ふく射冷暖房で風を使わずに部屋中をやさしく温度調整! 安心安全に配慮した快適空間づくり

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体温調節機能が未発達な乳幼児には、日常を過ごす空間が快適空間となるよう配慮してあげたいものです。
そんな乳幼児が集まる幼保施設では、どのような冷暖房システムが最適なのでしょうか?
冷暖房の方式には、主に「伝導」「対流」「ふく射(放射)」の3つがあります。
現代ではエアコンによる対流方式が一般的で、多くの幼保施設で導入されていますが、お肌が敏感で乾燥しやすい乳幼児には、ふく射冷暖房がより適切ともいえます。
本記事では、冷暖房方式の違いや乳幼児に最適とされる冷暖房方式、そして幼保施設におすすめなふく射冷暖房についてご紹介します。

冷暖房方式の種類とは

冷暖房方式は、熱の伝わり方によって3つに分類されます。

●伝導

伝導とは、体に直接熱を伝える冷暖房方式のことです。
例えばホットカーペットや湯たんぽのように、触れた部分を暖めたり冷やしたりできます。ピンポイントで熱を伝えられるのがメリットです。

●対流

対流とは、空気や水といった気体や液体が動くことで熱が伝わる方式です。
よく利用されているエアコンは対流方式にあたります。
具体的には、エアコンが温風・冷風を出すことで空気が動き、人に伝わります。
部屋全体に素早く熱を伝えられるメリットがある一方、「ホコリが舞い上がる」「風が体にあたる不快感」などがデメリットになるため、エアコンが苦手と感じる方も少なくありません。

●ふく射(放射)

ふく射とは、物体から放射されるエネルギーにより、離れた場所にも熱が伝わる方式です。
例えば電気こたつやストーブ、床暖房などがあります。ふく射冷暖房の特徴は、ファンなどによる送風で強制的に空気を循環させずに、室温を調整できることです。

そのため「ホコリを舞い上げない」「送風による不快感がない」「音が静か」「温度ムラを抑えられる」といった多くのメリットがあります。

乳幼児にやさしい冷暖房の方式は?

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乳幼児は体温調節機能が未発達なため、室温・湿度の影響を受けやすいのが特徴です。加えて、大人よりも雑菌やホコリに弱く、室内の空気を清潔に保つ必要があります。
このことから、乳幼児にとって快適な空間づくりをサポートする安心安全な冷暖房の条件は、以下の2つが挙げられます。

・室内の空気を清潔に保てる
・風や熱の刺激が少なく、穏やかに温度・湿度を調整できる

この2つの条件を踏まえて、乳幼児にやさしい冷暖房の方式について考えてみます。

●エアコン

エアコンは対流方式のため、ホコリや細菌を巻き上げやすく、こまめなフィルター掃除が欠かせません。
乳幼児のお肌は敏感で乾燥しやすいため、エアコンの風が直接あたらないように配慮が必要です。例えば、熱中症対策としてエアコンの冷風が直接当たってしまうと体の熱を奪いすぎてしまい、乳幼児の小さな体に負担がかかってしまいます。
このことから、エアコンは乳幼児にとって最適な冷暖房方式とはいえないとも考えられます。

●床暖房

次に床暖房について考えてみます。床暖房は室内の空気を汚さないというメリットがあるため、乳幼児にもぴったりと思うかもしれません。しかし、長時間床面に体が触れて続けていると、低温やけどになる可能性もあります。意思表示をうまくできない乳幼児がいる場合は、注意しておく必要があります。

●ふく射冷暖房

ふく射冷暖房は室内の空気を汚すことなく、穏やかに温度・湿度を調節できます。
乳幼児に安心安全な冷暖房の条件を満たすため、乳幼児にやさしい冷暖房方式はふく射冷暖房といえるでしょう。

ふく射冷暖房のメリット・デメリット

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幼稚園・保育施設向きともいえるふく射冷暖房ですが、ここでメリットとデメリットについても確認しておきましょう。

●メリット

・風が直接当たらず、肌に優しい
・ホコリを巻き上げず、部屋の空気を汚さない
・部屋を均一に、穏やかに温度・湿度調整が可能

●デメリット

・室温が変わるまで少し時間がかかる
・導入コストが他方式よりも高くなりがち
・建物の構造にあわせて、あらかじめ設計しておくことが必要

このように導入する際のハードルはありますが、十分にメリットもある冷暖房といえるでしょう。

ふく射冷暖房で乳幼児のための快適空間づくり

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乳幼児の快適空間をつくるのであれば、ふく射冷暖房の導入をおすすめします。

しかし、ふく射冷暖房と聞いてもどのような設備なのかイメージがつかない方もおられるでしょう。そのような方に向けて、ふく射冷暖房システムの2つの種類について説明します。

●パネル方式

パネル方式は天井や床、壁などにふく射パネルを設置します。
そのパネル内部に冷温水や冷暖気を通すことでパネルから熱がふく射し、室内の温度を調整する方法です。

●全空気式

全空気式はエアコンから噴出される空気を床の中に送って、床に配置したパネルがふく射熱に変えることで部屋全体の温度を調整します。

全空気式のメリットは「全館対応しやすい」のと「低温やけどのリスクが低い」ことです。理由としては、従来の床暖房ほど床表面の温度が上がらないためです。これらのことから、幼保施設には全空気式のふく射冷暖房システムが最適といえます。乳幼児や子どもたちにとって安心・安全に配慮した快適な環境を実現してみてはいかがでしょうか。

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