吸音天井材で改善!
国産木材に包まれたランドマークを過ごしやすい空間に

大阪木材会館
  • ◆課題

    木材による音の反響で、会議がスムーズにいかない
    ・会議室やホールにおいて、木を活かした内装だったため、声が反響し聞き取りにくいことがあった

    ◆解決策&ソリューション

    シミュレーションで、最適な吸音対策を提案
    ・残響音を数値化し、最適な吸音製品を数パターン提案
    ・既存の天井に、吸音天井材を上張りすることで、声が反響しづらい環境をつくる

    ◆効果

    期待通りの吸音効果で聞き取りやすい空間に
    ・会議中の声やマイク音の反響が程よく抑えられ、聞き取りやすい空間に
    ・目地が見えづらいデザインで木と馴染む空間に

大阪木材会館|大阪府

大阪木材会館は、2019年に大阪木材業界の新たなランドマークとして、木材の街 大阪市住之江区平林に建設されました。ウッドファースト街づくりの先鞭となる国産材を活用した木造2階建ての会館。2025年大阪・関西万博での木材利用推進のリーディングケースの拠点として、また木材普及啓発の発信基地としての役割を担っています。

本館はオープン以来、関係者の執務や木材利用の交流の場として、活発に利用されてきました。一部の部屋で声の響きが気になるという意見が上がり、吸音対策を検討。その中で、DAIKENの吸音天井材『クリアトーン』が採用となりました。一般社団法人大阪府木材連合会の三宅英隆氏と橋本真一氏に、採用経緯や吸音効果についてお話を伺いました。

  • お話を聞いた方々

  • 三宅 英隆 氏
  • 一般社団法人 大阪府木材連合会
    専務理事
    三宅 英隆 氏

  • 橋本 真一 氏
  • 一般社団法人 大阪府木材連合会
    事務局長
    橋本 真一 氏

木の良さを五感で感じられる、木材普及の発信基地

―木材会館のコンセプトは?

専務理事 三宅氏
本館は、木材普及啓発の発信基地、ランドマークとして国産木材をふんだんに活用した建築となっています。工法は、木造ブレース構造+大黒柱。大黒柱には、西日本最大級の直径(100cm)の100年生宮崎県飫肥杉を使用しました。大黒柱は会員の津田産業の社有林より伐採されたものを寄付していただきました。施工も大手ゼネコンなどには依頼せず、会員企業の力で進めました。文字通り、自分たちの手で作り上げた施設です。

大阪木材会館

建物の象徴である大黒柱と天井の『クリアトーン』

―木材普及啓発に込めた思いは?

専務理事 三宅氏
現代建築において、木材は長らく燃えやすい、腐りやすいとして避けられてきた傾向にありました。ただ、近年の技術進歩によりその点は驚くほど改善され、大規模建築でも構造、内外装での使用が広まっています。一方で、地球環境への貢献も期待されています。木材は鉄骨に比べ、生産過程でのエネルギーが約4割減るといわれています。また、木材は大気中の二酸化炭素を吸収して生育し、固定する機能や調湿効果などもあります。

なにより、古来より木に親しんできた日本人にとっては、木に包まれた空間にいると、香りとともに心が安らぎます。私どもは環境に配慮した強くて、美しい建築材料、木材の良さを発信したいと思っています。本館はそんな古くて新しい木の良さを五感で感じていただける環境にも健康にも良い場所となっています。

大阪木材会館

専務理事 三宅氏

会話時の声の反響対策
残響音をグラフ化し、説得力のある提案

―吸音天井材『クリアトーン』採用の経緯は?

専務理事 三宅氏
本館はオープン以来、会議、セミナー、音楽コンサート等、活発に利用されてきました。
しかし、1階ホールと2階会議室で、声の響きが気になるという意見がありました。
声が響く原因として、3つの要因がありました。

・木を活かした「木材あらわし仕様」の内装
・一般物件より高い天井高
・石膏ボード仕上げの天井

木を活かした内装は、音楽コンサートで利用した際は、楽器の響きがよかったのですが、会議やセミナーで利用した際は、声が響いて聞き取りにくいこともありました。
対策を検討している中で、会員の津田産業さんからDAIKENの吸音天井材をご紹介いただきました。DAIKENは吸音や音響に関する製品を多く取り揃え、技術的にも信頼できるということでご提案いただくことにしました。

DAIKENはすぐに現場に来て、現状の音響を測定してくれました。
その結果、残響時間が長いため、通常よりも会話が聞き取りづらい状態であることが判明しました。
この問題を改善できる製品を、シミュレーション結果とともに複数提案してくれました。
その中から、最も効果的な『クリアトーン』を選びました。

大阪木材会館

2階会議室

―吸音天井材『クリアトーン』採用の決め手は?

専務理事 三宅氏
DAIKENからの提案は数値に基づいていて説得力がありました。また技術も進んでいる会社という印象があったので、全面的に信頼していました。吸音性能や予算面なども含めて、一番適切な対応が天井に吸音天井材『クリアトーン』を設置ということで、採用を決めました。

事務局長 橋本氏
既存の天井に上張りする大掛かりでないシンプルな施工だったのもよい点でした。実際に、1階ホールと2階会議室2部屋を、トータル3~4日程度で施工が完了しました。通常業務をほぼ止めず、施工時の音やにおいの問題もなく改修できたのは、よかったです。

大阪木材会館

2階会議室

 

大阪木材会館

事務局長 橋本氏

期待通りの吸音効果
木の優しい質感と調和する『クリアトーン』

―改修後の聞こえ方に変化はありましたか?

専務理事 三宅氏
期待通りの素晴らしい吸音効果でした。以前と比べて反響が減り、とても聞き取りやすくなりました。会議中の声や、マイクを使った大きい声なども反響が程よく抑えられている印象です。

同時に、意匠的には改修前とほぼ変わらないので、後付け感が出ていないことに驚きました。木の優しい質感と『クリアトーン』の白くて柔らかい表情がとてもよくなじんでいます。目地も見えづらくすっきりしたおさまりで、照明によりすこしテクスチャーが変わって見えます。これは施工後に気づいた新たな発見でした。

大阪木材会館

木材と調和する天井材『クリアトーン』

 

大阪木材会館

目地が見えづらく、照明効果により表情を変える

―今後の展望を教えてください

専務理事 三宅氏
今後、より多くの大型建築で木材の採用が進んでいくと思います。病院やホール、高齢者施設、学校など公共施設では、木材の良さとともに音の対策も同時に必要です。音の反響などで木材の吸音能力だけでは足りない場面では、DAIKENの『クリアトーン』のような吸音天井材とセットで提案ができれば、よりよいなと思っています。
木材の利用促進をDAIKENの吸音天井材で補完していただく、というのが一つの形ではないでしょうか。

 

大阪木材会館

●施設データ
大阪木材会館

大阪木材会館は、2019年に大阪木材業界の新たなランドマークとして、木材の街 大阪市住之江区平林に建設されました。ウッドファースト街づくりの先鞭となる国産材を活用した木造2階建ての会館。2025年大阪・関西万博での木材利用推進のリーディングケースの拠点として、また木材普及啓発の発信基地としての役割を担っています。

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