ロボットが高齢者施設で活躍! 介護ロボットの見守り支援機器を自立支援に使う方法

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突然ですが、「介護ロボット」と聞いてどのようなロボットをイメージしますか。
「介護士の代わりに介助してくれる人型のロボット」と思う方もいるかもしれませんが、残念ながらそのような高度な介護ロボットは製品化されていません。
しかし、一部の機能に特化することで、「介助者の負担軽減」「被介助者の自立支援」に役立つ製品がすでに多くの高齢者施設で導入されています。
この記事では、介護ロボットの見守り支援機器を自立支援に使う方法について紹介します。

どのような機械を介護ロボットと呼ぶの?

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介護ロボットは、厚生労働省が平成30年4月1日に「介護ロボット開発・普及推進室」を設置したことからわかるように、介助者・被介助者の負担軽減や自立支援を目的に推進されています。
介護施設で導入されている代表例には、体に装着することで身体動作をサポートするパワードスーツ(アシストスーツ)や、被介護者の動きなどを感知する離床センサーなどがあります。しかし、これらはそれぞれ使用目的が違うため、介護ロボットとはどのような機器や機械を指すのかわかりにくいかもしれません。
そこで、介護ロボットの定義と種類について詳しく紹介します。

●介護ロボットの定義

介護ロボットは、「情報を感知する機能」「情報を判断する機能」「動作する機能」を持つ知能化した機器や機械システムと定義されています。

離床センサーを例にあげると、3つの機能は以下のとおりです。

・情報を感知する機能:センサーにより動きを感知する部分
・情報を判断する機能:本体が離床したことを判断する部分
・動作する機能:アラームにより離床したことを伝える部分

このように介護ロボットは、収集した情報をもとに動作する機器・機械システムの総称となります。

●介護ロボットは全部で6分野もある

パワードスーツや離床センサーのように、介護ロボットの目的は多岐にわたるため、以下の6つの分野があります。

・移乗介助
・移動介助
・排泄支援
・見守り・コミュニケーション
・入浴支援
・介護業務支援

ちなみに、パワードスーツは移乗介助、離床センサーは見守り・コミュニケーションに分類されます。

著しい進化を遂げている見守り支援機器

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見守り支援機器は、被介護者が立ち上がった際に転倒するのを防ぐため、被介護者の動きを感知して介護職に伝える役割があります。
しかし、緊急度の低い場合や誤報などの場合もあります。その都度、訪室するのは介護職にとって身体的に負担ですし、被介護者もストレスの原因や睡眠の邪魔となるでしょう。
昨今の介護ロボットの推進・開発により、このような問題点を改善した見守り支援機器が登場しています。それらの機能や自立支援に役立つ使用方法についてご紹介します。

●見守り支援機器はただのアラームではなくなった

見守り支援機器はカメラ機能を搭載するなど、従来のアラーム機能だけではなくなっています。このようなタイプのメリットは、スマホやタブレット、パソコンと連携することで、端末から居室の様子を確認できることです。つまり、訪室の必要性を事前に確認できるため、不要に訪室する必要がありません。介護職にとっても、被介護者にとっても負担軽減につながります。
居室にカメラがあると聞くと「プライバシーは大丈夫なのか」と不安に感じる方もいるでしょう。そのような不安を解消するため、カメラではなくシルエットセンサーを採用している見守り支援機器もあります。また、心拍数などを感知することにより、急な体調不良をいち早く知らせてくれるタイプもあります。

●被介護者の自立支援に役立つ使用方法とは

見守り支援機器を被介護者の自立支援に役立てるには、得られたデータから被介護者の行動をしっかりと分析することが重要です。カメラ機能で撮影した動画や写真から、被介護者が何を思って立ち上がり、何をしたかったのかを推察します。
すると行動パターンや排泄パターンを把握することにつながり、被介護者が必要としているときに適切な介助が提供できるようになります。例えば、排泄パターンを把握することで、タイミング良くトイレ誘導ができるでしょう。これらの取り組みにより、被介護者の生活の質を向上できます。
また、動画を保存するメリットは、もし転倒が発生した場合でも原因を検証できることです。例えば、必要な場所に手すりを設置するなど、次の転倒予防対策につなげられます。このような対策をすることで、自立した生活を送りやすい生活環境となります。

高齢者の自立支援を設備面でもサポート

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高齢者の自立支援は、介護職や介護ロボットだけではなく、設備面でもサポートできます。高齢者の方が安心して過ごすために重要な設備は、例えば手すりと床材があります。この2つの設備の重要なポイントについて紹介します。

●歩行やリハビリに役立つ手すりの整備

高齢者の自立支援に大切なことは、できる限り自力で歩行することです。そのために、必要不可欠な設備は手すりで、居室・廊下・お風呂場・トイレなど生活導線に沿って、つなげて設置する必要があります。手すりがあることで、歩行のリハビリができるのもメリットでしょう。

●滑りやつまづきに配慮した床材の導入

高齢者にとって転倒リスクを軽減するためには、床材も重要な要素です。滑りやすい床材はもちろん転倒のリスクが高まりますが、全く滑らない素材もつまづいてしまう原因になります。高齢者向けの床材には、滑りにくくてつまづきにくい、快適な歩行感を実現できるものもありますので、チェックしてみてください。これらの床材を導入する際には、先述の手すりの併用がおすすめです。

高齢者施設では、自立支援のために介護ロボットの見守り支援機器の導入を検討すると共に、施設自体の設備の見直しをすることも大切です。被介護者が安心・安全に生活できる環境づくりを目指しましょう。

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