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フローリングが滑る! その対策法と高齢者やペットが歩きやすい床リフォーム

フローリングが滑る! その対策法と高齢者やペットが歩きやすい床リフォーム



なんだか、フローリングがツルツルと滑りやすい……と感じることはありませんか?
もしそうであれば、万が一のことも考えて事前にできる対策をしておきたいものです。
高齢の方や小さなお子さんがいらっしゃるご家庭、そしてペットを飼っている方などは早めの対処で安心できる生活を手に入れましょう。

本記事では、フローリングの滑りへの対策や、将来に備えた滑りに配慮したリフォームについてもご紹介します。

床の滑りに配慮を! 滑りやすい床は放置すると危険!

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東京消防庁の調べによると、2023年中に65歳以上の高齢者が救急搬送された事故の約74%が「ころぶ」事故(※)でした。
そして、「ころぶ」事故全体の50%以上が住宅等居住場所で発生(2023年中)しています。
参考:東京消防庁「救急搬送データからみる日常生活の事故(令和5年)
(※)事故種別が「その他」「不明」なものを除く

その原因の1つとして考えられるのが、フローリングの滑りやすさです。床が滑りやすいと不安定になりやすく、無意識に足に力が入ってしまいます。これでは普段の生活で関節や足腰に負担がかかるだけでなく、転倒した際に思いもよらない重大なケガにつながるかもしれません。
ご家族に高齢の方や小さなお子さんがいらっしゃる場合には、フローリングでの滑りへの配慮は必要だといえるでしょう。

また、滑りやすいフローリングで足腰に負担がかかってしまうのは、ペットも同様です。大切な家族であるペットの足腰に配慮するためにも、フローリングでの滑りへの対策を考えてあげたいものですね。

フローリングの滑りへの配慮の前に、床が滑る原因を知っておこう

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まずは床が滑る原因を知っておきましょう。

●部屋の湿度が高い

床が滑る原因の1つに、部屋の湿度が高いことが挙げられます。
湿度とは、空気中に含まれる水分(水蒸気)量の割合です。冷たい空気ほど、含むことができる水分の量は少なくなります。湿度が高くなりすぎた部屋で空気中に含みきれなかった水分は床表面に付着(結露)して床が濡れてしまいます。その結果として床の摩擦力が低下することがあり、結露の発生しやすい梅雨や冬の時期は特に注意が必要です。ただし、無垢フローリングは湿気が少ない方が滑りやすくなります。

●油汚れの付着

油汚れの付着も、床が滑る原因になります。特にキッチンの床は要注意です。炒め物や揚げ物などの料理で油が床にはね、その上を歩いて知らず知らずのうちに油を広げ、滑る範囲を増やしている場合もあります。

●ワックスの剥がれ

フローリングのワックスは表面を保護するだけでなく、滑り止めの役割も果たします。しかしそのワックスが剥がれてくると、床が滑る原因になります。「水や洗剤をこぼす」「強い粘着クリーナーで床を掃除する」「家具を引きずる」などの行為はワックスの剥がれにつながるので、十分注意しましょう。また、フローリングの上を歩いたり座ったりすることでもワックスは少しずつ剥がれていきます。特に家族がよく歩く場所の床は滑りやすくなることが多いです。

●シリコンスプレーの付着

フローリングに付着したシリコンスプレーは、床が滑る原因になります。シリコンスプレーはシリコン被膜という膜をつくることでサビを防止し、滑りを良くします。しかし、使ったシリコンスプレーが床に付着すると床が滑りやすくなってしまうため、室内でシリコンスプレーを使う際は必ず新聞紙などを敷いて床をガードしてください。

●経年劣化

経年劣化によってフローリングの表面が摩耗し、滑る原因になることもあります。フローリングの経年劣化が激しい場合は、滑りに配慮した床材へのリフォームを検討する時期かもしれません。

床を滑りにくくするための「床滑り止め」対策法とは

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フローリングを滑りにくくするためには、どのような対策をする必要があるのでしょうか。いくつか対処法をご紹介します。

●床についた油汚れはきれいに掃除する

調理の際の油は、思いのほか広範囲に飛び散ります。放置したままにしていると、スリッパや靴下に付着して部屋全体に広がりやすいため、こまめな掃除を心がけましょう。

●ワックスを定期的にかけ直す(ワックスがけが必要な床材の場合)

ワックスには床の滑り止めのほか、床を傷から守ったり目立たなくしたりするため、年に1回程度のペースで定期的にかけ直しましょう。劣化の程度にムラが出ないよう、かけ直す際は部屋単位で行うのがおすすめです。

●コルクマットやジョイントマットを敷く

滑り防止のためには、コルクマットやジョイントマットも有効です。床滑り止め効果に加え、ほどよいクッション性が足腰への衝撃を軽減し、万が一の転倒の際にもダメージを和らげてくれるでしょう。
しかし、マットを敷く場所によっては段差ができるため、高齢の方や小さなお子さんがいらっしゃるご家庭では注意が必要です。また、マットの材質によってはフローリングが変色するおそれがあるため、材質選びは慎重に行いましょう。

