テラスとはどの部分? バルコニーやベランダ、ウッドデッキとの違いと施設名に「〇〇テラス」が多い理由

テラス

建物に面した外へつながる平らな部分をテラスやバルコニー、ベランダなどと呼びますが、これらの違いが何なのか気になったことはありませんか?
本記事ではテラスの意味や構造、バルコニーやベランダ、ウッドデッキとの違いについてまとめ、高齢者施設の名称に「○○テラス」が多い理由や、施設における「テラスと室内の関係性」と「開放感ある空間づくり」についてもご紹介します。

そもそもテラスとは? 盛り土に由来する外部のスペース

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テラスとは、盛り土によって周囲の表面よりも一段高くなった建物外部のスペースを指します。
名称の語源は古いフランス語の「盛り土」です。

テラスの構造でよく見かけるのが、盛り土の表面をタイルやコンクリートで仕上げ、建物に面して外へつながるようなスタイルです。

このように、テラスは本来、洋風建築において屋内と庭をつなぐために設けられたスペースでした。しかし、今では公園や庭園などに作られた建物に付帯しない段状の部分もテラスと呼ばれるようになりました。

バルコニー、ベランダ、ウッドデッキとの違い

テラス

テラスと似た言葉に、「バルコニー」「ベランダ」「ウッドデッキ」があります。

それぞれの違いについて構造面から解説します。

●1階なのか2階以上なのかの違い
テラスとバルコニー、ベランダとの違いは、どの階に作られているかです。
1階ないし、周囲の表面よりも一段高くなった建物外部のスペースに設置されたものは、テラスと呼び、2階以上の場合はバルコニー、もしくはベランダと呼ばれることが多いです。

●バルコニーとベランダの違いは屋根
バルコニーとベランダは、屋根の有無によって呼び方が異なります。
バルコニーは屋根のない外部スペースで、ベランダは屋根やひさし、軒があるものを指します。
ちなみに、バルコニーの下が居室になっている場合は、ルーフバルコニーと呼ぶこともあります。

●テラスとウッドデッキの違い
ウッドデッキは、建物屋内の延長として、1階リビングなどの床の高さと同じ高さで屋外につくられた、ある程度の広さがあるスペースを指します。
また、ウッドデッキはその名の通り、天然木や樹脂木で作られています。
一方、テラスはタイルやコンクリート、石材などで仕上げられたものを指すことが多いです。

高齢者施設で大切な「テラス」の存在

テラス

高齢者施設におけるテラスは大切な存在で、「〇〇テラス」という具合に、施設名の一部となることも珍しくありません。
この傾向は高齢者施設以外にも見られるため、「テラス」と聞いてビルの名前や商業施設を連想する方も少なくないでしょう。
ここでは、なぜ「テラス」を名称に含めるのかについて考察します。

●実際にテラスを設置している施設が多い
1つ目の理由として、高齢者施設では利便性を高めるために、実際にテラスを設置している施設が多いことが挙げられます。

例えば、テラスは入居者の日光浴やおやつタイムなど、健康で快適な使い方ができるスペースなので、入居者同士のコミュニケーションが活発になることが期待できます。さらに、そのような憩いの場にスロープもあわせて設置することで、車いすの方も、居室の出入りがしやすくなるでしょう。

●介護施設との相性が良さそうに感じる「テラス」のイメージ
「テラス」と聞くと、何を連想しますか?
多くの方は、日光が降り注ぐ開放感のある空間や、健康的なイメージを想像されるのではないでしょうか。

高齢者施設やビル名などに多用される理由は、「テラス」の持つそんなイメージにあります。
また、「テラス」は「照らす」にもかかるため、明るい生活を連想できるのも選ばれる理由の1つです。

●テラスのイメージを具現化する建材とは
テラスには「明るい」「開放感」「健康」といったキーワードがよくマッチします。
開放的な施設の空間をつくるためには、こうしたテラスのイメージを具現化することが大切です。

例えば、テラス部分の軒天(外壁の外側にある屋根の裏側部分)と室内天井の高さや色柄を揃えることで、テラスと室内の連続性を演出するという手法があります。

これにより、明るい木目が室内から外へ連続して張り出すように見せ、開放的な空間を演出することができます。
このような開放感のある空間は「テラスに出たい」など、入居者の生活意欲を向上させ、施設のイメージアップにも役立つでしょう。

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