インクルーシブな職場を目指して 多様性を尊重した職場環境

インクルーシブな職場

インクルーシブ教育とは、障がいの有り無しや国籍などの違いを認め合い、共に学ぶ教育の形です。インクルーシブという概念は教育の現場だけでなく、職場にも求められるようになってきています。様々なメリットが期待されるインクルーシブな職場への取り組みは、企業戦略としても広まりつつあります。
この記事では、インクルーシブな職場とはどのようなものか、どうすれば実現できるのかを解説し、インクルーシブな職場を実現するために必要な環境づくりについて紹介します。

インクルーシブな職場とは

インクルーシブとは、直訳では「包括的」という意味です(類義語にインクルージョン=包括という言葉もあります)。インクルーシブな職場とは、簡単にいえばスタッフ間の様々な違いを受容し、互いに尊重しあえる職場のことです。障がいを持つ人、育児や介護に忙しい人、外国人など多様な背景を持つスタッフが受け入れられ、活躍でき、そして会社への帰属意識を感じられる職場ともいえます。
インクルーシブな職場を実現できれば、スタッフの士気は高くなり、社内の雰囲気は明るくなります。病気や家庭の事情で退職する人を減らすことにもつながりますし、多様な人材は革新的なアイデアを生む源泉となってくれるでしょう。

インクルーシブな職場を目指す際に気を付けなければならないのは、「多様なスタッフを集めて終わり」としないようにすることです。職場の中に様々な人材を活かすだけの風土や環境が整っていなければ、マイノリティの立場にあるスタッフは安心して活躍することはできません。インクルーシブな職場では、少数派に属するスタッフも働きやすさを感じられることが重要です。そのためには、合理的配慮が必要になる場面もあるでしょう。例えば、日本語に不慣れな外国人スタッフには英語の資料を渡す、聴覚過敏のある社員のために静かな個室を用意するなどの工夫が考えられます。

インクルーシブな職場はどうつくる?

インクルーシブな職場はどう構築していけばよいのでしょうか。人間は自分と違う人に対して無意識の偏見(アンコンシャスバイアス)を持っている場合があります。インクルーシブな職場を実現させるためには、この偏見を自覚し、問題としてとらえることが重要になります。では、インクルーシブな職場づくりの具体的なステップを見てみましょう。

1)経営トップによるビジョンや方針の策定
まずは、経営者側がインクルーシブな職場についてのビジョンや方針の策定を行います。インクルージョン推進の意味、推進した後どのような企業に生まれ変わりたいのかなどを明確にしておきましょう。

2)施策を実行する組織体制づくり
社内全体でインクルーシブな職場を作り上げていくためには、部署にとらわれず施策を実行していくための組織を構築する必要があります。

3)インクルージョンの課題解決に必要な制度やルールの策定
経営者はステップ2で作り上げた組織と協力して、インクルージョンの課題を解決するための制度やルールを策定していきます。例えば、スタッフの事情に合わせた出勤・休暇体制や能力開発支援施策についての整備を行っていきます。

4)スタッフの意識改革と行動変容をサポート
次に、スタッフ全体の意識改革と行動を変えるための支援を行います。どれだけ便利な制度やルールがあったとしても、それを使いづらい雰囲気があればインクルーシブな職場環境を作り上げるのは難しいでしょう。インクルージョンを理解し、実践できる管理職を育てることも重要です。

5)施策のチェックと改善
施策がどの程度進んでいるのかをチェックし、改善を繰り返していきます。施策を振り返る時には、意見交換の場を用意したりアンケートを実施するなど、スタッフの意見を集める仕組みを作っておくとよいでしょう。

すべてのスタッフが発言しやすい環境づくりを

インクルーシブな職場

インクルーシブな職場を実現するには、ハード面での環境づくりも大切です。
例えば会議では誰もが自由に意見を発信し、出自や障がいの有無にかかわらず参加者すべての意見が尊重されるべきです。
しかし、音が聞き取りにくい環境下では、ノンネイティブや聴覚に障がいのあるスタッフが負担を強いられることもあるでしょう。これは、話し手と聞き手の距離が離れている、音が反響しやすい構造の部屋になっているなど、会議の場では普段よりも音が聞こえづらくなるためです。この問題を解消する方法の1つに、音の反響を抑える建材の利用があります。吸音性能を持つパネルや天井材を会議室に設置すれば、お互いの声が聞き取りやすい空間をつくり出せます。

インクルーシブな職場を実現する第一歩として、誰もが会議に参加しやすい環境づくりを目指してみてはどうでしょうか。

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