
コンセント増設リフォームでQOLを向上! 増設のポイントと費用の目安
便利な家電が増え、リビングやキッチンなどで「もっと近くにコンセントがあったらいいのに」と考えたことはありませんか? 手っ取り早く延長コードを使うという方法もありますが、寿命や劣化によるリスクもあるため、根本的な解決には至りません。
本記事では、コンセント不足を安全に解決する“コンセント増設”について、新たに設置する際のポイントなどを解説します。また、コンセントの増設にあわせて検討したい壁リフォームについてもご紹介します。
コンセント増設とは
コンセント増設とは、新たにコンセントを追加したり、既存のコンセントの差し込み口を増やしたりする電気工事のことです。テレビやパソコンなど使いたい家電や電子機器はたくさんあるのに、コンセントの口数が足りずいちいち抜き差しして使うのがおっくうな方、たこ足配線に不安を感じる方、そしてコードに足を引っ掛けて起こる転倒や断線リスクを回避したい方に検討していただきたい、おすすめの工事の1つです。
●電源タップや延長コードの使用には注意が必要

使用したい機器の数に対してコンセントの数が足りないと、つい延長コードなどで間に合わせてしまいます。しかし、電源タップや延長コードには以下のような使用上の注意がいくつかあります。
・接続可能な定格容量の上限を確認し、上限を超える機器は接続しない
・コードを束ねず伸ばして使う
・コードの上に物を置かない
・定期的にほこりを掃除する
・年に1度は点検し、コードに傷みがあれば買い替える
・延長コードは3〜5年が交換の目安のため、傷みがなくても定期的に交換する
・水がかかる場所や高温になる場所で使用しない
延長コードに頼りすぎないように、コンセントが欲しい場所には増設工事をすることも検討しましょう。
●コンセント増設はどこに依頼すればいいの?
コンセントの増設工事には第二種電気工事士以上の国家資格が必要であると法律で定められており、有資格者以外の工事は禁止されています。そのため、第二種以上の電気工事士がいる施工会社への依頼が必要です。具体的には次のような依頼先があります。
・家を建てた住宅メーカーや工務店
アフターサービスとして相談する場合、図面や施工状況などの記録からスムーズな対応が期待できます。
・リフォーム会社
コンセント増設だけでなく、水回りや別の場所のリフォームもあわせて依頼できます。
・地域の電器店
家電の購入・設置からコンセント増設のような電気工事まで、電気に関する様々なことを相談できます。
・家電量販店やホームセンター
商品の購入と同時に電気工事の予約までできることが多いです。
コンセント増設の種類と費用の目安
コンセント増設にはいくつかの方法があります。コンセントを新たな場所に設置する場合と、既存コンセントを改修する場合について詳しく見ていきましょう。
●新たな場所に設置
新たな場所にコンセントを増設する場合、配線方法は2つあります。
・分電盤から新たな配線を引く(1か所につき約16,000円〜)
オーブンレンジなど、消費電力が1,000W以上の機器を使うような場合におすすめです。分電盤に空きの回路がある場合はそのまま利用できますが、空き回路がない場合は分電盤の交換も必要になります。
・既存の配線を分岐させる(1か所につき約12,000円〜)
コンセントを新しく設置したい場所の近くに既存の配線があれば、その配線を分岐してコンセントを増設することが可能です。ただし、1つの回路で利用できる電力量に変わりはないため、消費電力の大きな電化製品を同じ回路内で同時に使用すると分岐ブレーカーが落ちるおそれがあります。その場所で使いたい機器の消費電力を確認しておくと良いでしょう。
●既存のコンセントの改修(1か所につき約5,000円〜)
もともとある2口コンセントを3口コンセントに交換するなど、差し込み口を増やす方法です。比較的容易に行える工事で、工事費用も抑えられます。ただし、使用できる最大電力が1,500Wであることに変わりはありません。あくまで差し込み口を増やすだけの工事ですから、消費電力の大きな電化製品を複数同時に使用するのは避けましょう。
増設したい部屋ごとのポイントとおすすめのコンセント口数