●経年劣化による滑りには床リフォームが安心

10年、20年と経年劣化したフローリングは、床の表面が摩耗してさらに滑りやすくなる可能性があります。より安心感を得たい方や、将来に備えておきたい方には、床リフォームを考えてみるのも1つの方法です。ワックスのかけ直しが手間に感じるなら、ワックス不要タイプの床材もあります。

ペットに適した床滑り止め対策

ペットに適した床滑り止め対策
ペットを室内飼育している方も多くいらっしゃることでしょう。前述したように、滑りやすいフローリングはペットにとっても負担が大きく、足や腰を痛める場合もあります。ペットの足腰に配慮した環境づくりのポイントをご紹介します。

●床の一部にタイルカーペットを敷く

タイルカーペットは裏面がゴムで作られており、感触がやわらかく、ペットの足腰に負担がかかりにくくなります。また、タイルカーペットは1枚ごとに敷くことができますので、劣化した部分だけを外して交換することも可能です。

●ペット用マット

ペット用マットは床に敷くだけなので設置も簡単です。
滑りに配慮しているだけでなく、撥水効果があるペット用マットなら粗相をした場合でも慌てずにすみます。

フローリング床の滑り対策は 人間だけでなく、ペットのことも考えてあげましょう。

お部屋ごとに滑りに配慮した床材を使用する方法も

床滑り止め効果のある床材

フローリングは掃除がしやすく見た目が美しい建材です。しかし、油の付着やワックスの剥がれなどで滑りやすくなる場合があります。キッチン、トイレ、洗面所は油を含む汚れが床につきやすく、さらに人の出入りする回数も多いため、ワックスが剥がれやすい環境です。

床リフォームでフローリングの滑り止め効果を高めても、定期的なお手入れは必要です。
そこで、キッチン・トイレ・洗面所などの共用部分を耐水性や汚れに配慮した床材に思い切って変えてみるのも良いかもしれません。

高齢者やペットの滑りに配慮した床へとリフォームを

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より安心できる床リフォームをお考えなら、将来の生活環境の変化にも対応できる機能的な床を選ぶと良いでしょう。

たとえばDAIKENの提案する滑りに配慮した床材『おもいやりフロアⅤ』もその1つ。滑りに配慮しているだけでなく、車椅子やキャスター付きのイス(※)、杖などによる傷や凹みがつきにくいため、高齢の方や介護が必要なご家庭におすすめの床材です。
(※)金属製キャスターや球状キャスターは使用しないでください。キャスターの使用頻度が高い箇所は、カーペットなどを敷いて床を保護してください。

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また、大切なペットの健康のためにリフォームをお考えの方もいらっしゃるでしょう。
そのような方向けに、DAIKENでは小型犬の歩きやすさに配慮した床材『ワンラブフロアⅤ』(※)をご用意しています。
床の滑りにも配慮されているだけでなく、吐き戻し・おしっこなどの汚れにも配慮された機能性の高さが魅力です。

(※)本製品は小型犬の肉球の滑り抵抗を考慮しておりますが、全てのペット(犬・猫)の歩行に最適とは限りませんのでご注意ください。

既存の床の上から貼れる『ワンパークフロアスリムⅣ』も、リフォームで取り入れやすくおすすめの床材です。
ペットに適した機能性はそのままに、厚さ4mmと扱いやすく、両面テープのみでの設置もできるなど施工がしやすいのも特長です。

なお、今回ご紹介したDAIKENの床材は、いずれもワックスをかける必要がなく(※)、お手入れもカンタンです。

(※)ワックスは必要ありません。お客様のご都合によりワックス掛けされる場合は『DKワックスネオ』をご使用ください。他のワックスは塗りムラや密着不良の原因となります。
(※)ワックス掛けされますと、ワックス膜により床材表面本来の性能や質感が損なわれますので、ご承知ください。

いかがでしたか? “床の滑りやすさ”は、毎日の暮らしの中に潜む危険な要素となりえます。フローリングの滑りやすさへの対策は、早めにしておくことが家族やペットのためになるでしょう。ぜひ今できることから、試してみてはいかがでしょうか。

こちらの記事もチェックしてみてください。
関連記事⇒「フローリング張り替え時、家具や壁との相性の良い床材の種類や色選びのコツとは?

  • しかまのりこ
  • 監修者

    志鎌のり子(しかまのりこ)
    一般社団法人日本模様替え協会 理事/COLLINO一級建築士事務所代表。

    日本女子大学住居学科卒業、五洋建設でマンション・ビルの設計監理/内装デザインを10年担当。その後、日本ERIにて住宅検査など10年担当、設計・検査・審査した住戸数は延べ5,000件以上にのぼる。現在は部屋を「機能による空間分け」「動線」「収納」の観点から模様替えする独自のメソッドにより、機能的な部屋づくり/仕組みづくりなどを提案。書籍「家具配置のルール」のほかSUUMO、AERAwithKids、建築知識ビルダーズ、住まいの設計など著書多数。

    保有資格:模様替えアドバイザー 一級建築士 建築基準適合判定資格者 住宅性能評価員 建物耐震診断士 フラット35適合証明検査員 など

公開日:2021.06.29 最終更新日:2025.02.20

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