定1級
公開日:2024.01.31 最終更新日:2025.02.20