コンセントを増設したい部屋ごとのポイントと、おすすめしたいコンセントの口数について見ていきましょう。
●リビング・ダイニング
多くの電化製品を使用する場所のため、コンセントの口数を多めに設置することをおすすめします。テレビ周りは電化製品が多く、テレビコンセントとLAN用・電話用のモジュラージャックやコンセントが一体化したマルチメディアコンセントがおすすめです。
リビングの広さが6畳までなら2口以上のコンセントを3か所、2畳増えるごとに1か所増やしていくのが目安です。
ダイニングでは使用する電化製品の数にもよりますが、4口が目安となります。
●キッチン
冷蔵庫や電子レンジ、炊飯器、ポットなど、多くの家電がある場所です。近年はミキサーや電気圧力鍋、電気調理鍋、フライヤー、コーヒーメーカーなど、様々な調理家電も多く利用されています。アース線を接続する必要がある家電も多く、使う製品にあわせて6口以上を目安に設置しておきましょう。
IHクッキングヒーターを採用する場合は、これらのコンセントとは別に200Vの電源が必要になることが多いです。
●個室・寝室
ベッド周りには照明やスマートフォンの充電用として2口以上のコンセントを1〜2か所、エアコン用として100V〜200Vのコンセントが1口必要な場合があります。デスクを置く場合は、使い勝手の良い場所に1か所設置しましょう。
●洗面所
洗濯機やドライヤー、電動歯ブラシなど使う電化製品が多いので、2口以上のコンセントを2か所以上設置しましょう。洗濯機はアース線接続が必要です。
●トイレ
温水洗浄便座用に1口、必要に応じて暖房機器や扇風機用として1口使えるよう、2口以上のコンセントが1か所あるとよいでしょう。
●屋外
防犯対策として防犯カメラやセンサー照明を後付けすることも想定して、玄関周りに最低でも2口以上のコンセントを1か所、ベランダや庭などにもコンセントを設置するのがおすすめです。
電動芝刈り機や高圧洗浄機、電動工具、虫よけアイテム、コンセント式照明など、屋外で使う道具は意外とあります。
コンセントの増設と同時に壁リフォームも検討を
コンセントの増設にあわせて、同時に壁リフォームも検討するのはいかがでしょうか? DAIKENの「デザイン壁材」や『グラビオエッジ』を採用すると、より快適で美しい住まいを実現できます。
「デザイン壁材」は、素材や質感、カラーバリエーションが豊富なため、より自由に、自分らしい空間づくりが可能です。部屋に「デザイン壁材」を取り入れるだけで、個性のある空間を演出できます。
DAIKENのデザイン壁材『化粧羽目板N』は、銘木の檜・タモ薄単板を厳選して使用した壁・天井材です。和洋を問わず、お部屋に本物だけが持つ気品と風格を演出してくれます。

DAIKENの『グラビオエッジ』は表面に凸凹があり、リアルな質感が魅力のデザイン性の高い不燃壁材です。木端積み調、レンガ積み調、石積み調、乱積み調など、様々な質感とカラーが展開されているので、今あるインテリアやこれから叶えたいインテリアにあわせてチョイスできます。

『グラビオエッジ』専用の「コンセントスペーサー」(※)も、1連用、2連用、3連用と差し込み口の列数にあわせて3種類用意されているなど、コンセント設置への配慮がされています。
(※)コンセントやスイッチを取り付けるための台座です。コンセント類は付属しておりません。
まとめ
必要な場所に必要な分のコンセントを設置することで、日常のQOL向上も期待できます。また、壁リフォームを同時に行うことで、お部屋の雰囲気を一新させることができます。あらためて自宅内を確認して、無理なたこ足配線をしている場所やコンセントが足りない場所があったら、増設を検討してみてはいかがでしょうか。
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監修者
淀川 美和(よどがわ みわ)
株式会社アートアーク一級建築士事務所代表。一級建築士、インテリアコーディネーター、2児のママ建築家。「ママをきれいにする空間づくり」 をミッションの一つに掲げ、住宅・店舗・ホテル等の設計、内装コーディネート、メディア出演等を行う。自身も仕事と家事と育児のバランスをとりながら、忙しいママがいかに快適に家族と暮らせるかに焦点をあてつつ「お部屋のコンシェルジュ」として皆さまのお役に立てるよう奮闘中。
保有資格:一級建築士、インテリアコーディネーター、建築士会インスペクター、健康住宅アドバイザー、整理収納アドバイザー2級、アロマ検定1級