高齢者施設に調和する色は? アースカラーでリラックスできる施設環境づくり

調和する色

高齢者施設のバリアフリーの一つとして、色彩計画はとても重要です。
人は年を重ねるにつれ、どうしても目の中の水晶体が紫外線の影響などで濁っていき、色の識別能力が低下する傾向があります。そのため、高齢者にとって安全に利用できる施設には、加齢による視覚の変化に配慮した色彩計画が必要です。
また、色彩は心理的にも大きな影響を与えるといわれています。安心してリラックスできる空間にするためにも、高齢者施設に調和する落ち着く色選びが重要です。
本記事では、「色彩のバリアフリー」を考えた色彩計画のポイントに加え、リラックスできる色としておすすめのアースカラーについてご紹介します。

高齢者のための色彩のバリアフリーとは

調和する色

「色彩のバリアフリー」とは、色の識別能力が低い人でも、色覚の障壁(バリア)を感じることなく、誰もが見やすい配色にするという考え方です。目のレンズにあたる水晶体は、加齢にともない次第に濁りはじめ、色覚の低下につながる白内障にもなりやすくなるといわれています。
その白内障は、60歳代で70~80%、80歳以上はほぼ100%の人が発症しているといわれており、色覚に与える影響として主に次の3つが挙げられます。

・全体的に視界が黄色っぽく見える。
・暖色は認識しやすいが、寒色は認識しにくい。
・明度、彩度が低い色は黒っぽく見え、色の違いが分かりづらくなる。

高齢者施設の色彩計画では、加齢にともない変化していく色覚に配慮した、「色彩のバリアフリー」が必要とされています。

では、どのように「色彩のバリアフリー」を取り入れたらよいのでしょうか。
高齢者の色覚の特徴に配慮した見やすい色の計画には、「暖色と寒色を組み合わせる」、「明度に差をつける」の2つがポイントとなります。とくに、転倒するリスクのある階段の蹴上(けあげ:段の高さ)と踏面(ふみづら:段の幅)、壁と手すりなどには、認識しやすい配色にすることで、安全性が向上します。また、施設内のピクトグラムや案内・誘導サインも利用者が認識しやすい配色にすることで、色彩のバリアフリー化が可能となります。

リラックスできる空間にするための配色は

調和する色

安心してリラックスできる空間づくりにはアースカラーがおすすめです。 アースカラーとは、自然の大地や植物をイメージした色で、ブラウン・ベージュ・ブルー・グリーン系の色を総称したものです。

人がリラックスできる代表的な色は、緑と茶色です。緑は森や植物、茶色は木や土などの自然を連想させる色のため、心を落ち着かせてくれる効果があります。そのため、これらのアースカラーによるインテリアコーディネートは高齢者にも親しみやすく、高齢者が認識しやすい明度の高い色や暖色とも相性が良いため、「色彩のバリアフリー」への対応も容易です。

アースカラーで空間コーディネートするなら

調和する色

施設の内装にアースカラーを取り入れる場合、空間全体に使うことで統一感を持たせるのも良いですが、部分的に取り入れるのもアクセントとして効果的です。

例えば、共用スペースやリビングルームなどの壁や天井には、ナチュラルな木目と木の色を活かした羽目板などがおすすめです。ワンポイントでアクセントとして使うのもおしゃれですし、複数の色を組み合わせて、アースカラーによる濃淡をつけた配色で統一感を演出する方法もあります。
水回りにも、水や汚れに強く意匠性にもすぐれた建材があります。アースカラーの壁材を活用し、施設全体で落ち着ける空間づくりを目指しましょう。

内装の色でお悩みの方は、高齢者施設に調和しやすいアースカラーを検討してみてはいかがでしょうか。

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