【第2回】設計前に押さえておきたい「歯科クリニックの室内ドア」について考える

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保護者が感じた「歯科クリニックのドアにはらむ危険や不安」

●子どもが通う「医療施設の室内ドア」に求められる配慮とは

腕の力が発達途中である子どもにとって、重い扉はなかなか開けづらいもの。さらには勢いよく開け、その反動で急に閉じようとする扉に挟まってしまったり、指をつめてしまったりといったトラブルもしばしば見受けられます。このような事態を避けるため、子どもも通う医療施設では、開けやすくゆっくり閉まる仕様をはじめ、安全性に配慮された室内ドアが求められます。

●クリニックの室内ドアは子どもにとって開けづらいことも

子どもが通う歯科施設の室内ドア(扉や取っ手)へ感じたことついてDAIKENが独自調査を行ったところ、未就学児の保護者のうち27.3%の方が「扉が重く子どもが開けづらそうだった」と回答しています。

◎診察室の「扉や取っ手」について、危険や不安を感じたことがあれば教えてください

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子どもの握力に関してスポーツ庁による統計「平成30年度体力・運動能力調査概要『加齢に伴う握力の変化』」を調べると、6歳児の握力は高齢者よりもさらに弱くなっていることがわかります。

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出典:スポーツ庁「平成30年度体力・運動能力調査概要」体力・運動能力の加齢に伴う変化の傾向「加齢に伴う握力の変化」(P2)を元に作成

あらゆる年代の方が利用する医療施設では、握力(筋力)が弱い方への配慮が必要です。子どもをはじめ、高齢者や手足が不自由な方も使いやすいよう、少しのチカラで開く引き戸タイプが理想です。

●子どもの予測不能な行動が招くアクシデント

DAIKEN独自調査の結果を更に見ていくと、20.7%の保護者が「子どもが扉に身体を挟みそうで危険を感じた」、18.9%の保護者が「子どもが扉に指を詰めそうで危険を感じた」との回答を寄せています。

指詰めに関するトラブルについては「保育施設の安全について考える 室内ドアがはらむ危険性」でもご紹介した通り、現役の保育士・幼稚園教諭の78.8%が保育施設の室内ドアに対して指詰めの危険を感じています。

子どもの行動は常に予測不能であり、「まさかこんな行動を起こすとは……」の連続です。医療施設や保育施設、もちろん家庭においても、子どもの扉に関するアクシデントについて、しっかり備えておく必要があるのです。

●不特定多数の人が利用する医療施設では感染対策にも配慮が必要

また、歯科施設の室内ドアへ感じた不安については、18.9%の方が「取っ手のウイルス対策が気になった」と回答しています。

ここまでご紹介してきたように、医療施設の室内ドアに関しては、開閉しやすく、万が一身体や指を挟んでも衝撃が少なく、更には不特定多数の方に対する抗ウイルス機能でリスクに備えることが望ましいでしょう。

【設備面での備えの例】

・少しの力で開閉できる
・勢いよく閉めてもバタンと閉じない機能
・指はさみによるケガのリスクを抑える
・ぶつかった時の衝撃を緩和する
・よく手が触れるハンドルには抗ウイルス機能を

子どもの握力でも開くような軽い扉にすることや、指はさみや感染リスクに備えた扉を選ぶことで、“キッズフレンドリー”な医療環境を整えることができます。子どもにとって優しいということはつまり、高齢者や体の不自由な方など方にとっても利用しやすいということであり、あらゆる方にとって優しい歯科クリニックとして地域に広く貢献できるのではないでしょうか。

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