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グループホームと特養の違いとは? 看取り介護への対応や求められる設備について

高齢者施設にはいくつかの種類がありますが、「グループホーム」と「特養(特別養護老人ホーム)」の違いがわからないという方もいらっしゃるのではないでしょうか。

高齢者施設の種類は、「入所施設」「通所施設」「訪問介護」に分類できます。その中の入所施設に該当するのがグループホームと特養で、どちらも介護保険が適用されるため、違いを区別しにくいですよね。

本記事では、グループホームと特養の違いや、「看取り介護」への対応、看取り介護に求められる設備について解説します。

グループホームと特養の違い

グループホームと特養は混同しやすい高齢者施設のため、それぞれについて紹介します。

●グループホームとは

グループホームとは、認知症のケアに特化した介護施設のことです。そのため、入所するためには認知症の診断が必要になります。グループホームの入居者は、少人数のグループで家事を分担するなど、互いに支え合いながら共同生活を送ります。入居者の特徴としては、認知症が軽度〜中度の方が対象となることです。認知症の重度化や寝たきりなどで介護量が増えると、特養などの高齢者施設の対象となります。

●特養とは

特養とは、特別養護老人ホームの略称で、正式名称は「介護老人福祉施設」です。特養は、要介護3以上の方が入居の対象です。認知症でなくとも入居できるのが、グループホームとの大きな違いとなります。特養に入居されている方は要介護度が高く、生活を送るうえで多くの介護が必要です。そのため、介護スタッフの介護・支援を受けながら施設で生活を送っています。

グループホームや特養に求められる看取り介護とは

グループホーム

グループホームや特養に求められるようになった看取り介護とはいったいどのようなものなのか、求められるようになった背景とともに解説します。

●看取り介護とは

看取りとは、治療が難しい終末期の方に対して、延命治療を行わずに自然な最期を迎えていただくことです。そのため、看取り介護とは特養やグループホームなどの介護施設で、その人らしく最期まで生きられるように支援することを指します。

類似する言葉に「ターミナルケア」がありますが、ターミナルケアは患者に対して痛みを緩和するなどの終末期医療を行うことを指すので、看取りとは意味合いが異なります。

●介護施設が人生の最期を迎える場所の選択肢に

昔は自宅で人生の最期を迎える方が圧倒的に多く、1950年では82.5%の方が自宅で亡くなっていました。しかし、1970年代を境に自宅よりも病院で亡くなる方が増えていき、今では約7割の方が病院で最期を迎える時代になりました。

さらに、高齢化が進んだことで、病院・家に次ぐ選択肢として特養などの介護施設で最期を迎える方が増えています。

それを裏付けるように、2015年の調査では7割の特養で看取りが行われていました。今後も、看取り介護の需要はますます増えていくと予想されます。しかし、特養は入居待機者が多く、入居したくてもできない方がいらっしゃいます。そのような方がグループホームに入居されるため、グループホームでも看取り介護のニーズが高まっているのが現状です。

環境整備で看取り介護をサポートできる

グループホーム

介護施設で適切な看取り介護を提供するためには、環境整備が重要な役割を果たします。ここでは、看取り介護を提供するための3つのポイントを紹介します。

●看取り介護をするには、基準を満たす必要がある

看取り介護をするためには、介護施設が介護保険法で定められた条件を満たす必要があります。そのため、どの介護施設でも看取り介護を実施できるわけではないので注意しましょう。
参考URL:全国老人福祉施設協議会「看取り介護指針・説明支援ツール【平成 27 年度介護報酬改定対応版】」P67「施設における看取り介護の体制構築・強化に向けたPDCAサイクル」

●看取り介護のための環境整備とは

看取り介護を実施するためには、家族に対する環境整備も重要なポイントです。例えば、終末期の入居者と家族が過ごせる個室を確保することや、家族が夜間も付き添えるように簡易ベッドや宿泊所を用意することなどです。

人生の最期を迎えるに際し、入居者本人だけではなく、家族の方も精神が不安定になりがちです。施設を訪れる家族への配慮も忘れずに意識するようにしましょう。

●看取りのための快適な空間を提供するには

看取り介護では、施設内で家族とかかわる機会が増えます。そのため、入居者と家族が快適に過ごせるような配慮が必要です。例えば、掃除がしやすく清潔な状態を保ちやすい床材を採用することも1つの方法です。また、入居者・家族の方が不快な思いをしないよう、居室に消臭機能を備えた建材を導入することも効果的です。

今後ますます需要が増えると思われる看取り介護に備えるべく、今いちど施設の環境整備を見直してみてはいかがでしょうか。

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