図書館でリモートワーク!? 情報の宝庫でビジネス支援サービスも話題に

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働き方改革の推進やコロナ禍の影響によりリモートワークを導入する企業が増えていますが、自宅以外の場所で働く場合、コストがかかってしまうのが難点です。でも図書館ならリモートワークが無料でできる場合が多いことをご存知ですか?

この記事では、図書館でリモートワークをするメリットや注意点などをまとめつつ、最後に図書館を快適な空間にするために求められる設備についてご紹介します。

実は便利! 図書館リモートワークのすすめ

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図書館は本を借りるところ、という印象をお持ちの方も多いのではないでしょうか。そもそも図書館(公共図書館)とは、「図書、記録その他必要な資料を収集し、整理し、保存して、一般公衆の利用に供し、その教養、調査研究、レクリエーシヨン等に資することを目的とする施設」であると図書館法第二条に定められています。本の貸し出しはサービスの一部に過ぎず、実際の図書館サービスは多岐にわたるのですが、あまり知られていないのが現状です。

リモートワークが普及した昨今、図書館が資料作成などのリモートワークに適した場所であることも、また知られていません。多くの図書館は無料で利用できるうえ、作業に集中しやすい環境が整っています。近年では、入手した情報をノートではなく、スマホやパソコンで管理する方が増えたため、多くの図書館でパソコンの持ち込みが許可されるようになりました。リモートワークをおこなう場合は、図書館資料を読む「閲覧室」ではなく、資料を利用しながら勉強や調査研究をおこなう「自習室」を利用することが一般的です。
日本唯一の国立図書館である国立国会図書館でも、リモートワークが可能です。本館2階と新館2階に、機器持ち込み可の閲覧室があります。国立国会図書館は4,500万点以上の蔵書を誇り、各分野に特化した専門室や資料室が設置されているため、より専門的で信頼のおける資料を作成することができるでしょう。

図書館は情報の宝庫! 資料作りには最適の空間

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図書館の蔵書の中から、自分の求める資料を探し出すのは容易ではありません。そのようなときには、人と情報をつなぐ「レファレンス・サービス」がおすすめです。特定の資料の蔵書検索だけでなく、利用者の漠然としたキーワードを手掛かりとして、図書館司書が適切な資料を提供します。

また、2000年頃から「ビジネス支援サービス」をおこなう図書館が増えてきました。ビジネス関係の資料をまとめたコーナーの設置だけでなく、ビジネス講座の実施、専門家や専門機関の紹介など、ビジネス支援サービスの内容は、その図書館のおかれた地域の特色を反映したものとなっています。図書館でのリモートワークは、こうした情報資源・情報サービスを活用できるという点において、ほかの施設を利用したリモートワークと一線を画しているのです。情報の専門家である図書館司書が情報の入手をサポートしますので、資料作りには最適な空間であると言えます。

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しかし、図書館は本を静かに読みたい人、調査研究に集中したい人も多く利用しています。図書館でリモートワークをおこなう際は、キーボードの音や会話の声、飲食の可否に注意を払いましょう。キーボードの音やパソコンの稼働音などは、自分では慣れてしまって気が付きにくいものの、思いのほか大きな音をたてている場合があります。飲食については、多くの図書館で専用スペースが設けられています。自習室では水分補給のみ認められている場合や、飲食物の持ち込み自体が禁止されている場合もありますので、図書館の規則を事前に確認しておきましょう。

図書館でのリモートワークには、イヤホン、替えのバッテリー、ポケットWi-Fiを持っていくことをおすすめします。音声や映像を扱った資料を閲覧する場合は、必ずイヤホンを装着しましょう。イヤホンを使うことで、周囲の音を遮断することもできます。また、パソコンの持ち込みは許可されているものの、Wi-Fiや電源が利用できない図書館もありますので、ポケットWi-Fiや替えのバッテリーを持っていくと安心です。図書館によって利用できる設備や条件は異なりますので、事前に図書館の公式ホームページを確認しておくと予定が立てやすくなります。

図書館に求められる設備とは

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これからの図書館は、資料や情報を提供するだけでなく、地域の人々が情報によって交流する「場所」となることを目指しています。人と情報をつなぐ従来の図書館から、人と人をつなぐ地域の情報拠点に変わろうとしているのです。ビジネス支援はもちろんのこと、子育て世帯の交流や、地域の文化施設と連携したイベントの開催など、場所としての図書館の活用方法は、いくつもの可能性を秘めています。世代を問わず多くの方が多目的に利用する図書館だからこそ、それぞれの活動に集中できる、防音環境の整備が大切です。

これまでどおり、個人が思索を深める場としての設備の充実も欠かせません。大学図書館では個室タイプの自習室が普及していますが、近年では、公共図書館でも個室型ワークブースを設置するケースが増えています。従来の自習室では、イヤホンの音漏れやパソコンのタイピング音など、周囲の人を意識する場面が多々ありました。図書館は不特定多数が利用する場所であるため、パソコン画面をのぞかれることによる情報の流出も心配です。しかし、個室型ワークブースを設置することで、周囲の人に気兼ねすることなく、周りの音漏れやノイズを気にせず、集中してリモートワークに取り組むことができます。

また、図書館で利用できるのは、紙媒体の資料だけではありません。防音環境の整備や個室型ワークブースの導入により、映像や音楽を扱った資料が利用しやすくなります。紙媒体だけでなく、さまざまな媒体の情報にアクセスできる環境が整った図書館は、職種を選ばず、多くの社会人のニーズを満たす場所となることでしょう。

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