【後編】 施工事例編 『OFF TONE マグネットパネルN インクジェット特注対応』による会議室の音環境変化

エプソンクリエイティブスクエア赤坂｜東京都

point 0 marunouchi（ポイントゼロ丸の内：未来のオフィス空間を実現していくための協創型コンソーシアム）への参画をきっかけに、セイコーエプソン株式会社および、エプソン販売株式会社（2社合わせて以下「エプソン」）と大建工業の共創による製品開発の構想がスタートしました。
そして、2022年11月大建工業の吸音パネル『OFF TONE マグネットパネルN』とエプソンの印刷技術「インクジェット印刷技術」を掛け合わせた『OFF TONE マグネットパネルN インクジェット特注対応』を発売しました。音の響きを抑えつつ大画面のアートを表現できる吸音パネルです。

後編では『OFF TONE マグネットパネルN インクジェット特注対応』が初採用となったエプソンのショールーム、「エプソンクリエイティブスクエア赤坂」を音環境改善という視点でご紹介します。

―エプソン赤坂ショールーム立ち上げ後に発覚した問題とは？

エプソン　阿久澤 氏
エプソンクリエイティブスクエア赤坂は商業用途の大判プリンターを展示しており、天井が高く開放感のある空間となっています。物件の特徴を活かすため、執務スペースもパーテーションで仕切るだけ、というようになるべく囲わないようなレイアウトにしました。ただし、商談や重要な会議を行うスペースが必要だったため、大判プリンターなどを展示しているショールームの一角に会議室や執務スペースをつくったのですが、構造上、天井まで壁を立てて個室にすることはできず、天井と壁の間に隙間が空いている状態の欄間オープン対応の会議室になりました。設計当初は特に問題はないと思っていましたが、実際に運用がスタートすると、会議室の中では声が反響し、さらには会議室の外に会話が漏れてしまっていることに気が付きました。

エプソン　徳田 氏
ショールーム内のプリンターが稼働している時や人の出入りが多い時にはあまり気になりませんが、部屋の外から会議室内の会話の内容を聞き取れることがありました。重要な会議や商談の内容が外に漏れてしまうことは問題だと思いました。

エプソン　阿久澤 氏
このような音に関する困りごとがあったので、point 0 marunouchiでお向かいのブースである大建工業にその相談をしました。現地調査からパネルの枚数が１辺50枚程度と大画面になることがわかり、せっかくならその大画面を生かして、吸音パネルの表面生地に自社技術であるインクジェット印刷したいと話したところ、そこから話が進み、『OFF TONE マグネットパネルN インクジェット特注対応』の開発が始まりました。

―『OFF TONE マグネットパネルN インクジェット特注対応』設置後どのような変化がありましたか？

エプソン　阿久澤 氏
設置前と比べ、音の反響はほとんど気にならなくなりました。 特に、WEB会議では相手から「音が反響していて聞き取りづらい」と言われていましたが、設置後は問題なくWEB会議も行うことができています。また、パネル表面の森の写真がとても癒されます。デザイン部署がエプソンゆかりの長野の森の写真を選んでくれました。壁一面ほどの大きさで迫力があり、まるで自分が自然の中にいるような気分になります。印刷もきれいに仕上がっていて木や森のデザインが施されているため日々癒されながら仕事ができ、満足しています。

エプソン　徳田 氏
私は業務上会議室の外にいる時間が長いのですが、体感的に設置前と比べ漏れてくる音は半分程度減少したと感じています。会議室で誰かが話していることはわかりますが、会話の内容を聞き取れるほどではありません。 デザインも気に入っています。吸音効果とグラフィックデザインが合わさることで、音と仕事の疲れを吸ってくれているような感覚になります。

―会議室にOFF TONE を取り入れてからの反響は？

エプソン　阿久澤 氏
スタッフからとても好評です。マグネットで設置できるという手軽さもあり、本社の会議室でも採用しようかという声が上がっています。

エプソン　徳田 氏
ショールームに来たお客様からは、これだけの大きさにも関わらず、発色が良くきれいだという声をいただいています。

エプソン　阿久澤 氏
吸音性能と自由なデザインを併せ持つ吸音パネルで、エプソンと大建工業の良いところが掛け合わさった魅力的な製品だと思います。今後もさまざまな空間で音環境を解決できるのではと期待しています。