吸音材で職場環境改善! WEB会議の質が向上する吸音の方法

吸音材で職場環境改善

職場環境はここ数年で大きく変化し、テレワークやWEB会議が急速に普及しました。そうした変化にともない、音に関する問題も増えています。

特にWEB会議などは音が聞き取りづらいと、せっかくの話し合いに支障をきたしてしまいます。会議の効率化や生産性を上げるためにも、音の問題について考えてみましょう。

WEB会議の大敵「音が響いて聞こえづらい」

WEB会議

テレワークやオンラインでの打ち合わせで今や必須のWEB会議ですが、会議を始めて気になるのが「音」。特に音が響きすぎると、会議中の正確な会話を聞き取りづらくさせてしまいます。WEB会議の進行を妨げてしまうだけではなく、意思の疎通が上手くいかず重大なミスに繋がる可能性もあるでしょう。社内会議ならまだしも、取引先との会議でこうした音のトラブルが発生すると、会社の信頼にも関わってしまうかもしれません。

では、なぜ会話が聞き取りづらくなるのでしょうか。

室内で音が発生すると、「直接音」と「残響音」として耳に届きます。直接音は音の発生源から直接届く音、残響音は壁や天井で反射して室内に拡散する音のことを指しています。残響音が残る時間(=残響時間)が長いほど、直接音がぼやけてしまい、聞き取りづらくなる、という訳です。

音の問題 エコーとハウリングの違いは発生原因にあり!

音の問題は、私たちの日常生活やビジネスシーンに大きな影響を与える場合があります。
音の不快感や聞き取りにくさを引き起こす代表的な原因として挙げられるのが、フラッターエコーとハウリング。混同されがちなこれらの現象ですが、発生原因と対処法には大きな違いがあります。

●フラッターエコー

フラッターエコーは、壁と壁、または天井と床が平行になっている空間で発生します。この状態では、音がこれらの平行面間で何度も反射し、不自然な響きを生じさせます。WEB会議などでこの現象が発生すると、会話が聞き取りにくくなることも。フラッターエコーが発生すると反響音が一定の時間残るため、音の明瞭度が低下します。

●ハウリング

ハウリングは、マイクを通じてスピーカーから出た音が再びマイクに拾われることで発生する現象です。これにより、特定の周波数が増幅され「キーン」といった不快な騒音が生じます。しかし、外部機器との連携や周囲の雑音、音量、マイクの位置などによっては、エコーキャンセラー機能があってもハウリングが発生することがあります。

フラッターエコーとハウリングはそれぞれ異なる原因で発生するため、対処法も異なります。これらの音の問題が発生した場合、どのような対策をとればよいのでしょうか。

会話が聞き取り辛い……会議室の環境が関係?!

会話が聞き取り辛い

WEB会議の進行を妨げるエコーやハウリングの対策としては、「マイクの音量を調整する」「マイクとスピーカーの位置を移動する」「ノイズキャンセル、エコーキャンセル機能付き機器を使用する」などの方法があります。マイクの音量を下げることで軽減できる可能性もありますが、その代わりに会議の話が聞き取りにくくなってしまうのが難点です。音の発生状況によって機器の調整が必要です。

また、「室内環境」にも悪化させる原因がある場合があります。

特に会議室の場合は空間そのものが狭いので、音が反射し響きやすい環境になっている場合があります。残響時間が長くなっているので、吸音材を使用して響きを抑え、最適な残響時間に調整することで改善できます。

しかし、ただ吸音材を設置すれば解決!という訳にはいきません。「フラッターエコー」の場合、平行面で音が反射しているため、そのどちらかに吸音材を配置して音を吸収させる必要があります。吸音材は量だけでなく、設置する場所にも注意が必要です。

ハウリングについても、基本的にはマイクとスピーカーの設定が重要ですが、吸音材を設置することで、反射音の一部が吸収され、音の増幅を抑える効果が認められるでしょう。

オフィスなどの吸音においては空間の用途に合わせて音の「響きの長さ」を調節することも重要です。
残響時間は、部屋の用途と大きさで適切な値が変わってきますので注意が必要です。例えば、リスニングや音楽演奏用の部屋などでは音が響く方が良いですが、視聴覚室やオフィスの会議室などのような場所では、音声が響かない方が聞き取りやすくなります。
具体例を挙げると、12畳のリスニングルームの最適な残響時間は0.5秒ですが、12畳の視聴覚室では最適な残響時間は0.3秒弱と言われています。また、同じリスニングルームでも6畳では最適な残響時間が0.4秒強になるなど、部屋の大きさによっても変化します。

会話が聞き取り辛い

このように、その空間の用途に沿った適度な響きを実現できているかどうかが重要になります。空間・用途で静けさの目標数値は変わり、適切な吸音率の設定が求められるので、事務所、会議室、応接室など、その用途ごとに求められる吸音性能や遮音プランを検討しましょう。

快適な音環境をつくる「防音」「遮音」「吸音」とは? 

会話が聞き取り辛い

より快適な音環境とするために必ず覚えておきたいのが「防音」「遮音」「吸音」の違いです。それぞれどのような効果が得られるのでしょうか。

●防音(騒音の侵入・漏洩を防ぐ)

防音は、騒音を防ぐための対策を総称した意味で使用されます。外部の騒音が建物内に入るのを防ぐ、または建物内の音が外に漏れないようにすることを目的として使われる言葉です。効果的な防音を実現するためには、「遮音」と「吸音」の両方を組み合わせることが必要となります。

●遮音(音を遮断する)

遮音は、音を跳ね返すことで外部への音の透過を防ぎ、音を遮断する方法です。遮音性が高いほど音漏れの心配は少なくなりますが、過度な遮音は室内での音の反響を招くリスクもあります。

●吸音(音の響きを抑える)

吸音は、音を吸収することで音の反射を防ぎ、室内の音の反響を抑える方法です。細かい穴がたくさんある素材を用いて音の振動を吸収し、熱エネルギーに変換することで音を吸収するので、クリアな聞こえを実現します。

会議室に複数人集まって議論をしていると、徐々に議論が活発化して話す声が大きくなっていきがちです。その結果、会議室の外に音が漏れて他の従業員の作業の妨げになってしまう場合がありますので、音が漏れても気にならない程度の遮音対策を施しておきたいものです。

ただ、遮音対策だけ行うと、会議室内で音が響きすぎて発言者の声が聞き取りづらくなってしまう場合がありますので、あわせて吸音対策も検討することをおすすめします。

オフィスの音環境づくりをするうえでは、防音、遮音、吸音について理解をして、目的にあった効果が期待できる天井材や壁材などを取り入れるようにしましょう。

後から分かった、音の問題……どう解決する?

快適な音環境を実現するためには、吸音材を適切な量・適切な場所に配置することが重要です。元々、会議室の壁や天井に吸音材が用いられていれば最善ですが、そうでない場合、なかなか簡単に変更はできません。

そこで便利なのが、後付けで設置できる吸音材です。会議室も使ってみて初めて音の問題に気が付く場合が多く、枚数や配置場所をカスタマイズして音の響きを調整することができる吸音材が最適です。オフィスでよく見かけるスチールパーティションに後付けで簡単に取り付けられる吸音パネルもあります。

吸音材

今後さらに増加が予想されるWEB会議を円滑に進めるためにも、会議室の音環境には気を配りたいものです。吸音材を活用いて、快適な音環境を実現することで、大切な営業や商談を成功に導きましょう。

公開日:2021.09.28 最終更新日:2024.02.05

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