家のアプローチとは何のこと? 来訪者の第一印象を左右する“建物の顔”にこだわりを

アプローチ

「アプローチ」というと、一般的には“対象に接近する”というような意味で使われますが、「家のアプローチ」など建築用語として使用する場合は、また異なる意味となります。
住宅や施設にとって、このアプローチは建物のイメージや利便性に大きな影響を与えるため、本記事では、建築用語としてのアプローチの意味や、アプローチ計画のポイントなどについてご紹介します。

建物の顔とも呼ばれる、アプローチとは?

アプローチ

アプローチとは、主に敷地と道路が接する境界から門、玄関までの通路とその周辺を指します。来訪者にとっては建物と最初に接する部分であり、第一印象に大きな影響を与えることから、「建物の顔」とも呼ばれています。

アプローチは単なる通路としての機能を持つだけでなく、周辺の環境との調和が非常に重要な場所でもあります。建物と周辺の環境における一体感を表現することで、建物に対する印象をより高めることができるためプランニングの段階で周辺環境とのマッチングや、来訪者に与える印象を考慮することが大切です。
建物のデザインとマッチしていないアプローチは、全体の印象を損ねることがあるため、計画する際は慎重に進めましょう。

住宅のアプローチを計画する時のポイントは

アプローチ

建物全体のイメージや利便性を高めるため、住宅のアプローチを計画する時に押さえておきたいポイントを4つご紹介します。

●アプローチは建物の空間全体とトータルで検討する

住宅のアプローチは、道路などの公的空間と私的空間をつなぐ部分であり、敷地の条件、道路の形状、建物の外観やエクステリア、車庫との面積配分、動線などを総合的に考慮する必要があります。これらをバランス良く配置することで、アプローチ全体のイメージがアップします。

●道路から玄関までの動線をスムーズに

道路から玄関までの動線は、できるだけスムーズにすることが基本です。ただし、アプローチにはゆとりを考えた演出や防犯面に対する配慮も必要です。
動線は短いほど効率が良くなりますが、アプローチが建物の顔となる空間でもあるため、程良く距離を取って、ゆとりのある構築を計画しましょう。

●防犯対策を考慮したプランと照明計画

住宅のアプローチには、防犯対策も欠かせません。死角や侵入者が潜めるような場所を作らないように注意し、道路から住宅内の様子がわかるような間取りは避けることが重要です。アプローチに暗がりとなるスペースができてしまう場合や、人の目が届きにくい裏庭などには、センサー付きの照明を設置することも検討しましょう。

●門柱やフェンス、植栽、照明を組み合わせてコーディネート

アプローチをコーディネートする時は、門柱やフェンス、植栽、照明などを組み合わせて、統一感のあるデザインに仕上げましょう。最近は、様々な種類のアイテムやパーツが増えてきており、アプローチを計画する際の幅も広がってきています。建物との調和や季節に合わせたアレンジなど、細かい部分にもこだわることで、より親しみやすいアプローチ空間をつくることができます。

高齢者施設のアプローチを計画する際に大事なことは 

アプローチ

高齢者施設のアプローチを計画する時に大事なことは、利用者や訪問者がスムーズに移動、出入りできるようにすることです。そのためには、通路のバリアフリー化が基本となります。道路や敷地に高低差がある場合は階段やスロープを設置して、雨や泥などでも滑りにくく安全性の高い素材も使ったアプローチを構成しましょう。

もう少し具体的に言うと、階段は、勾配の緩やかなものにして、踏面の寸法を充分に取って両側に手すりを設置し、さらに、段鼻部分の色を変えると、より安全性が高まります。

スロープは、バリアフリー法で1/12以下という基準がありますが、車いすでの自走を考慮すると1/15以下の緩勾配が良いでしょう。距離が長くなる場合は折り返しや平坦部を確保するなど、利便性を考慮した計画が重要です。また、夜間の利用者や訪問者の安全を確保するため、動線部分は均一な明るさを維持し、必要に応じて照度の高い足元灯の設置を検討しましょう。

ただし、これらができていたとしても「建物の顔」であるアプローチの周辺に雑草などが生えているようでは努力も台無しとなり、印象的にも良いとは言い難いものとなってしまいます。そんな時は雑草対策用の防草シートなどを活用すると、手入れの負担も減りますのでぜひ取り入れたいところです。

建物の顔として重要な役割を持つアプローチ。建物の用途に関わらず、利用者や訪問者の好印象を引き出すには、親しみやすく、明るく、穏やかなイメージを演出することが必要です。こだわりのアプローチを実現したら、清潔感を維持することも非常に大切な要素です。植栽の手入れや雑草対策などもしっかりと行い、より安全で快適なアプローチ空間を作りましょう。

学校の敷地内なども雑草が放置されていると、地域住民や保護者に与えるイメージは非常に悪くなります。下記の記事をチェックして早急に対策をしたいところです。
「学校の校庭における雑草対策 除草剤を使用せずに敷地内の美観を維持するには」

商業施設においても、お客様に好印象を持ってもらうために雑草対策は必須です。下記の記事をチェックしてみてください。
「店舗周辺の雑草対策 お客様に好印象をもってもらうためにできることは?」

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