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筋力が低下した高齢者も安心できる転倒防止・対策を 高齢者施設に必要な気配りとは

高齢化社会が進むにつれて、高齢者の筋力低下がより問題視されています。筋力が低下した高齢者は転倒の危険性が高くなり、事故が起こると健康寿命にも影響を及ぼしかねないため、高齢者施設では特に対応が求められています。 そこで、この記事では筋力低下状態の簡単なチェック方法、高齢者施設における配慮の仕方などについて紹介していきます。

筋力低下の状態を自分でもチェックしてみよう

高齢者の筋力低下について

高齢者の筋力低下の主な原因は加齢といわれていますが、転倒や骨折につながりやすいため、注意が必要な状態です。

簡易的なチェック方法としては下記のものがあります。

・指輪っかテスト

ふくらはぎの一番太い部分を両手の親指と人差し指で作った輪っかで囲みます。その際、輪っかとふくらはぎの間に隙間ができる場合は筋力が低下している可能性があります。

・片足立ちテスト

両手を腰にあてて、5㎝程度片足を上げて60秒を目標に姿勢を保ちます。もし、15秒未満でバランスが崩れる場合は注意が必要です。

・歩行速度のテスト

横断歩道を渡るときに、青信号の間に渡ることができるかをチェックします。もし、青信号の間に渡ることが難しくなっている場合は身体能力が衰えている可能性があります。

上記のテストを試してみて、もし問題がありそうな場合は、一度病院で医師に相談してみることをおすすめします。

高齢者施設で起きる事故の6割以上が「転倒・転落・滑落」!

転倒・転落・滑落

高齢者施設でも、筋力低下が主な原因と思われる事故が数多く発生しています。

主な事故としては、誤嚥(ごえん:飲食物などが気管に入ること)や送迎中の交通事故などがありますが、その中でも「転倒・転落・滑落」が増加しています。

公益財団法人 介護労働安定センターの「介護サービスの利用に係る事故の防止に関する調査研究事業」報告書(平成30年)では、厚生労働省に報告されたもので概ね30日以上の入院を伴った重大事例276件のうち「転倒・転落・滑落事故」は181件という結果がでています。その割合が重大事例全体の65.6%ということからも「転倒・転落・滑落」がいかに多いかわかります。

●厚生労働省報告276事例 事故状況分類

介護サービスの利用に係る事故の防止

出典:公益財団法人 介護労働安定センター「介護サービスの利用に係る事故の防止に関する調査研究事業」報告書(平成30年)を基に作成

「転倒・転落・滑落事故」が高齢者施設で頻発していることはわかりましたが、それではどのようなタイミングで起きているのでしょうか?

実際に181件の事例を調べると、約半数の46.7%が見守り中に発生していました。状況としては「少し目を離してしまった」「他の利用者さんを介助していた」「車いすやトイレへの移乗中」「施設内を移動中」などがあります。

●転倒・転落時の業務詳細分類

介護サービスの利用に係る事故の防止

出典:公益財団法人 介護労働安定センター「介護サービスの利用に係る事故の防止に関する調査研究事業」報告書(平成30年)を基に作成

この結果を見ても、高齢者施設においては転倒事故に対する配慮が重要であることが良くわかります。

万が一の転倒にも備えられる!

それでは高齢者施設において、転倒事故を減らすにはどうすれば良いのでしょうか。転倒対策としては「万が一の転倒を考慮した対応」があります。

まず、筋力低下の予防対策としては、高齢者に対して日常生活で筋肉量が減少しないように心掛けてもらうことが必要です。具体的には、「適度な運動で筋肉を鍛える」「バランスの良い食事をとる」「生活習慣を見直す」などが筋力低下の予防に効果的です。

ただ、どれだけ高齢者自身が予防対策をしても転倒の危険性はあるため、高齢者施設には万が一に備えておく気配りが必要です。

有効な対策の一つとして、クッション性のあるフローリングの選択が挙げられます。クッション性のあるフローリングは衝撃吸収性が高く、転倒時のケガのリスクを軽減します。

高齢者が転倒をしないような身体作りを推進し、万が一転倒した場合のために配慮している高齢者施設なら、入居者やその家族・関係者の信頼を得やすくなるだけでなく、施設で日々働くスタッフの負担も軽減できます。一度、高齢者施設におけるレクリエーションや食事、設備などの見直しをしてみてはいかがでしょうか。

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