【第4回】設計前に押さえておきたい 現役保育士さんが感じる床の「困りごと」

床 傷

保育施設の床に関する「現場の困りごと」

●子どもが一日中過ごす場所だからこそ「汚れ・キズ」は日常茶飯事

ハイハイする赤ちゃんや、どこでも寝転がり這いずり回って遊ぶ子どもなど、幼保施設の床は直接手や顔が触れる頻度が多いもの。さらには毎日椅子を移動させたり、硬いおもちゃをぶつけたりなど、他の公共施設と比べてもかなりハードな使われ方をしていると言えるでしょう。

●床に関する最も多い困りごとは「食べ物や土の汚れ」

幼保施設の床に関する「困りごと」について、現役の保育士・幼稚園教諭へDAIKENが独自調査を行ったところ、最も多かった回答は「食べ物や土などの汚れがつく」40.4%でした。

◎床についての「困りごと」を教えてください。

床 傷

食べこぼしや外遊びの泥汚れについての困りごとが最も多いということは、保育士さんが掃除に時間を取られてしまっている様子も伺えます。

ちなみに、既にご紹介した「室内ドアの困りごと」に関する調査においては、最も多いのは衛生対策について(41.3%)、次いで凹みやキズ(25.0%)、食べ物や土などの汚れ(19.2%)が挙げられており、困りごとの傾向がドアと床では若干異なっていることもわかりました。

●床のメンテナンス作業が発生する

床に関する困りごとについて、続いては36.5%が「凹みやキズがつく」ことについて困っているという声が多く挙がりました。

保育士さんが日ごろから気を付けていても、園児たちと多くの時間を過ごしていると床のあちこちに凹みやキズがついてしまいます。また、机や椅子をひきずってしまった時のゴム痕も、消すのはひと苦労。フローリングの凹みやキズは目立ちやすく、保護者からの印象を損ねる可能性もありますが、しっかり修繕する場合にはある程度の費用が発生してしまいます。

●床の衛生対策はかなりの重労働

そして26.9%が「衛生対策が大変である」ことについて困っているという声が多く挙がりました。

床の衛生対策はドアとは異なり面積が広く、廊下や部屋の隅々まで完全に拭き掃除を行うのは、なかなか至難の業。さらには全身を使った重労働となりますので、保育士さんの大きな負担となってしまいます。

凹みやキズのメンテナンス、そして日々の衛生対策には手間がかかります。これらの雑務を減らすことで、多忙を極める保育士さんたちの勤務時間をぐっと減らすことへ貢献できるでしょう。

【設備面でできる「困りごと」対策の例】
食べこぼしや泥んこ遊びの汚れ、おもちゃで遊んだ後の凹みキズは、子どもたちの成長過程においては仕方のないもの。園児が一日中過ごす場所にこそ、丈夫で衛生的な床材を選ぶことで、お掃除やメンテナンス、消毒作業にかかる時間の短縮へとつながり、業務効率にも配慮した施設づくりが可能になります。

・汚れや凹みキズに強い木質フローリング
・衛生対策に配慮した床材

保育士の人手不足が叫ばれ、それによる荷重労働が指摘されている中、毎日発生する掃除・衛生対策などの雑務にかかる手間を省くことで、保育士の負担は軽減できます。

そして、幼稚園や保育園を運営する側にとって、質の高い人材の“安定的確保”と“職場への定着”は、とても大きな命題となります。保育士の負担軽減や業務効率化を図ることで労働環境が改善され、保育士の離職を防ぐことに加え、一度離職した潜在保育士の復帰にも期待できるでしょう。

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