ワーケーションとは? ブレジャーとの違いと宿泊施設として対応するメリット・必要な設備

ワーケーション

リモートワークなどの多様な仕事スタイルが広がる中「ワーケーション」と呼ばれる働き方が注目を集めています。似た概念に「ブレジャー」と呼ばれる働き方もありますが、2つの働き方には明確な違いがあり、この違いを理解し、宿泊施設の環境を整えて提供できれば、様々なメリットをもたらすことが期待できます。

本記事では、ワーケーションとブレジャーの違い、宿泊施設において快適なワーケーション環境を実現する設備の整備ポイントをご紹介します。

新しい働き方、ワーケーションとは

ワーケーション

ワーケーションという言葉は、「ワーク(Work)」と「バケーション(Vacation)」を組み合わせた造語で、観光地やリゾート地など、いつもの職場とは違う環境でリモートワークを活用しながら仕事を行い、同時に休暇も楽しむという働き方です。
これは2000年頃にアメリカで誕生した労働スタイルで、政府や厚生労働省、環境省、観光庁など、各省庁も普及を推進しており、近年は日本でも取り入れる企業が増え始めています。

ワーケーションには余暇主体と仕事主体の2つのパターンがあり、観光庁ではその実施形態を、さらに下記の4つに分類しています。

【ワーケーションの分類】
●休暇型「福利厚生型」
有給休暇を活用して観光地やリゾート地でリモートワークを行う
●業務型「地域課題解決型」
地域が抱える課題の解決策を地域住民と交流しながら考える
●業務型「合宿型」
いつもの職場と場所を変えて、職場のメンバーと業務を行う
●業務型「サテライトオフィス型」
施設をサテライトオフィスやシェアオフィスとして活用する

ワーケーションのメリットは、リラックスできる環境で仕事も休暇も楽しむことにより、従業員に心身の健康と生産性の向上が促せることです。有給休暇の消費や長期休暇が取りづらいという、日本の労働環境が持つ課題解決策の1つとして注目されており、優秀な人材の確保や流出を抑止する効果も期待できます。
また、従業員のワークライフバランスを向上させるだけでなく、ワーケーション先での消費活動による地域の活性化も期待できる点もメリットといえます。

ブレジャーとの違いは?

ワーケーション

出張先でレジャーも楽しむ「ブレジャー」というワーケーションと似た働き方もあります。
「ブレジャー」とは「ビジネス(Business)」と「レジャー(Leisure)」を組み合わせた造語で、普段と違う環境で仕事をして休暇も過ごすという意味ではワーケーションと同じですが、働き方は根本的に異なります。ワーケーションは「仕事も休暇も合わせて過ごす」のに対し、ブレジャーは「仕事のあとに休暇も過ごす」という仕事を主体とした働き方を指します。

もう少し具体的にいうと、ワーケーションは「日程や行き先を自分で決め、休暇を楽しみながら働くこと」で仕事も休暇も平等に考えますが、ブレジャーは「予め決まっている出張先で日程を延長して休暇を楽しむこと」であり、仕事が主体で休暇はおまけです。また、ブレジャーは基本的に会社が出張先を決めますが、ワーケーションは働く人が自ら行き先を決めることが多いので、ワーケーション対応をうたった宿泊施設は選ばれやすくなるでしょう。

快適なワーケーションを実現するために必要な設備

ワーケーション

快適なワーケーションの実現には、休暇を楽しむだけなら不要な設備や機能も、必要不可欠となる場合があります。宿泊施設としてワーケーションに対応する際、必要となる設備や機能にはどのようなものがあるでしょうか。

●通信環境
ワーケーションはリモートワークなどで仕事をするため、通信環境は非常に大切です。ワーケーションではWEB会議やサイズの大きなデータを頻繁にやりとりするため、例え各部屋でLANやWi-Fiが使用できたとしても通信速度が遅いと仕事になりません。
そのため、ワーケーションでの利用者を呼び込むためには、高速通信環境の整備が必須となります。利用者としても宿泊先の通信環境は最も気になるところですので、この部分に力を入れることは宿泊施設の大きなアピールポイントとなります。

●ワークデスク・チェア
ワーケーションはノートパソコンやタブレット端末があればどこでもできると思われがちですが、実際はデスクワークが必要となる場面もたくさん出てきます。短時間のデスクワークならテーブルやソファで十分ですが、長時間になるならワーキングデスクとワーキングチェアが欲しい、と感じる利用者も多いことでしょう。
また、ワーキングデスクとチェアがあれば、宿泊施設の中で仕事をする時にスイッチのオン・オフもしやすくなるというメリットがあります。宿泊施設としてワーケーションに対応するためには、ワーキングデスクとチェアがあるワークスペースを準備しておくと喜ばれるでしょう。

●防音対策
休暇を楽しんでいる時には気にならない物音でも、仕事をする際には気になってしまうものです。リモートワークでは必須となるWEB会議でも、騒音が入りやすかったり、声が聞き取りづらかったりする環境では支障をきたしてしまう場合もあります。ワーケーションに対応する宿泊施設としては、防音に関しても対策をしておく必要があるでしょう。
客室やワークスペースに音を配慮した床材や、吸音性能のある天井材などを導入すれば、ワーケーションに適した環境が提供できます。

また、上記のような設備を導入した後は、公式ホームページなどで積極的にアピールし、ワーケーション目的の利用者を呼び込みましょう。施設の満足度が高ければリピーターの増加につながります。
新規顧客の獲得を目指している宿泊施設関係者の方は、設備の見直しをぜひとも検討してみてはいかがでしょうか。

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