終活を始めるタイミングは? 生前整理から終のすみかの検討まで、やるべきことをチェック

終活

少子高齢化がいわれはじめて久しい現代、自分が高齢になり最期の時を迎えるにあたっては、家族に負担をかけたくないと考える方も多いでしょう。自分の人生を統括し整理しておく「終活」という言葉もかなり一般的になりました。この記事では「終活」をする意味、エンディングノートの作成や生前整理など、終活でやるべき具体的な内容をお伝えします。終のすみかとしては自宅のほかに、高齢者施設という選択をする人も増えています。やがて来るその時まで、健やかにいきいきと過ごすため、施設選びのポイントをまとめました。

終活とは? 最後まで自分らしく生きるために

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「終活」とは「終」の字が入っているので「自分の人生が終わった後の相続などの準備」というイメージがありますが、一般社団法人終活カウンセラー協会では「人生の終焉を考えることを通じて、自分を見つめ、今をより良く自分らしく生きる活動」と定義しています。これまでの人生を振り返り、自分がどのように生きてきたのか。あらためて振り返り、見つめなおしてみましょう。これまで当たり前と思っていた大切なものに気づいたり、不用なものに気づいたり。整理することで大切なものがより明確になります。

では終活は、いつ頃から始めるべきなのでしょうか。もちろんいつでもその気になったときで構わないのですが、多くの方が終活を始めるのは65歳前後からのようです。65歳というと、長年勤めていた会社を退職し、子供が独立するといったライフステージにあることが多いでしょう。大きく生活が変わる時期でもあり、それまで仕事や家族に向けていたエネルギーを向ける先が変わってしまうことに戸惑いを感じるかもしれません。家族のために多くのエネルギーを費やしてきた方こそ、過去と向き合い現状を見据えて、これからは自分自身としっかり向き合い生きるためにそのエネルギーを使ってほしいのです。終活は、自分のためにも、家族のためにもポジティブに取り組んでみましょう。

終活では何をすればいい?

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では、終活では具体的に何をすればよいのでしょうか。
手始めに、エンディングノートの作成から挑戦してみてはいかがでしょうか。

エンディングノートでは、
・これまでの過去を振り返る
・現在の自分の状況を把握する
・将来、どうしたいかを考える
といったことをまとめます。「自分の棚卸し」ともいえる作業です。

どこで生まれ、どのような幼少期を過ごしたか。青年期にはどのような夢を抱いたか。どのようなものに価値や喜びを感じるか。そういったことは、親子であってもなかなか話す機会がないのではないでしょうか。エンディングノートにまとめておくと、家族にとっても新たな発見があるかもしれません。

現在の状況として、所有するもの、資産などをまとめておくと家族の相続に役立ちます。同時に遺言書の作成をされる方も多いようです。現状がクリアになると、整理をつけておきたいという気力にもつながります。

墓地や葬儀の方法などを自分が望むようにセレクト、プロデュースしておくのもよいですね。生きているうちでなければできないことですから。
自分が死んだあとはどうなるかわからない、家族まかせにするしかないとあきらめていた方も、エンディングノートを作成することで遺志を家族に伝えられるのです。

終のすみかを考えるとき、少し前まではほとんどの人が「老後は自宅でのんびりと、趣味や孫の世話でもしながら余生を過ごす」と考えていたことでしょう。ただ、それには「自分が健康で肉体面・精神面・経済面で自立した生活ができ、子世代が同居または近くに住んでいる」などといった条件が必要です。現在、それらの条件を満たしている家庭はどれだけあるでしょうか。すべてが揃っているとしても、将来はどうなることかわかりません。

日本社会が長寿高齢化したことで、昔ながらの日本家屋には高齢者にとって優しくない点があることも浮き彫りになってきました。例えば階段の高さであったり、部屋と廊下の段差など、介護保険によって住宅改修にも補助が出ますが、すべてをカバーできるわけではありません。また独居高齢者あるいは同居家族のいない高齢夫婦が、家族のように緊急時にも24時間頼れるようなサービスは、介護保険ではまかなえません。

そこでもう一つの選択として、施設への入所を考えてみてはいかがでしょうか。施設というと「親を見捨てる」かのようにいわれ非難されてきた時代もありました。しかし今は自身で選択し、希望して入所される方も増えているのです。

終のすみかとしての高齢者施設選び

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高齢者施設を選ぶとき、やはり大切なのは安全性です。施設を見学する際に、暮らしやすい設備が整っているかを確認しましょう。
チェックポイントの一例としては、加齢による筋力の衰えに配慮して、廊下や階段には握りやすい手すりが必須です。また、ドアの敷居やちょっとした段差がつまずきのもとになって、転倒する事故も多く起きています。敷居のない吊り戸式のドアはそういった事故を未然に防いでくれます。そのほかにも床材は滑りにくく、安全性に配慮されているか。廊下やドアの幅は、もしも車椅子が必要になったときに十分余裕をもって通れるか。設備面でのメンテナンス、清掃は行き届いているか、などをチェックしてみてください。
終活で整理した「将来の自分」をそこにおいてみて、安全に快適に過ごせているかイメージしてみましょう。前向きに将来の自分と向き合う、終活にはそういった効用もあるのです。

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