【第2回】 若手税理士が教えるビジネス経営ガイドライン「押さえておくべき3つのこと」

ビジネス経営ガイドライン

2024.02.27

前回は、独立税理士から見た設計事務所経営の特徴と、経営の核になるであろう事務所のポリシーや士業としてのあるべき姿についてお話ししました。第2回となる今回は、実際の経営失敗談を交えながら、事務所経営において押さえておくべき重要なポイントについてお話します。

  • 執筆者

  • 野島 正敏 氏
  • クリアビュー公認会計士・税理士事務所
    代表
    野島 正敏 氏
    慶應義塾大学在学中に公認会計士試験合格。大学卒業後 PwC 税理士法人に 8 年勤務し、日系上場企業の税務顧問や、オーナー企業の事業承継業務などに従事。2021 年に会計事務所を立ち上げ、「企業の成長と継続に貢献する」ことをミッションに、会計・税務の面から企業の経営をサポートしている。

設計事務所の経営失敗談

ビジネス経営ガイドライン

本コラムの執筆にあたり、設計事務所の経営者様と対談を実施しました。その中で伺ったトピックスをいくつかご紹介します。

●失敗談1:最初は営業のノウハウがなく、集客で苦労した(50代/事務所開業20年超)
独立してすぐの頃、「設計事務所の仕事はこうあるべきだ」という思い込みが、集客の機会を逃す原因になっていました。事務所を開業すると周囲から色々な相談が来ましたが、新築の設計以外は自分の仕事ではないと思い断っていました。例えば、「社屋の外壁を塗りなおす際の色を相談したい」というお客様に対し、「塗装屋さんに聞いてください」と言ってしまっていました。そのお客様は、本当は増築やリフォームを予定していたかもしれないということに後になってから気がつき、勿体無いことをしたと後悔しました。
それからはお客様の潜在的なニーズをかぎ取るよう努め、建物のどんな悩みでも打ち返せるよう、知識の引き出しを増やすために勉強をしました。

●失敗談2:資金不足で苦労した(40代 事務所開業5年未満)
設計業務は請負業務のため、構造設計や設備設計の外注費が先に出ていく一方で、竣工引き渡し後の入金までにタイムラグがあります。事務所開業当初は資金不足で、外注先にお願いして支払いを待ってもらったり、...