入院のストレスを軽減させたい! 快適な病室環境づくりを目指して

目次
医療現場で業務に携わる人たちが、患者のケアを第一に考えていながら、意外と盲点になっているのが「入院によって受けるストレス」です。
病室は患者が一日のほとんどを過ごす場所なので、少しでも快適な空間にしてあげることが重要なのは言うまでもありません。そのための何か良い方法があるのなら、積極的に取り入れたいものです。 では、「入院患者が入院によって受けるストレスとは何か」ということから考えてみましょう。
入院患者はストレスだらけ。病院特有のにおいも要因に
病院に入院している患者が受けるストレスは、たくさんありますが、主に次のようなものが挙げられます。
・入院で家族や知人に迷惑をかける
・重い病気かも知れないと思うこと
・手術・検査のことを考えると不安
・食事が冷めてまずい
・離れている家族のことを考えると不安
※出典:日本看護研究学会雑誌 Vol.17 No2.「入院患者のストレス要因に関する検討」川口 孝泰、阪口 禎男、田尻 后子、佐藤 永子、渡辺 秀俊1994
他にも、プライバシーが守りにくいことや、他人との共同生活、慣れないベッド生活、まわりからの嫌な臭い、換気の状況など様々なストレスを抱えています。
部屋の環境に焦点を当てた研究もあります。入院患者に対して行った調査では病室で感じる不快の要因に、においをあげた人の数が音や光などを上回っていました。
※出典:山梨大学医学部附属病院看護部 山梨大学大学院医学工学総合研究部(臨床看護学)2006
もともと、自分の病気に対する大きな不安を抱えている入院患者にとって、においはさらなるストレスの要因となっていることがわかります。
8割以上の職員もにおい環境の改善を希望

不快なにおいを放置していると、来院された人に「この医療施設は衛生管理や清掃が不十分なのでは……?」という印象を与えてしまう恐れがあります。
また、病院で働く人たちは、このようなにおいをどう思っているのでしょうか。 「におい・かおり環境学会誌」が病院の職員に対して2006年に行った調査によると、82.2%(106名)の職員が何らかの形で「においが気になる」と回答しています。
病院内のにおいに対する看護職員の意識に関するアンケート調査

出典:板倉朋世、光田恵、稲垣 卓造. “病院内のにおいに対する看護職員の意識に関するアンケート調査” におい・かおり環境学会誌2006年37巻6号P.439
このなかで、病院のにおいが「問題あり」と回答した人は58%と半数を超え、「改善必要」と答えた人は57%に及びました。
職員が気にするにおいにはどんなものがあるかというと、病室・病棟・汚物室などから発生するにおいで、排泄物臭や体臭・薬品臭・食べ物臭などによるものといった報告があります。
“においの気になる場所は病室、病棟、汚物室、トイレが主であり、気になるにおいの種類は排泄物臭が一番多く、その他に体臭、薬品臭、食べ物臭、タバコ臭、腐敗臭などがあった.”
引用:板倉朋世、光田恵、稲垣 卓造. “病院内のにおいに対する看護職員の意識に関するアンケート調査” におい・かおり環境学会誌 2006年37巻6号P.437
入院患者がいる病棟や病室における独特のにおいは、薬品と排泄物、それに食べ物などのにおいが混ざり合ったもので、決して心地の良いものとはいえません。病院の特質上やむを得ないとはいえ、少しでも改善したいと半数以上の職員が考えているのです。
できるだけストレスを感じさせないための、ニオイ対策

一般的な病院のにおい対策としては、換気や空気清浄機などを使用することが行われています。ただ、空気清浄機はフィルターのこまめな掃除・交換などが必要なため、職員の仕事を増やすことになり、そもそも処理能力が追い付かない場合も多々あるため、これだけでは十分といえないでしょう。
設備機器の導入だけでなく、消臭機能を持った建材を採用するのも一つの手です。例えば、消臭機能付きの天井材なら、機器などに遮られず、そこにあるだけでにおいを低減してくれるため、職員の仕事を増やすこともありません。天井のような広いスペース全体でにおいの成分を吸着することによって、病院の環境改善にかなりの効果が期待できます。
入院患者のストレスを低減する快適な病室づくりは、病院のイメージをより良いものにします。また、職員の働きやすさを改善する効果も期待できますので、まずはにおい対策からはじめてみてはいかがでしょうか。
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